魔法の鍋。ストウブをきちんと選んで、充実した自炊ライフを
自炊ブームといえる昨今。こだわりの調理器具が欲しくなった人も多いのでは? おいしく料理が作れてSNS映えも完璧な『ストウブ』の魅力について解説します!プロも愛用のキッチングッズ。『ストウブ』の鍋で世界が変わる
米国で西部開拓時代に発達したワイルドなアウトドア調理器具がダッチオーブンだとすれば、それが欧州でエレガントに進化したものといえるのが『ストウブ』です。同社は1899年にフランスのアルザス地方で誕生。分厚い鋳鉄製の鍋とリッドによる遠赤外線効果や高い蓄熱性、密閉性の高さによる無水調理などの特徴はダッチオーブンとも共通の特徴です。しかし、そこにさらに色鮮やかな琺瑯加工を施しているのが『ストウブ』のオリジナルな部分。鍋内部にも黒マットエマイユ加工(ザラザラとした質感のエナメル質琺瑯による加工)を施すことで、錆びや焦げ付きが発生しづらいように作られています。そうした使い勝手の良さに、食卓へそのまま出してもサマになる見た目の良さも手伝って、プロのシェフたちにも愛用され続けています。
「焼く」「蒸す」「煮る」などの機能に加えてオーブン料理はもちろん、炊飯から燻製まで幅広い調理の道具として使えるのが『ストウブ』の長所です。特に『ストウブ』が得意とするのが、分厚い塊肉や魚一匹を丸ごと使った料理、野菜の水分だけで作るカレーなどの調理。普通の鍋では手を出しづらい食材や調理法でも『ストウブ』なら簡単に自宅でプロ並みの料理に挑戦することができるのです。
なぜ“魔法の鍋”と呼ばれるのか。『ストウブ』ならではの3つの魅力
それでは、なぜ普通の鍋ではなく『ストウブ』の鍋を使うことでプロのような料理が作れるのでしょうか。また、類似の製品はいくつかありますが、その中でも『ストウブ』を選ぶべき理由は何でしょうか。料理の仕上がりからモノとしての利便性まで、3つのポイントに絞って『ストウブ』の魅力を解説します。
魅力1
誰でも簡単においしい料理が作れる、といっても過言ではない高い機能性
『ストウブ』では分厚い鉄の鋳物を素材に使用しており、それによって高い気密性と蓄熱性、遠赤外線効果を備えています。そのため食材にムラなく火が通り、塊肉はジューシーに柔らかく、白ご飯はふっくらとツヤやかに仕上がるのが特徴。また、蓋の裏に設けられた“ピコ”という突起が食材の水分を鍋内に循環させることで、水を使わずともおいしく仕上がるんです。さらに鍋内部にも琺瑯加工が施されているため、焦げ付きにくく酸にも強い! 料理を入れたまま保存できるのもうれしいところです。
魅力2
耐熱性が高く壊れにくいから、長く愛用できる
『ストウブ』と同種の鋳物鍋に琺瑯加工を施した鍋は複数社がリリースしていますが、最大の違いは取っ手の耐熱温度。『ストウブ』の場合は250度まで耐えられるため蓋付きでオーブンに入れても安心です。また、鍋内部に白の琺瑯加工が施されている場合は、使用に従って汚れが気になってくるものですが、『ストウブ』の場合は黒マットの琺瑯のため汚れが気になりません。そのためロングライフで愛用できるんです。
魅力3
調理後そのままテーブルに出せる、フランスブランドならではのデザイン性
基本的に鉄がむき出しのダッチオーブンとは違い、赤や緑、パステルカラーまで、さまざまなカラーを纏った製品がリリースされているのも『ストウブ』の魅力。鍋ごとダイニングテーブルに持ち込めば、豪快で男らしい料理と鍋そのものの明るさで、食卓が彩られて食欲が増すこと請け合いです。SNS映えもバッチリなうえ、食後の洗い物が減るのもうれしいところ。余った料理は鍋に入れたまま冷蔵庫にインすればOKで、さらに普段はキッチンの棚にしまわず出しっ放しにしていても絵になるなど、GOODルックな鍋は良いことずくめなのです。
3つのチェックポイントで見つける。自分に合う『ストウブ』鍋
定番の「ココット ラウンド」だけでも直径10cmから34cmまでほぼ2cm刻みで幅広いサイズ展開となっており、形状やカラーのバリエーションを含めると膨大な量になる『ストウブ』。思わず目移りしてしまいそうになりますが、ここでは一般的な家庭で使いやすい『ストウブ』の選び方をご紹介します。
ポイント1
用途に応じて選びたい。『ストウブ』の豊富なサイズ展開
「ココット ラウンド」を例に挙げて考えましょう。もしパートナーと2人暮らしならメインディッシュにも副菜にも使え、家族の人数が変わっても活躍の機会が多い18cmか20cm。4人以上の家族ならキャベツを丸ごと煮込めたり、5合のご飯を炊けたりするほどの容量を持つ24cm以上がおすすめです。もしくは最初にベーシックな22cmを選び、さらに追加で欲しくなったら小さいサイズを買い増しするのも良いでしょう。ラウンドの14cmや16cmは1人分の器としてそのままテーブルに出すのにぴったりのサイズのため、1人1つ揃えれば家庭のメインディッシュや副菜用としても活躍してくれるでしょう。
ポイント2
ラウンドか、オーバルか。“何を入れるか”で形を選ぶ
1つ目の『ストウブ』としてメーカーが推奨しているのが、円形の「ココット ラウンド」と楕円形の「ココット オーバル」。ラウンドは熱の通りにムラがなく、煮込み料理はもちろんケーキの焼き型などとして幅広く活躍してくれつつ、場所を取らないところが魅力です。オーバルも幅広い調理に使用可能ですが、なかでも塊肉や魚、長い野菜などをそのまま切らずに鍋に入れることが可能。高さが低めのためオーブントースターにも入れやすく、取り分けがしやすいという特徴も備えています。それぞれの特徴を理解しつつ、自分のライフスタイルにフィットするモノを選んでください。
ポイント3
“セカンドストウブ”に選ぶべき、浅型や和風のモデルも検討したい
とりあえずラウンドかオーバルを手に入れて気に入ったなら、買い増しを検討したいところ。もちろんサイズの異なるものを選ぶのもおすすめですが、『ストウブ』の魅力を存分に満喫したいならオーバルとラウンド以外も検討のテーブルに乗せてみてはいかがでしょう。特に和食の多い人であれば、炊飯に特化した「ラ ココット de GOHAN」、鍋料理や味噌汁などの汁物に最適な「ワナベ」など、日本の食生活を主眼に置いて開発されたシリーズもおすすめです。
形もサイズもよりどりみどり。『ストウブ』のおすすめ鍋、厳選8点
カラーやサイズ展開、派生モデルまで含めると100種近い膨大なラインアップを有する『ストウブ』。その中から日本の家庭で使いやすいモデルをピックアップしつつ、それぞれどんな調理法に向くかも含めてご紹介します。
アイテム1
ピコ・ココット ラウンド 10cm
シリーズ最小にあたる、直径10cmの「ココット ラウンド」は卵1個がそのまま入るサイズ。具材とオイルを入れて火にかけてアヒージョを作ったりといった副菜用のほか、ディップソースを入れるソースポットとして使ったり、赤ちゃんの離乳食作りに使ったりと、見落としがちですが実は持っていると便利なのがこのサイズです。
アイテム2
ピコ・ココット ラウンド 16cm
1人暮らしならこちらの16cmがちょうど良いサイズ。麺類などの1人前の主食を作ることができ、そのまま鍋から食べてもだらしないどころかおしゃれな食事に早変わりします。また、家族構成が変わって大きなサイズの「ココット ラウンド」を買い足したとしても、サブの鍋として活躍するのがこのサイズです。
アイテム3
ピコ・ココット ラウンド 24cm
キャベツが1玉丸ごと入る24cmの「ココット ラウンド」は、食べ盛りの子供がいる家庭の本命サイズ。煮込み料理やカレーなどのメインディッシュをたっぷり作れるほか、副菜の作り置きにも便利。また、友人を招いてホームパーティをする際にも大活躍してくれます。大きめにカットした食材も入るサイズのため、キャンプにも持っていきたくなります。
アイテム4
ピコ・ココット オーバル 27cm
「ココット オーバル」の楕円形シルエットが最も生きるサイズが27cm。塊肉のローストビーフはもちろん、丸鶏のローストや丸ごと1匹の魚を使ったアクアパッツァ、茹でとうもろこしも切らずにそのまま調理可能です。「ココット ラウンド」と比べて高さを低めに設定してあるため、卓上での鍋料理にもぴったりです。
アイテム5
ブレイザー ソテーパン 28cm
「ココット」シリーズの浅鍋タイプが、この「ブレイザー ソテーパン」。フライパンとしても鍋としても使用可能で、もちろん密閉性にも優れているため無水調理もOK! パエリアを作ったりすき焼き鍋として使ったりといった活用方法のほか、ケーキ型やちぎりパンを作ったりといった使い方がおすすめです。
アイテム6
ラ ココット de GOHAN グレー S 12cm
「もっとおいしくご飯を炊けるココット」を目指し、日本古来より伝わる羽釜を参考に開発されたのがこちら。炊飯時の対流を考慮した底のデザインと鋳鉄ならではの蓄熱性によって熱を全体にムラなく伝えることで、ふっくらとツヤかなご飯を炊き上げることが可能です。こちらの12cmは1合サイズのため、1人暮らしの炊飯や夫婦2人暮らしのスープ用にぴったりでしょう。
アイテム7
ワナベ
日本の食生活に合わせ、定番のココットより浅くてブレイザーより深い、絶妙な高さのミディココットが「ワナベ」。底をラウンド型にすることで丸みに沿って対流が促され、出汁がしっかり煮立って食材にも染み込みやすくなるように設計されています。また、底が丸いぶん容量が少ないかと思いきや、同じサイズの「ココット ラウンド」と比べると実は「ワナベ」のほうがたっぷりと入るのもうれしいところ。もちろん炊飯も得意です。
アイテム8
トマト ココット
ブランデーワインという品種のトマトをモチーフにデザインした25cmのスペシャルココットは、自宅用としてだけでなく贈りモノにも最適。容量2.5Lながらオーブン調理も可能なため、パイを焼いて蓋を閉めてからサーブすれば食卓でのプレゼンテーションも完璧です。
『ストウブ』の鍋を使い始める前に必要な工程。シーズニングの方法を知る
ダッチオーブンなどの鋳鉄製の鍋と同様に『ストウブ』でも使い始めの“ならし”作業としてシーズニングが必要です。ただしダッチオーブンでは鍋から煙が上がるほどカンカンに熱して油を馴染ませますが、琺瑯加工が施されている『ストウブ』ではそこまでする必要はありません。基本的には鍋を中性洗剤で洗って乾かし、鍋の内側と蓋の裏側に食用油を塗り、弱火で数分間加熱して油を馴染ませればOKです。
使い込むに従って内側のツヤがなくなり白っぽくなったときも、再度シーズニングをするタイミング。使い始めと同じ方法で油を塗れば、すぐに元通りのツヤを取り戻せます。また、シーズニング代わりに揚げ物をする人も多いそうです。気になる内側の焦げ付きは重曹を入れて沸騰させればスルリと落ちますし、外側の頑固な汚れは水を加えてペースト状に練った重曹でやさしくこするように落とすと簡単です。見た目も重要となる鍋のため、こまめな手入れによって美しい状態をキープしておきたいところですね。
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