素足感覚が心地良い。ベアフットシューズが、ランニングの悩みを改善する
シンプルな構造で素足のような感覚が味わえるベアフットシューズ。履くだけで足本来の強さを引き出してくれると話題の機能性から、今履くべき8足をまとめて披露します。厚底時代にあえての選択。ベアフットシューズで知る、走る楽しみ
「ベアフットシューズって何!?」と思われる方も多いかと思います。誤解を恐れず簡単にいうと、極端に底を薄くしたシューズのこと。“ベアフット”には裸足、素足という意味があり、その名の通り素足のような感覚で履けるシューズのことを意味します。現在のランニングシーンでは、ミッドソール内にカーボンプレートなどのハイテク機能を搭載して、ランナーの走りを強力にサポートする厚底シューズがメイン。それに対してベアフットシューズは、裸足に近い環境で走ることで人間の足本来が持つバランス感や力を引き出すことを目的として作られています。ベアフットに言及した2010年に発行の名著『Born to Run 走るために生まれた』の上陸と同時に日本でもその存在が広まり、ランニングを志すなら一度は通っておいて損はないシューズといえるでしょう。
底が薄いと何が変わる? ベアフットシューズを取り入れた方が良い人とは
ここ最近ではすっかり定番となった厚底シューズ。そのソールは衝撃吸収性能に優れ、まるでロッキングチェアの足のようにラウンドした形状が一般的です。それを履きこなすには足をかかとから着地し、つま先で地面を蹴り出すヒールストライク走法が最適とされています。一方のベアフットシューズはというとソールが薄く、衝撃吸収機能を排除しているモノがメイン。ゆえにベアフットシューズを履くことで自然にヒールストライク走法をしなくなり、前足部で着地と蹴り出しを行うミッドフット走法やフォアフット走法に変化。衝撃吸収素材に頼らない、足本来の衝撃吸収能力を取り戻す効果が期待できるといわれています。さらに高い負荷がかかるので、高いトレーニング効果が欲しい方にもおすすめです。
アスファルトには不向き? いきなり長距離は適さない? ベアフットシューズの注意点
ベアフットシューズは薄底ゆえに、凸凹したアスファルトや危険物の多い場所では怪我をしたり足を痛めたりする可能性があります。さらに普段の走法が変わることでアキレス腱やふくらはぎなど足への負担がかかる箇所も変わるので、少しずつ慣らしていくことが大切。焦らずに、走る距離を少しずつ伸ばしていくことで必要な筋力を向上させていくのが好ましいですね。とにかく、いきなり高負荷をかけると怪我や故障につながる恐れがあるのでご注意を。
初めての1足は、ここから。ベアフットシューズのおすすめ8足
ここからは新作から定番も含めて、『メレル』や『ナイキ』といった人気ブランド発のベアフットシューズをご紹介。トレーニングからちょっとそこまでの普段使いまで使い回しが利く万能モデルを揃えました!
1足目
『メレル』ムーブ グローブ
濡れた路面などで最大限の力を発揮するアウトソール、ビブラムメガグリップを採用した「ムーブ グローブ」。まるでフィンを連想させるようなラグパターンが足裏全体を覆うように設けられており、着地から蹴り出しまでくまなくグリップを発揮してくれます。さらにミッドソールに独自のポロン ヴィブクッションを搭載し、優れた衝撃吸収性能も兼ね備えています。
2足目
『ナイキ』フリー ラン 5.0 2020
短距離ランニング用として最適な『ナイキ』の「フリー ラン 5.0 2020」。本体とシュータンを一体化したブーティ構造のアッパーには、あえて伸縮性のない生地を採用することで適切な位置での足のホールドを実現しています。そしてソールの全面には細いスリットを多数設けることで屈曲性を高め、足の自然な動きをサポートしてくれます。
3足目
『ナイキ』フリーラン フライニット 3.0
『ナイキ』の「フリーラン」シリーズならではのブーティ構造や柔軟性に優れたソールといった特徴はそのままに、さらに進化を遂げたモデル。アッパーの生地をフライニットでアレンジすることで、よりしなやかな履き心地となっています。さらにシューレースを省いたスリッポン仕様により甲への余分な圧力を取り除き、快適でリラックスした履き心地を獲得しています。
4足目
『ニューバランス』MT10
2012年に登場し、裸足感覚の自然な履き心地から圧倒的な人気を誇ったトレイルシューズ「ミンマス 10」。今モデルはそのアップデートモデルとなります。前後での高低差4mmという極めてフラットに近いレス ドロップ設計のラストを採用し、アウトソールにはロード、トレイルどちらにもグリップ性に優れたビブラム アウトソールを搭載。90年代アウトドアスタイルを連想させるビビッドなイエローカラーもポイントです。
5足目
『メレル』ベイパーグローブ4
トゥとヒールのドロップ差±0mmを実現した、『メレル』が展開するベアフットランニングシューズの最薄モデル。裸足感覚を実現するためにあえて必要最小限の機能に絞りながらも、日々のトレーニングでの安全面を考慮してアウトソールには『メレル』専用のビブラム TC5+ソールを採用しています。しっかりとしたグリップ力は、やみつきになること請け合いです。
6足目
『ビブラム』ファイブフィンガーズ
ここまででも何度か登場している、他社へのアウトソール提供でよく知られているブランド『ビブラム』が開発したベアフットシューズ。限りなく裸足に近い感覚を追求した5本指シューズで、アウトソールも3mmと極薄仕様となっています。すべての足の指が独立して自由に動かせるので、他のシューズでは味わえない心地良い開放感を提供してくれます。
7足目
『ミシャンシャ』フィットネスシューズ
中国発のスポーツブランド、『ミシャンシャ』のベアフットトレーニングシューズ。アッパーはポリエステルによるニット生地で優れた通気性とフィッティングを両立しています。さらに甲上部分にはストッパー付きのドローコードが付属するので、高いホールド力も確保。ソールも柔軟性が高く、まるでソックスのような履き心地となっています。
8足目
『テスラ』BK32
韓国発のシューズブランド『テスラ』を代表するベアフットトレッキング・ランニングシューズ。わずか2mmの極薄ミッドソールを搭載しており、裸足に近い感覚を実現しています。ブーティ構造のシームレスなメッシュアッパーは柔軟性も高く折りたたみも簡単なので、普段使いはもちろんジム用シューズとして携帯するのにも便利ですね。
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ファッションを中心に様々な雑誌やWEB媒体で執筆を行っているエディター/ライター。中でもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。