セントジェームス人気3モデルのコーデ術。ウエッソン、ナヴァルとピリアックはこう着る
春夏秋に大活躍のボーダーカットソー。その鉄板ブランドの1つが『セントジェームス』です。ブランドが誇る人気モデルに着目し、おすすめのコーデ術をご紹介します。ボーダーカットソーの100年ブランド『セントジェームス』
『セントジェームス』はフランス北部のノルマンディー地方にて1889年に設立。タグに記された“Ne de la mer(=海から生まれた)”という言葉どおり、古くから漁師や船乗りなど海の男たちに作業着を提供してきた、フランスを代表するマリンブランドです。代表アイテムであるボートネックのボーダーカットソーは別名バスクシャツとも呼ばれており、今や作業着の枠を飛び越えカジュアルシーンの定番品としてなくてはならない存在となっています。
『セントジェームス』のボーダーカットソーが愛される理由
今や多くのファッションブランドから発信されているボーダーカットソー。その中でも『セントジェームス』の手掛ける逸品はずば抜けて高い人気を誇ります。もちろん、ボーダーカットソーのリーディングブランドだというところも大きな要因ですが、それだけではありません。
支持を集める理由の1つが、MADE IN FRANCEならではの優れた品質。伝統的な手法と近代的な管理システムを組み合わせることで、頭ひとつ抜けた高いクオリティを実現しています。さらに、“着れば着るほど味が出る”のも『セントジェームス』のボーダーカットソーならではの特性。しっかりと目の詰まったコットン100%のボディはハリのある風合いですが、洗うほど肌に馴染み柔らかさが増していきます。つまり、育てていく工程も楽しめるアイテムというわけですね。
モデル1:ブランドを代表するアイテム「ウエッソン」
ボーダーカットソーの旗手たる『セントジェームス』の看板作として、まず紹介しておきたいのが「ウエッソン」。日本では「ウエッソン」と呼ばれていますが、世界的には「ギルド」という名称で流通しています。こちらは、ノルマンディー地方の漁師やヨットマンたちが着ていた、古き良き作業服のスタイルを受け継ぐオーセンティックなモデルです。コットン100%で密に編み立てられているため、後述の「ナヴァル」と比べても程良い肉厚感があり、タフに着こなすことが可能。太すぎないピッチの総ボーダー柄は、旬なマリンテイストをアピールするのにもうってつけです。
▼「ウエッソン」を取り入れた着こなしをファッショニスタに学ぶ
そのままサラッと1枚使いするも良し、柄を生かしてインナーとしてスパイス的に活用するも良し。多彩な合わせ方に対応できる振り幅の広さは定番品ならではです。1枚あるとコーディネートの幅が大きく広がります。
着こなし1
ネイビーを基調にスマートなカジュアルコーデをメイク
「ウエッソン」とジーンズ、さらにはトートまでも一貫してネイビーでリンクさせ、都会的な印象を演出。すらっと細身なサイズ感も手伝って、スマートなカジュアルスタイルにまとまっています。また、足元に『パラブーツ』の革靴を持ってきて印象をピリッと引き締めているのもポイント。シンプルながらもしっかりとツボを押さえたスタイリングです。
着こなし2
きっちりめの紺ブレコーデにボーダーで抜け感をプラス
ネイビーブレザー×白トラウザーという、トラッドな趣のコーディネート。そこにフレンチテイストなボーダーTを落とし込み、着こなしにひとさじの抜け感を加えています。カットソーでジャケット(紺)とパンツ(白)の色をそれぞれ拾うことにより、一体感に訴求しているのも技あり。ローファーはあえて素足で履き、涼しげなイメージを促進しました。
着こなし3
あえての“無地ウエッソン”でクリーンさをアピール!
実は『セントジェームス』はボーダーだけでなく無地モノも非常に支持率が高いんです。まっさらな無地の「ウエッソン」に脚線のきれいなテーパードパンツを合わせれば、それだけでクリーンさに満ちたスタイルが完成します。インナーのチェックシャツを首元からチラッと覗かせて、さりげなくアクセント付けするテクニックもぜひ参考にしたいところ!
モデル2:よりライトな着心地を求めるなら「ナヴァル」
「ウエッソン」と双璧をなす永世定番である「ナヴァル」も『セントジェームス』を語るうえでハズせません。かつてフランス海軍の水兵たちの制服であったアイテムで、「ウエッソン」よりも細番手の糸で編み上げられておりやや薄手なのがポイント。また、ボーダーが全面に入る「ウエッソン」に対し、「ナヴァル」は胸・肩・裾が無地になったパネルボーダー仕様になっています。
▼「ナヴァル」はこなれた大人の着こなしにマッチ
こちらの「ナヴァル」も高感度なファッショニスタたちがこぞって愛用中。ジーンズ、アンクルパンツなど抜け感あるボトムスと合わせている人が目立ちます。巧みに着こなしたグッドサンプルをご紹介していきましょう。
着こなし1
上品さと季節感が共存する小粋なスタイリング
青ボーダーの「ナヴァル」やアンクルパンツといった軽快なアイテムで、春夏らしさを呼び込んだ着こなし。その一方、シックな色合いのカーディガンと味わい深いレザーデッキシューズによって、品良いムード感も隙なく封入しています。これぞまさに“いいとこ取り”なコーディネートといえそうですね。ベレー帽でのキャラ出しもお見事!
着こなし2
旬なワントーンコーデにボーダーでアクセント付け
7分袖タイプの「ナヴァル」を着用。旬度の高いネイビーワントーンで着こなしをまとめつつ、白のボーダー柄で上手にリズムを生み出しています。ロールアップ×ニットキャップでリラックス感を巧みに演出するテクニックもお見事。ニットキャップのオレンジが挿し色として効いています。
着こなし3
ミリタリーウェアの放つ武骨さをボーダー柄で中和
フィールドジャケットとチノパンによるタフなミリタリースタイルがベース。それでいてあか抜けた装いにまとまっているのは、清々しいボーダーTで男臭さを巧妙に和らげているからです。こんな風に“脇役”として取り入れるのも、賢い使い方の1つといえるでしょう。チラ見せした白ソックスも、骨太感の緩和に貢献!
モデル3:サラッと着られる春夏の定番。半袖の「ピリアック」もチェック!
半袖タイプの「ピリアック」は、夏シーズンに大活躍間違いなしのアイテム。すっきりとしたボートネックと、袖周りを美しく見せるやや長めのスリーブが特徴となっています。コットン100%の生地は「ウエッソン」よりもやや薄く、そのまま素肌に着てもコンフォート。それでいて耐久性にも優れているので、日常着としてガシガシ着倒せます。
▼「ピリアック」を着用したスタイリングの好サンプル
トレンドのスポーツものと合わせたり、羽織りモノとのレイヤードを楽しんだりと、自由度の高い着こなしが多く見られた「ピリアック」。彼らのコーデ術を参考にして、自分なりの使い方を探し出してみましょう。
着こなし1
スポーティなアイテムと合わせたテイストMIX
フレンチマリンな面持ちの「ピリアック」を主役に据えつつ、ジョガーパンツとの共演によりスポーティな雰囲気を注入。今どき感漂うテイストMIXスタイルに仕上げています。さらに、バッグ以外のアイテムをモノトーンカラーで揃えて、きちんと大人っぽさにも訴求。シャープなサイズバランスも、スポーティなアイテムを街っぽく着こなすコツといえるでしょう。
着こなし2
シャンブレーシャツを羽織った気負わないレイヤードコーデ
ほんのりワークテイストなシャンブレーシャツを「ピリアック」にレイヤリングし、肩ひじ張らないカジュアルコーデを形成。青を纏った涼やかな色合いのシャツですから、ボーダーTの放つ夏らしさをサポートするうえでも効果的です。加えて、ソックスに合わせたスライドサンダルも着こなしのリラックス感向上に一役買っています。
着こなし3
ショートパンツとのマッチアップで程良くアクティブに
とことん夏らしく攻めるならショートパンツとの組み合わせもGOOD! ただし、柄モノを持ってくると装いがゴチャついてしまうので、ボーダーの存在感の邪魔をしない無地デザインを選ぶのが鉄則です。足元には動きやすいスケートシューズを選んで、アクティブ感を底上げ。着こなしがラフな分、子供っぽく見えないよう色味は控えめに徹したほうがベターです。
最後に。知っておきたい『セントジェームス』のサイズについて
『セントジェームス』のサイズ表記は一般的なS・M・Lではなくフランス表記。初めてだと少しわかりにくいので、購入時には注意が必要です。T0~T7(「ナヴァル」はT6まで)の表記で展開され、メンズサイズに該当するのはT4(S相当)、T5(M相当)、T6(L相当)T7(XL相当)。なお、T3はレディースのM相当になりますが、どのモデルも比較的ゆとりのあるシルエットなので、小柄な男性であればジャストで着こなせます。一般的に『セントジェームス』は縦方向に縮むといわれているので、丈感にも余裕を持って選びましょう。
ウェア・コーデ
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平 格彦
2021.05.11
handbagでの執筆本数NO.1ライター
山崎 サトシ
アフロ歴15年のファッションライターで、趣味はヴィンテージモノの収集とソーシャルゲーム。メンズファッション誌を中心として、WEBマガジンやブランドカタログでも執筆する。得意ジャンルはアメカジで、特にデニム・スタジャン・インディアンジュエリーが大好物!