ビルケンシュトック屈指の人気者。チューリッヒの魅力と今どきコーデ術
名モデルを多数擁する『ビルケンシュトック』の中でもとりわけ支持率の高い「チューリッヒ」。その魅力を解説しつつ、カラー別のコーデ術からラインアップまでご紹介!ファッション業界人もこぞって愛用。『ビルケンシュトック』の「チューリッヒ」とは
『ビルケンシュトック』は1774年に創業したドイツの名門シューズブランド。快適な履き心地を叶えるサンダル類が特に有名です。そのサンダルの中でもとりわけ人気の高いモデルの1つが「チューリッヒ」。アパレルの関係者にも愛用者がたくさんいます。ワイドなストラップが最大の特徴である「チューリッヒ」は、サンダルらしからぬ上品な表情で大人のコーディネートに馴染みやすく、サンダルを履きたいけどラフ過ぎる印象になるのは避けたい、というときに最適。ワンストラップのシンプルな仕様なので、ソックスを合わせるアレンジがしやすいのも魅力です。
『ビルケンシュトック』を象徴するフットベッドは、当然「チューリッヒ」にも搭載。人間の足の形状に合わせて立体的に成形されているため、足の裏にぴったり寄り添ってくれます。また、ストラップには留め具が2か所に付いているため、サイズ感を細かく調節可能。好みや甲の高さに合わせて微調整でき、履き心地がさらに向上します。こうしてストラップとフットベッドによって足を上下からやさしく固定することで、圧倒的なフィット感を実現しているのです。
4層もしくは5層で構成されるフットベッドは、クッション性も抜群。さらにボーンパターンが描かれた独自のEVAアウターソールも優秀で、軽量なのに自然な歩行をサポートしてくれます。このように、「チューリッヒ」はデザイン面も機能面も優れているため、ファッションのスペシャリストたちからも高く評価されているというわけです。
「チューリッヒ」といえば、やっぱりスエード。4つの定番色とコーデテク
ワイドなストラップを採用している「チューリッヒ」だからこそ、アッパーには通気性と柔軟性が求められます。そんな条件を満たす素材として定番的に採用されているのがスエード。上品な印象も備えているので、まさに大人にうってつけです。ここでは、スエードのカラバリを解説しつつ、カラー別のコーディネート例も紹介。どう履きこなすかをイメージしつつ、お好みの「チューリッヒ」を選んでみてください!
▼カラー1:上質感と軽快感を併せ持つトープ
「チューリッヒ」を代表するカラーといえるのがトープです。明るいトーンのベージュなのでスエードならではの表情が目立ち、上品なムードを振りまいてくれます。ライトな色味ならではの軽やかな印象もあるため、春夏のコーディネートに最適です。
着こなし1
男っぽいシャツスタイルを「チューリッヒ」で爽快に
ミリタリーシャツにブラックのパンツを合わせつつ、シャツのボタンをすべて外して男らしい開放感を強調したコーディネートがベース。その魅力を損なうことなく軽快感を加味しているのが、肌に近い色味の「チューリッヒ」です。やや短いパンツの丈感が、サンダルの抜け感を増幅!
着こなし2
リラックス感溢れるムードを足元まで統一した好例
ややオーバーサイズのTシャツにワイドなジーンズを合わせたリラクシングなスタイリング。白いTシャツに加え、ジーンズも淡いトーンで軽やかな印象に仕上がっています。そんなイメージを足元まで揃えるなら、明るいベージュのサンダルが適任!
▼カラー2:シーズンを問わず幅広く使えるミンク
ブラウン系のミンク。スエードの王道カラーであるため、幅広く使える色の1つです。温かみを感じさせる色なので、暑苦しくならないように履きこなすのがポイント。
着こなし1
パンツのボリュームに負けない茶色のサンダルが好相性
付属のエプロンがボリューム感を強調しているワイドなパンツ。存在感では負けないブラウンの「チューリッヒ」が、パンツと同化することなく上品なアクセントとして適度に主張しています。全体としては落ち着きのある夏スタイルです。
着こなし2
温かみを生かして涼しい日にも「チューリッヒ」を活用
涼しい季節に「チューリッヒ」を活用した好例です。「チューリッヒ」のブラウンに合わせてトップスもハットもブラウンで揃え、ウォーム感を拡大しているのがポイント。ソックスを履くことで見た目も着用感も保温性を高めています。ブラックのスキニージーンズで引き締めてクールな大人の着こなしに。
▼カラー3:シックなのにカジュアル感もあるモカ
ダークなカラーを選びたいけど、ブラックではクール過ぎる……そんなときに筆頭候補に挙がるのがダークブラウンのモカです。ネーミング通りのコーヒーを連想させる色味で、履きこなしやすさも抜群です。
着こなし1
ダークトーンでまとめた洒脱なジャケットスタイル
Tシャツ以外はダークトーンでまとめた上品なジャケットスタイルです。ベストを組み込むことでスリーピースのような品格を醸しつつ、足元を「チューリッヒ」にしてあえてハズしています。ソックスを合わせることで足元の肌を隠し、抜け感が出過ぎないようにバランスを調整。
着こなし2
ラフなスタイルの引き締め役として「チューリッヒ」を投入
白い無地のTシャツ、ワイドなシルエットのジーンズ、サンダルの「チューリッヒ」を使ったコーディネートはかなりラフな印象になりがちです。それなのに大人っぽくまとまっているのは、ジーンズもサンダルもダークトーンだから。パンツのロールアップでさりげなく個性もプラスしています。
▼カラー4:足元をクールに引き締めてくれるブラック
大人っぽく足元を引き締めたいなら、やっぱりブラック。しかもスエード製の「チューリッヒ」なら、無機質な印象になり過ぎることがなく、上質な表情もあるバランスの取れた足元に仕上がります。
着こなし1
カジュアルなコーディネートを黒で引き締めたお手本
クレイジーパターンのチェック柄シャツにベージュのイージーパンツを合わせたコーディネートはカジュアルな印象。サンダルを合わせると一層カジュアルになるはずですが、ブラックの「チューリッヒ」を選ぶことで落ち着いたムードにまとめています。
着こなし2
ブラック×ホワイトをメインにしたクールな装い
サンダルとウエストポーチはブラックで、Tシャツとソックスはホワイト。上下のどちらにも黒×白の組み合わせを作ることで、クールで落ち着きのある印象を打ち出したスタイリングがお見事です。ハイウエストなジーンズがさりげなく新鮮で今どき!
▼その他のカラー:まだある。スエード素材のカラバリ
スエード製の「チューリッヒ」は定番だからこそカラーバリエーションも豊富。例えばホワイトはライトグレーに近い色味で、軽やかなイメージや都会的な印象を足元に加味することができます。
また、ブルーはネイビーに近い色調で落ち着いた印象。大人っぽさと爽やかさを兼ね備え、幅広いコーディネートにマッチします。この他にも新作、限定品、別注品などで新しいカラーが登場することもあるので、こまめにチェックすることをおすすめします!
スエード以外にもバラエティ豊か。「チューリッヒ」の多彩なラインアップ
「チューリッヒ」の王道はスエードですが、他の素材も数多くリリースされています。また、ディテール違いのバージョンもラインアップされているので、そのバリエーションをご紹介します。
素材1
ヌバックレザー
革の内側を起毛したのがスエードですが、表側を仕上げたレザー製の「チューリッヒ」も展開されています。その1つが「ヌバックレザー」。きめ細かいレザーならではの風格が魅力のこちらは、ヴィンテージのような味のある雰囲気を醸し出します。
素材2
ビルコフロー
肌にやさしく耐裂性に優れる合成素材が「ビルコフロー」。『ビルケンシュトック』が商標登録しているオリジナル素材です。見た目はレザーに近い上質感がありながら、ケアしやすいという利点を備えています。「チューリッヒ」では男らしさが薫るカモフラージュ柄などをラインアップ。
素材3
デザートソイル
アウトソールがブラックとホワイトで構成されているのが「デザートソイル」。ホワイトが映えるカラーコントラストにより、クリーンでモダンなイメージも感じさせるルックスに仕上がっています。爽やかさが欲しいときにはおすすめです。
素材4
ボア付き
足が触れる部分すべてにラムスキンボアを採用したモデルもあります。保温性が高いので、ソックスと組み合わせれば使えるシーズンが拡大。ただし、柔らかい極上の履き心地を楽しむなら、素足で履くのがおすすめです。
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60以上のメディアで執筆。「着こなし工学」提唱者
平 格彦
出版社を経て独立。「Men’s JOKER」と「RUDO」は創刊から休刊までほぼ毎号で執筆。さらに「MEN’S CLUB」「GQ」「GOETHE」など、60以上のメディアに関わってきた。横断的、俯瞰的に着こなしを分析するのが得意。そんな視点を活かし、「着こなし工学」としての体系化を試みている。