今っぽくて大人っぽい。ベージュのセットアップでワンランク上の洒落者に
オン・オフでの有用性や着こなしの幅広さ、そして圧倒的なこなれ感で人気を集めるベージュのセットアップ。さまざまな側面からその魅力を深掘りしていこう。落ち着きがあってトレンド感も盛り込める。ベージュのセットアップに頼ってみよう
さまざまな働き方が溢れる昨今、その自由度の高まりに比例して装いも幅広いものになってきた。ひと昔前ならスーツはネイビー、グレー、そしてブラックが定石であり、ベージュはメディアやファッションの業界人が着る程度だった。しかし、時代も変わり現在ではビジネスシーンでもタイドアップ、ドレスダウンを含めてベージュのセットアップがかなり定着してきている。その大きな魅力は顔写りが明るく、華やいで見えることに加え、色の示す柔和な印象がシンプルなスタイリングにもこなれた雰囲気形成を促してくれることにある。
ベージュカラーの持つ魅力は洒脱さだけでなく、他アイテムとのバランス力に長けた点にもある。淡い色合いのため、濃い色や原色とも相性が良いうえに、無彩色のアイテムとも非常に合わせやすい。つまり、インナーやVゾーンなどビジネスにおける“色迷子”からの脱却が図れるというわけだ。ビジネスで高い有用性があるということは、オフスタイルにおいては一層自由にスタイリングができる。さらに暑い季節では、セットアップも重苦しい色よりベージュくらい軽やかな方が、接する相手に涼しげな印象を与えることが可能。以上のことから、ベージュのセットアップは今、1着は持っておきたいアイテムといえる。
コットンかナイロンか、素材によって雰囲気が一変。選ぶときのポイントとは?
ひと口に“ベージュのセットアップ”といえど、その中にも個性がある。オーセンティックなデザインであれば、最も差がつくのは生地だろう。春夏シーズンにラインアップされるセットアップの素材はコットンとナイロンが大半を占めている。つまり、コットンとナイロンのそれぞれの良さと適性を知っておくことで、スタイリングの仕方や用途を考えた購入選択ができるということだ。
素材1
きれいめなスタイリングが作りやすい「コットン」製
春夏シーズンのセットアップとして最もポピュラーな素材がコットン。Tシャツやデニムなどにも用いられるだけに、ラフな印象が強いかもしれない。しかしながら、実際昨今のスーツやセットアップに使われているのは繊細な細い番手の綿が多く、そのほとんどがウールのような上品な雰囲気を漂わせている。程良い光沢感とややシャリ感の残る風合いはベージュの色味との相性も抜群で、ビジネスシーンをはじめタイドアップやきれいめな合わせに最適。
素材2
スポーティな「ナイロン」製でアクティブな空気を
対して、機能性を重んじた素材として展開されているのがナイロンのもの。撥水性や通気性、防シワや防臭など天然素材では叶わない春夏シーズンに抱えがちなストレスから解放してくれる素材が多く展開する。コットンのような風合いではないものの、カラーがしっかり乗ったフラットな質感は、モダンなイメージを与えてくれる。そして、化繊ならではの質感がアクティブに作用するため、ビジネスシーンにおいてもリュックやスニーカー、そして自転車通勤などがよく似合う素材なのだ。
ベージュのセットアップなら着用するだけでおしゃれに。コーデサンプルをチェック
ベージュのセットアップの魅力は説明してきた通り。では、コーディネートの好例を実際にチェックしていこう。ここではビシッとしたフォーマルスタイルというよりも、オフィスカジュアルや休日でのアレンジをベースにセレクト。参考にしたくなる“ベージュ賢者”たちの小技やアイテム使い、とくとご覧あれ。
コーデ1
グレーとベージュで爽やかさ、無限大
ベージュのセットアップが持つ明るく軽快なイメージをコーディネート全体で主張。色は控えめに、インナーとスニーカーはグレーで統一。色数を少なく、そして淡いトーンで纏めあげたことでこなれ感を獲得している。オフィスカジュアルやオフシーンでも対応可能で、最も取り入れやすいサンプルだろう。
コーデ2
ルーズ感と原色使いでストリートスタイルに昇華
セットアップをストリートスタイルに落とし込んだ好例。上品で普遍性の高いアイテムだけになかなか難しいと思われがちなトライだが、オレンジのボーダーカットソーとスケートシューズを合わせることで'90sテイスト溢れる仕上がりに。セットアップもややオーバーサイズなものを選んだことで、ぽってりとしたスケシューと相まって狙いのストリート感を手にできる。
コーデ3
爽快ブルーを使ったリラクシングなリゾートルック
ベージュはやや淡いトーンを選択し、インナーと巾着バッグにブルーを加えることで夏らしいマリンテイストを獲得。ややルーズなサイズ感や足元にセレクトしたサンダルが程良く力感の抜けたスタイルをアシストしているのがわかるだろう。夏のリゾートといえばショーツに柄シャツといきたくなってしまうところだが、セットアップを軸に構成すればこちらのリゾートルックのようにセンスや知性を感じさせることが可能だ。
コーデ4
同系色をグラデーションで合わせて洒脱に
クラシックなダブル仕立てのデザインに、コンフォート感あるイージー素材のセットアップが主軸の着こなし。ダブルジャケットの品格ある印象を生かすべく、インナーにはブラウン、足元にはホワイトというグラデーションカラーに。カジュアルとドレスのちょうど良いバランスを成立できているため、オン・オフどちらにも活用できる。
コーデ5
柄シャツを主役に抜擢して色気のある佇まいを実現
ジャストサイジングのセットアップに、ボタニカル柄の開襟シャツをプラス。“スーツに柄シャツ”と聞くとどうしても不良感が先行してしまいがちだが、全体をアースカラーでまとめればこなれたスタイリングが完成する。足元にはヌーディカラーのグルカサンダルを選択し、セットアップの上品さはそのままに男の色気をアピールするのも良いテクニック。
人気のブランドから続々登場。ベージュのセットアップ12選
最後は有能なおすすめセットアップ12着をご紹介。旬のスタイリングを体現できたり、オン・オフで高いユーティリティを発揮できたりするので1着持っていると便利なことこの上ない。スーツ作りに長けたショップから、気鋭のデザイナーズブランドまで幅広く網羅したので、困ったならここから選べばまず間違いないだろう。
ブランド1
『シップス』
繊維長38~40mmという世界トップレベルの長さが特徴で、希少価値の高いペルヴィアンピマコットンを使用。細くてしなやかな性質を持つため高級感のある光沢が表現でき、天然油脂分を豊富に含むため風合いも柔らか。また、防シワ樹脂を施したタイプライターストレッチ素材なので、シワになりにくく上質な仕上がりに。スーツも得意な『シップス』のスタンダードシルエットに設定されおり、ビジネス・カジュアルの両方で重宝できる一品だ。
ブランド2
『ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ』
360度方向の伸縮性を確保したアクティブファブリック生地を使用したこちら。一度着たらやみつきになるストレッチ性や、雨の日も快適な撥水性、安心のセキュリティポケットを備えたハイパフォーマンスウェアだ。シルエットは全体的に程良いゆとりを確保したリラックスシルエットを採用しているため、きちんと感は担保しつつもブルゾンのようなカジュアルな感覚でスタイリングが可能。洒脱にアプローチしたいデイオフにぜひ。
ブランド3
『417 エディフィス』
吸水速乾性に優れた快適な肌触りを実現し、防シワ機能もついた高性能セットアップ。形態安定性がありシワになりにくく、ウールライクな素材なのでビジネスシーンにもぴったり。ウォッシャブル仕様なので、暑い時季でもイージーケアでお手入れが簡単なのもうれしい限り。デザインとしては肩パッドを排除し、着膨れして見えないように袖やウエストを設計。細身でもストレッチが効いているのでコンフォートに着こなせる。
ブランド4
『アダム エ ロペ』
同ブランドで人気のノーカラータイプのジャケットを軸にしたセットアップ。テーラードに比べて気取りすぎない適度な抜け感とシルエットのゆるさも相まって、着ればしゃれた佇まいに。素材には東レ独自の技術により、多くの機能性を兼ね備えつつ見た目の良さにもこだわったリランチェファブリックを採用。デザイン性と機能性を併せ持つ、ハイパフォーマンスなカジュアルセットアップとして押さえておきたい。
ブランド5
『ジャーナル スタンダード』
ボタンレスのジャケットとウエストゴムのパンツ、そしてそれぞれがストレッチ性のあるジャージー素材という、コンフォートさを極めた1着。ルームウェアやワンマイルウェアのような快適性がありながらも、デザインとして上品な空気感を担保。おかげで急な来客やリモートワークでも安心して着ることができる。伸縮性に優れたポリエステルの梨地組織のジャージー生地は、着心地の楽ちんさだけでなく自宅で洗濯も可能だ。
ブランド6
『ランバン オン ブルー』
王道の2ボタンタイプのスタイルに、スリムテーパードパンツでナローに仕上げたこちら。スーツとしての美しさを感じらせるデザインの良さに加えて、360度全方向に伸びる革新的ストレッチ素材「ワンダーシェイプ」を採用。よく伸びてしっかり戻る抜群のフィット感を確保している。細身ながら快適な着心地を実現しているので、日常的に着ていてストレスを感じにくいのもうれしい。
ブランド7
『メゾンスペシャル』
ビジネスにおける“営業”シーンを意識しただけあり、人間の動きを考慮して作られた立体的なパターンで、きれいなシルエットをキープしつつストレスフリーな着心地を実現した1着。ストレッチ性が高く、シワになりにくい素材ソロテックスを使用しているのでラフに着られるのもうれしいポイント。撥水性もあるので、外出時の急な雨でも安心だ。通気性が良く、なめらかな肌触りのシルケットソックスつき。
ブランド8
『ビーミング by ビームス』
シンプルで無駄のないデザインが、スタイリッシュな印象を与えてくれるセットアップ。柔らかく肌に馴染む天然コットンを使用したリップストップ素材に、特殊な加工を施してシャンブレーの風合いを再現。ゆとりを持たせたサイジングとドロップショルダーが、抜け感のある雰囲気を演出する。脇のジップポケットなど機能的なデザインは、カジュアルシーンでのクリーンなスタイリングに最適なアイテム。
ブランド9
『ニルウェイ』
サージテック素材を採用した上品さ溢れるダブルブレステッド仕様のセットアップ。通常よりもゆったりめに身幅をとったジャケットは、旬なシルエットで今っぽい着こなしを楽しめる。パンツはトレンドのワイドシルエットにテーパードをかけて、ゆるりとしたシルエットに。微光沢の滑らかな質感のサージテック素材は、速乾性に優れ洗濯してもシワになりにくいうれしいイージーケア仕様だ。
ブランド10
『ブラックレーベル・クレストブリッジ』
アンコン仕様のシンプルな2Bジャケットと、裾にかけてテーパードを効かせたスリムなトラウザースとのコンビ。英国由来のナローなスーチングを可能にする高いデザイン性に加え、軽量かつストレッチ性の高いシアサッカー素材を採用した機能性にも秀でた1着。インナーはシャツはもちろん、カットソーでも合わせやすく、普段のスーツで合わせているアイテムとの親和性が高い。ワードローブに入れればすぐにでも活躍してくれること間違いなし。
ブランド11
『マコバー』×『フリークス ストア』
フランス生まれの老舗ワークウェアブランド『マコバー』と、『フリークス ストア』のコラボアイテム。ヨーロッパのワークジャケットをベースに、適度にゆるいサイズ感とドロップショルダーのデザインで今っぽく仕上げられている。コットンリネン混紡のライトウェイトな素材感により、セットアップの堅苦しさは皆無。オフシーンにフレンチワークの洒落感と、ちょっとした上品さを与えるにうってつけだ。
ブランド12
『デサントポーズ』
特殊原糸ドットエアーと織物構造をベースにし、『デサント』独自の技術を駆使することでランダムに通気孔を発現させた機能素材「スキーマテック」を使用。高い通気性と軽量感で、暑い時季に適した清涼素材のセットアップとして注目だ。また、ジャケットは良い感じに肩が落ちたゆるいテンションで、ショートパンツはスマートな膝上丈に設定。ショーツでもラフすぎない絶妙なバランスを保っているため大人にこそぜひ試してほしい。
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