まさにクラゲのような透明感。新旧モデルのいいとこ取りな腕時計で、春を軽快に

まだまだ寒い2月初旬、各ショップではすでに春物の新作が展開されはじめている。アウターフリーの春らしい装いを思い描く中で存在感を増すのが、ズバリ腕時計である。格式高い機械式も良いけれど、アクセサリーライクなクォーツ式ならよりライトな空気感を楽しめる。そんな折にぴったりのモデルを、『スウォッチ』で見つけた。

ムーブメントが覗くプラスチック製のスケルトンダイヤルに、色の三原色で構成されたポップなカラーリングの針。「ビッグボールド」コレクションらしい47mm径とやや大きめのサイズながら、腕元に“抜け”をもたらす透明感のあるデザインが特徴だ。大胆な発想が新鮮に映るかもしれないが、実は1983年の創業時に発売された「ジェリーフィッシュ」をオマージュした作品である。文字通りクラゲを思わせるルックスで話題をさらった名作の、いわばリミックスバージョン。『スウォッチ』の今を表現する「ビッグボールド」コレクションからのリリースでありながら、復刻モデル的な魅力を秘めるコレクターも必見の作品なのだ。

などとその裏側を語ってみたが、やはり1番の魅力は清涼感とポップさを兼ね備えた注目度抜群のルックス。スケルトンのケースは主張が控えめで、合わせられるトップスの幅も案外広めだ。温故知新の1本が、来るべき春の切り札になるかもしれない。

Text_Naoki Masuyama