車中泊を始める前に知りたい。あると便利なおすすめグッズや注意点
最近始める人が増えている車中泊。面倒なテントの設営が不要で気軽にキャンプが楽しめると注目されています。車中泊ならではの注意点や、快適にする便利グッズをご紹介!キャンプから旅行まで。新しいスタイル「車中泊」に注目!
いまの時代、海外旅行をしづらいことも手伝って、キャンプ熱が高まっています。ファミリーキャンプ、グループキャンプ、ソロキャンプ人気はもちろんですが、もっと気軽にアウトドアしたい人には「車中泊」も人気です。大量のギアを買い揃える必要がなく、面倒なテント設営も不要。どこでも行きたい所へ気軽に出掛けて宿泊できるとあって、国内旅行として楽しむ人も増えています。
車内に便利な設備が整えられているキャンピングカーがあれば、車中泊はより快適ですが、SUVやワンボックス、ステーションワゴンなどでも、車中泊は可能です。シートを倒してベッドにしたり、エンジンを掛けずに電力を使ったり、車中泊を快適にするには、いくつか用意しておきたいギアがあります。本記事では、車中泊初心者が始める前に知っておきたいポイントや、あると便利なグッズをご紹介します。
テント泊とは違う、車中泊ならではのポイント
テントをベースにするキャンプでは、コットやエアマットで寝床を作り、リビングスペースにテーブルや椅子をセットして、安全な場所に焚き火台をレイアウトします。車中泊の場合、車内は主にベッドとして使い、リビングスペースは外に設置するのか、それとも車内で過ごす時間も大切にするかで設営が変わってきます。車のサイズや、車内の使い勝手、人数なども考慮しながら、どのようなスタイルで車中泊を楽しむかに合わせて、環境を整える必要があります。
例えば、小さい子供と行くファミリーキャンプなら、ワンボックスの車内で楽しむことができます。その場合、後部シートの足元を埋めるスペースクッションがあると、より車内を広く使うことができますよ。ソロキャンプの場合、寝るときは運転席を倒すぐらいで良いかなと思いがちですが、シートでは意外と眠れないもの。せめて後部シートを倒してエアマットを使って足を伸ばして横になれるスペースを確保しましょう。昼間は外に椅子とテーブルをセットしてアウトドアを楽しんで、夜は車中にポータブル電源を用意して食事が取れるぐらいの準備をしておきたいものです。
初心者が知っておきたい、車中泊の注意点
テント泊と違って、車中泊で注意すべきポイントがいくつかあります。エンジンの掛けっぱなしはNG、車内では火器NGなど、当たり前のマナーから、窓を覆える目隠しの必要性など、気が付きにくいことまでご紹介します。
注意1
車内では施錠。インキーにも注意
車内で過ごしているとき、ドアロックを解除したままという方がいらっしゃいます。1人でいるときはともかく、小さなお子さんがいると、誤ってドアのインナーハンドルを引いてしまうことがありますので、基本的に車中ではドアロックをしておいたほうが良いでしょう。それから、最近の車はキーが近くにあれば外からでも自動でドアロックが解除できますが、車中泊を楽しむ人たちの中には、旧車で旅する人も多く、キーを車内に置いたままドアロックしてしまうことがありますのでご注意を。山奥のキャンプ場にJAFを呼ぶのは、なかなか大変ですので。
注意2
駐車時、アイドリングはストップ。ポータブル電源を用意
最近の車は車内でAC100Vが使えたり、USB電源も備えていたりするので、PCやスマホの充電だけでなく、湯沸かしポットや炊飯器も使えて便利。ですが、キャンプ場で車を駐車しているときは、エンジンを切ってアイドリングストップが原則です。車内で電気を使いたいときは、ポータブル電源を用意しましょう。明かりを使うなら車内灯ではなく、LEDランタンや懐中電灯にして、車の装備を使わないのが基本です。
注意3
車内では火気厳禁
車内でお湯を沸かしたり、調理したりする場合、バーナーやコンロを使うのはやめましょう。車内で万が一倒れたときに火災の原因となるだけでなく、締め切った車内で使うと酸欠や一酸化炭素中毒になる恐れがありますので。車内で調理するときはポータブル電源を使い、電気調理器を使いましょう。
注意4
外から丸見え防止にカーテンやシェードの用意を
夜間など、車内でLEDランタンを使っていると、外からはよく見えることを知っておきましょう。車内からは外が見えないですが、外からは着替えたり、くつろいでいたり、寝ていたりするところも丸見えなんです。よくある後部シートのスモークガラスも、室内が明るいと全く無意味ですし、運転席やナビシート、フロントガラスからは素通しで全部見えてしまします。これを防止するためにはシェードやカーテンを用意する必要があります。あるいは、車内から布を貼って外から見えない手立てを取りましょう。朝早くから明るくなって目が冷めてしまうことも防げますよ。
注意5
ごみは必ず持ち帰る
これは普段のキャンプでもいえることですが、キャンプ場にごみ処理の施設がない場合は、必ず持ち帰るようにしましょう。車中泊でも同様で、窓の外に吸い殻やちょっとしたごみをポイ捨てすることは絶対に避けなければなりません。キャンプ場だけでなく、RVパークや道の駅などでも同様です。車内にごみ箱やごみ袋を用意しておくことをお忘れなく。特に生ごみや水分を含んだごみの処理は確実に。
注意6
車内の温度調整を確実にできる用意を
車のエンジンを掛けて空調を入れているとき、車内の温度は安定していますが、エンジンを切ると途端に変化します。冬はめちゃくちゃ寒いですし、夏はめちゃくちゃ高温になります。冬場は電気毛布など暖を取れる用意をお忘れなく。電気ストーブや温風ヒーターはかなりの電力を使うので、ポータブル電源の容量と相談しましょう。夏場は日陰に車を停めて、窓を開けて送風機を回すだけでもだいぶ違います。
これで車中泊が快適に! 便利なおすすめグッズ10選
それでは実際、車中泊する際に持って行くと便利なアイテムをご紹介します。必ずしも全部が必要ということではありませんが、あると快適に過ごすことができますよ。
アイテム1
ポータブル電源
車を停めての車中泊では、エンジンを掛けてアイドリング状態のまま電源を取るのではなく、ポータブル電源を用意して電源を取るようにしましょう。スマホやタブレットの充電や、照明を使うとき、調理器具を利用する際も車載のDC12VやAC100Vではなく、ポータブル電源を使いましょう。
アイテム2
カーテン&カーシェイド
車内の様子は窓ガラスからよく見えるものです。特に夜間に車内で照明を使うと、スモークガラスを使っていても中だけ明るくて丸見え。朝方に日の出とともに明るくなるのを防ぐためにも、シェードやカーテンなどを上手に使って目隠しするのが安全です。完全にセットできるタイプもありますが、走行時などに運転席と助手席側のカーテンを閉じるのは違法ですのでご注意を。
アイテム3
エアマット
フルフラットシートをうたう車種でも、ベッドのように完全にフラットになるわけではありません。寝転んだときも意外と凹凸があるので、過ごしづらいと感じるもの。そこでエアマットを使うことをおすすめします。できれば車内のスペースにぴったりフィットするサイズのものを。フラットな室内なら、くつろぐのも寝るのも快適です。車載のDC12V電源で使える電動ポンプをお忘れなく。
アイテム4
スペースクッション
後部座席の足元スペースを埋めるだけでも、車内はかなり快適になります。後部シートが倒れない車の場合でも、スペースクッションを使えば後部座席をベッドにすることが可能です。後部2座席分を一気に埋められるタイプもありますので、車種に合わせて探すことをおすすめします。
アイテム5
車載用テーブル
車内のカップホルダーを活用する手もありますが、別途テーブルがあると便利です。シートに引っ掛けるタイプのテーブルよりも、折りたたみ式の小型テーブルのほうが実用的。特に車内で食事をするのに、床置きよりも安定しますし、スマホやタブレットで映画を見たりするのにも使えます。
アイテム6
サーキュレーター
密閉された車内は2~3人では息苦しく感じることもありますので、定期的な換気が必要です。特に春から夏に掛けては、エアコンを使いたくなることも。そんなときには窓を開けて外の空気を入れるのが1番なのですが、雨の日で窓を開けられなかったり、小虫が入ってきたりする場合もありますので、小型のサーキュレーターがあるとかなり環境を改善することができます。
アイテム7
LEDランタン
エンジンを掛けなくても使える室内照明は、バッテリーに直結していますので、使いすぎるとエンジンが掛からなくなってしまうかもしれません。そこでキャンプでも使えるLEDランタンを用意。火を使わないので安全ですし、LEDは発熱しないので車内の温度が上がることもありません。懐中電灯などでも過ごせますが、やはり明るい室内で車中泊したほうが、本を読んだり、家族でボードゲームをしたりと、できることは増えますので。
アイテム8
車用炊飯器
車載DC電源を使って炊飯できる専用炊飯器は、長距離トラックドライバーの必需品ですが、車中泊にも最適な家電といえるでしょう。最新のモデルは内釜が取り外せて使いやすくなりましたし、使い方次第では、お米以外の調理にも使えます。12V、24V兼用のモデルもありますが、一般的な乗用車用の12Vタイプとトラック用の24Vタイプとで分かれているモデルは買い間違いのないように。
アイテム9
車載電気ケトル
お湯が沸かせるだけでも、コーヒーが飲めたり、カップラーメンが食べられたり、車中泊はかなりランクアップします。冬場は湯たんぽにお湯を入れられますし、ツワモノはゆで卵を作ったりもするそうです。倒れると水が漏れますので、運転中の使用は不可。必ず車を停めて利用しましょう。
アイテム10
冷温庫
車中泊の最強アイテムがこの冷温庫。夏場はドリンクや食材を保存できますし、冬場は温かい飲み物を保温するだけでなく、ドリンク類の凍結防止にも役立ちます。冷温庫が設置できたら、車はテレワーク用の個室としても役立つのはもちろん、車中泊どころかもはや自宅として機能してくれますよ。
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「FINEBOYS」編集部を30歳で独立。以後フリーのファッションエディター&ライターとして「MEN’S EX」「LEON」「GQ」「AERA STYLE MAGAZINE」など各メンズ誌・WEB版のほか、企業広告、オウンドメディアにて執筆。BBQインストラクター、第二種電気工事士など資格多数。目下の目標は危険物取扱者乙種4級取得。
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