その履き心地、唯一無二。キーンのヨギが愛される理由とは
クロッグサンダルを世に広めた立役者ともいえるのが、『キーン』の「ヨギ」。ユニークなフォルムに秘められた魅力を改めて読み解きながら、派生モデルまでドドンと披露!中毒者続出のクロッグサンダル、『キーン』の「ヨギ」とは何モノ?
アメリカはカリフォルニア州で、2003年に誕生したフットウェアブランド『キーン』。元々アウトドアシーンで一定の評価を得ていましたが、「ユニーク」のヒットにより今やすっかり街履きブランドとしても有名となりました。そんな『キーン』のアイテム作りの原点は、“サンダルはつま先を守ることができるのだろうか?”という創業者のシンプルな疑問。それを最初に具現化したサンダルとしてブランドと同年に誕生したのが「ニューポート」でした。つま先を通常のスニーカーのようにカバーしつつ、甲部分はテキスタイルとドローコードによりしっかりフォローした同作は、リアルなフィールドにおいてヒットを飛ばしました。今回ご紹介する「ヨギ」は、そんな「ニューポート」のエッセンスを受け継ぎつつ2007年に登場したクロッグタイプの1足です。
「ヨギ」ならではのポイントといえるのは、やっぱりクロッグサンダルならではのボリュームあるルックスです。つま先から甲まで包み込むように覆うアッパーによって、トングタイプや一般的なスライドサンダルと比べると大人っぽく見えるのが魅力です。程良く肉厚なルックスで、トレンドのワイドパンツはもちろん、細身のパンツまで幅広くマッチしてくれます。春や秋口はソックスと合わせても相性バッチリなので、アウトドアシーンだけではなく街履き用としても幅広く活躍してくれる点もうれしいですね!
独特なデザインのみにあらず。「ヨギ」が愛される3つの理由
見た目だけが、「ヨギ」の強みではありません。そのデザインも、実用性に基づくものであります。ここでは、3つのポイントから素材や作りについて「ヨギ」を大解剖! その魅力をしっかりと掘り下げていきます。
理由1
肉厚な合成樹脂がもたらす、雲上の履き心地
アッパーは肉厚なEVAを採用しているためクッション性が高く、まるで足をやさしく包み込んでくれるような履き心を実現しています。ウィズも広めの設定で、幅広甲高の足にもマッチしてくれますね。そしてアッパーには大胆なスリット&パンチングが配されているので、抜群の屈曲性も確保。また、随所に設けられたディテールによる高い通気性のおかげで、合成樹脂サンダルにありがちな汗蒸れも解消してくれるのです。
理由2
独自のアウトソール構造により、水場でも抜群のグリップを発揮
踏み跡を残さず、耐摩耗性とグリップ性に優れたノンマーキングラバーアウトソールは『キーン』ならではの強み。悪路でも滑り知らずの優れたグリップ力を発揮してくれます。さらにクッション性に優れた圧縮EVA素材の立体成型フットベッドを採用し、サンダルとは思えないほどの柔らかなクッショニングを実現しています。ちなみに、フットベッドには素足でも滑らないような刻みが入れられていて、アウトドアブランドならではの高い機能を備えています。
理由3
まさに履きつぶす1足。「ヨギ」はサンダルとしても高耐久
「ヨギ」を選ぶメリットの1つといえるのが、優れた耐久性です。足にしっかりとフィットして保護してくれるアッパーとミッドソールは肉厚な圧縮EVA。こちらは弾力性と柔軟性に優れていながら、低温下でも硬くなりにくく柔軟性を保ってくれるので、どんな使用状況でも劣化しにくいのが特徴です。さらに悪路でも高いグリップ力を発揮するためにラバーアウトソールには凹凸の溝が深いトレッドパターンを採用しているため、ソールがなかなか減りにくいという点も高い耐久性の要因といえるでしょう。
「ヨギ」は製造年によって、素材もサイズ感も変化する
「ヨギ」のメリットでもあり、ある種デメリットといえるのが、製造年によって素材感&サイズ感が異なるという点です。中には同じ年式の同じモデル同士でも個体差がはっきりとわかるモノも存在します。甲高や素材の硬さなど常に細かく調整が加えられているので、履き心地に違いが出てしまうのは避けられないようです。なので、気になるカラーリング&柄の「ヨギ」を見つけたら、例え2足目、3足目だとしても実際に履いてサイズ感を確かめることをおすすめします。
同じクロッグでもまったく別モノ。「シャンティ」との違いとは
『キーン』のクロッグサンダルで、「ヨギ」とともに人気を博しているサンダルが「シャンティ」です。軽量で足をやさしく包み込む圧縮EVAアッパーを使用しながら「ヨギ」よりも薄く成型されているので、ソフトでライトな足入れに。よりリカバリーサンダル然とした履き心地へと仕上げられています。さらに耐摩耗性に優れたノンマーキングラバーアウトソールも、必要最小限に使用して軽量化が図られています。ただし、耐久性は「ヨギ」の方が上回るので、街履きでヘビロテするなら「ヨギ」、アフタースポーツで愛用するなら「シャンティ」と使い分けると便利ですね。
より個性を求めるなら。「ヨギ アーツ」で探す良デザインの5足
「ヨギ アーツ」とは、「ヨギ」のディテールやフォルムはそのままに、アッパーを鮮やかなグラフィックプリントで飾ったモデル。インラインはもちろん、他ブランドとのコラボレーションまで幅広く揃うので、おすすめしたい5モデルをピックアップしました。
アイテム1
ヨギ アーツ トウキョウヘンプコネクション
こちらはヘンプウェアや音楽との共存を通じて地球環境へのメッセージも発信しているブランド『トウキョウヘンプコレクション』とのコラボレーションモデル。東京にフィーチャーした江戸紫をテーマに、バンダナにも用いられるペイズリー柄をアッパーにセット。ソールにはグローインザダークの蓄光素材を採用することで闇夜で幻想的な光を放ってくれます。
アイテム2
ヨギ アーツ デッドダイ トウキョウヘンプコネクション
大胆なタイダイ染めのウェアを展開するブランド『デッドダイ』と『トウキョウヘンプコレクション』とのトリプルコラボレーションモデル。普段と異なるピグメントを使用した、まるで虹色のようなマルチカラーリングが目を引きます。くっきりと色鮮やかなプリントは、スポーティなイメージを構築。「ヨギ」ならではのナチュラルな雰囲気も漂わせていて、フェススタイルにもピッタリです!
アイテム3
ヨギ アーツフル
有名ブランドのフラッグシップストアやレストラン、カフェなどのさまざまなインテリアやデザイン、オリジナリティの高い家具を手掛ける集団「M&M」とのコラボレーションサンダル。洗練された内装を手掛けている「M&M」らしく、木目を基調にした柄が特徴的です。さらにミッドソールも合板の柄に切り替えられているなど、こだわり抜いたディテールにも注目を。
アイテム4
ヨギ アーツ 松岡洋太
ストリートアートと美術の世界を横断するスタンスで表現活動を行うアーティスト・松岡洋太(JONJON GREEN)氏とコラボレーションした1足。ブルー、イエロー、ブラック、グリーン、レッドの5色によるマルチカラーをベースとしたポップなデザインとなっています。渦を巻くような抽象表現を使用し、それをパターン化したものが全体に配置されています。
アイテム5
ヨギ アーツ
アッパー全面にツリーカモ柄を配した1足。カモ柄ならではのミリタリーフレーバーとボリューム感のあるアッパーとのコンビネーションが絶妙で、武骨でワイルドな雰囲気を醸成しています。さらにミッドソールとアッパーの境目付近に配された『キーン』のイエローのロゴがアクセントになり、男らしい中にブランドらしい遊び心が垣間見えます。
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ファッションを中心に様々な雑誌やWEB媒体で執筆を行っているエディター/ライター。中でもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。