タイメックスのウィークエンダーは、都会派ミリタリー時計の王道だ
男のオフに欠かせないのが、リボンベルトのミリタリーウォッチ。代表格に君臨するのが、バリエーションも豊かで入手しやすい『タイメックス』の「ウィークエンダー」です。まずは『タイメックス』というブランドの魅力について、再確認
『タイメックス』は1854年、アメリカ時計産業の中心地であったコネチカット州で誕生。大量生産設備を築き上げ、指先で時刻を示すミッキー・マウス・ウォッチや軍用時計の「キャンパー」、スポーツシーン向けに発売された「アイアンマン」、1990年初頭を一世風靡した編み込みレザーベルトの「サファリ」など名作を次々に発売。今では生産の拠点のほとんどをスイスに移しましたが、アメリカを代表する時計メーカーとして知られています。2019年にはMADE IN USAモデルを50年ぶりに復活させるなどアメリカ回帰の流れも見られ、同ブランドの動きから目が離せません。当記事では、前述したモデルに負けないほどの人気を誇るカジュアルウォッチの王道王道「ウィークエンダー」について解説していきましょう。
『タイメックス』のウィークエンダー。キャンパーとの違いは
ベトナム戦争に赴く兵士たちへ供給された、使い捨てウォッチをベースとする「キャンパー」。プラケース&風防がタフさを後押しする同モデルに対して、ケースを真鍮製に変更するなど都会的に再構成したのが「ウィークエンダー」です。キャンパー同様ナイロンベルトを採用した使い勝手の良さと、メタルケースがもたらすモダンなデザインが同居した名品として知られています。モデル名の“WEEKENDER”を意訳すると「週末の余暇を楽しむ人」とでもなるのでしょうが、まさに大人の男性のオフにふさわしい気負わなさを体現しています。
ケースへの真鍮素材の起用こそが、ウィークエンダーのアイデンティティであり最大の特徴です。昨今の腕時計のケース素材といえばステンレススチール素材や樹脂ですが、ひと昔前までは真鍮も一般的でした。現在では扱いやすいステンレススチールのモデルも増えてはいますが、今もなお真鍮素材を採用するのは、『タイメックス』創業地が真鍮製品の加工業で栄えた街であることも理由の1つでしょう。アンティークの懐中時計のように、エイジングによる味わいが増していくのが魅力です。
「ウィークエンダー」の中でもモデルによってフェイスデザインはさまざまですが、共通しているのは優れた視認性を誇っていること。瞬時に時刻を把握する必要がある軍用時計の「キャンパー」の後継機として開発されたというバックボーンゆえの、メリットです。最もベーシックな「ウィークエンダー セントラルパーク」では、デイト表示をも排することでミリタリーウォッチのオリジンに根差すすっきりとしたデザインに仕上げています。さらに、『タイメックス』ならではのインディグロナイトライトを搭載することで、夜間の判読性も上々です。この他にもクロノグラフ、ミニッツトラック搭載モデルといくつかのバリエーションを有しますが、どれも視認性という点においてはこのスピリッツをしっかり受け継いでいます。
そして、厳密には別ライン扱いですが、真鍮ケースを採用した「ウィークエンダー」にはさまざまなバリエーションが存在します。ナイロンベルトを備えた「ウィークエンダー セントラルパーク」にをメインに、ケース径を40mmにアップサイズした「ウィークエンダー 40」、「クロノグラフを搭載したウィークエンダー クロノ」などがラインアップ。写真のように球団とコラボしたユニークなモデルから、アイテムによってはスーツにもマッチするスマートなフェイスデザインのモノもあるなど、その表情も多種多様です。自分好みの1本が見つかります。
『タイメックス』の「ウィークエンダー」。定番から変わり種まで押さえておきたい10本
前述のようにさまざまなデザインを擁する「ウィークエンダー」ですが、まずは定番モデルから順に変化球までご紹介。シンプルで汎用性の高いフェイスデザインや鮮やかなストラップが印象的で、今どきの着こなしに合わせやすいモデルばかりが揃います。
1本目
ウィークエンダーセントラルパーク T2N747
スッキリとしたホワイト文字盤と、丁寧に磨き込まれて光を放つ真鍮ケースが美しい「ウィークエンダー」の定番3針モデル。キャッチーなカラーリングのライン入りリボンベルトは、ここ日本でも一時期大きなブームを築き上げました。24時間表示のアワーサークルが残っているところに、出自であるミリタリーの要素が垣間見られます。■DATA:ケース径38mm、3気圧防水、クォーツ
2本目
ウィークエンダーセントラルパーク T2N651
クリームカラーのフェイスにカーキのナイロンベルトを組み合わせたこちらは、ベースとなったキャンパーを連想させるミリタリー感を備えたモデル。光り輝く真鍮ケースが都会的なエッセンスを伴い、現代的な着こなしにマッチします。戦場で視認性を確保するための赤針が、クリームフェイスのなかで程良いワンポイントに。■DATA:ケース径38mm、3気圧防水、クォーツ
33本目
ウィークエンダークロノ TW2P62300
上記の3針モデルよりワンサイズ大きなケース径40mmで、存在感もアップ。男らしいNATOタイプのカーフレザーストラップやネイビーのフェイスカラーが、ミリタリーな雰囲気を高めています。クロノグラフを搭載することでメンズ好みの計器然とした表情を獲得しつつ、コンパクトに配置することで「ウィークエンダー」らしいミニマルさはキープしている点は流石。■DATA:ケース径40mm、3気圧防水、クォーツ
4本目
ウィークエンダークロノ TW2P71500
ブラック文字盤にクリームのインダイヤルを設けた、ハイコントラストカラーのクロノグラフ。ケースもナイロンベルトもブラックで合わせことで、全体に引き締まった印象を高めています。マットな質感の真鍮ケースも、重厚そのもの。■DATA:ケース径40mm、3気圧防水、クォーツ
5本目
ウィークエンダーフェアフィールド TW2P90900
正面から見るとフラットでドレッシーな形状ながら、背面にぽっこりと丸みを帯びたケースを採用。これによりサイドから見てもシャープな印象をキープしています。文字盤もバーインデックスのみのスッキリしたデザインで、ベルトを付け替えればジャケットにもマッチする洗練された印象を与えます。この1本に関してはリボンベルトの発色も鮮やかで、こと春夏においては着こなしのアクセントに役立ってくれることでしょう。■DATA:ケース径41mm、3気圧防水、クォーツ
6本目
ウィークエンダーフェアフィールド TW2P91600
レディースの利用も視野に入る、ケース径37mmのユニセックスモデル。年々小振りになる傾向にあるメンズウォッチのトレンドから考えると、男性でも十分に使えるサイズ感です。通常よりもひとまわり小さいことで主張が抑えられ、品のあるゴールドケースによりさりげないアクセサリーとしても取り入れることができます。■DATA:ケース径37mm、3気圧防水、クォーツ
7本目
ウィークエンダーフェアフィールドクロノ TW2R26700
パンチングレザーを採用することで、都会的で洗練された印象がさらに高まりました。インデックスのバーや時分針は根元に丸みを持たせたデザインで、柔和な雰囲気も醸成。クロノグラフモデルながら、バーインデックスを主体にインダイヤルの主張を抑えてスッキリさせているのもポイントです。■DATA:ケース径41mm、3気圧防水、クォーツ
8本目
ウィークエンダー 40 ヴィンテージ TW2P85800
懐中時計などに採用されていた、往年のフェイスデザイン&カラーリングを連想させるモデル。ケースにもアンティーク加工を施していて、まるで時代を超えてやってきたかのような迫力を備えています。縁取りしたアラビア数字のインデックスは、長い時を経て陽に焼けた蛍光塗料を思わせる粋な色味です。■DATA:ケース径40mm、3気圧防水、クォーツ
9本目
ウィークエンダーヴィンテージ TW2P86700
1917年に登場したアメリカ最初期のミリタリーウォッチ、「ミジェット」をベースにしたモデル。懐中時計から腕時計にコンバートすることが多かった当時にならった、ぼってりとした厚みのあるケースが特徴です。6時位置のスモールセコンドやヴィンテージ加工を施したレザーストラップなど、味わい深いディテールも満載。なお、「ミジェット」は「ミジェット」でよりオリジナルに忠実に復刻されてモデルもあるので、そちらも併せてチェックを。■DATA:ケース径40mm、3気圧防水、クォーツ
10本目
ウィークエンダーメタリック TW2R92200
2018年に登場した、男女兼用モデル。比較的ミリタリー感が強い「ウィークエンダー」ですが、こちらはインデックスをケースと同系色にし、ストラップにメタリックなラメを配することで時計的な印象をより強めています。色味自体は落ち着いているため、着こなしのアクセント付けにも最適です。■DATA:ケース径38mm、3気圧防水、クォーツ
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