テーパードパンツで作る、大人の美脚コーディネート色別サンプル集
現在のパンツはテーパードが主流。その特徴を改めて確認しつつ、今っぽいコーデを構築すためのポイントをパンツの4大カラー別にわかりやすく見ていきましょう。はくだけでスタイリッシュ! テーパードパンツの魅力
テーパード(Tapered)とは、“次第に先が細くなっていく”という意味。つまりテーパードパンツは、裾に向かって細くなるシルエットのパンツを指します。特に最近は、腰周りや太もも周りはゆとりがあってリラックスさせつつ、裾に向けて絞られていくために足元はスッキリして見えるという、一挙両得なシルエットが主流となっています。下半身の形状がわかりづらくなるシルエットでもあるため、美脚効果が望めると表現されることも。また、あくまでシルエットによる分類ですので、素材やディテールはバラエティ豊かに展開されています。
テーパードって、スリムストレートやスキニーとはどう違う?
裾に向かってシルエットが細くなるのがテーパードシルエットですが、実は“スリム(Slim)”も裾に向かって細くなるシルエットを指すことがあります。テーパードシルエットのなかでも細身のタイプをスリムシルエットと呼ぶことが多いようです。さらに、スリムストレートといった表現。この場合のスリムは、“タイト”や“細い”という意味で使われている場合と、先細りのスリムと直線的なストレートの中間的シルエットという意味で使われている場合に分かれます。ブランドや表現者によってシルエットやフィットの表現が異なるので覚えておきましょう。
ちなみにスキニー(Skinny)は“皮膚のように体にぴったりしている”といった意味。脚のラインに沿ったシルエットですので、結果的に先細りになるのが一般的です。いずれにしても、ここで指すテーパードパンツは冒頭で解説した“いいとこ取り”なシルエットのパンツ。腰周りや太もも周りはゆったりしていて、裾に向かって細くなり、足元はスッキリして見える最も実用的なシルエットを指します。
テーパードパンツの魅力を引き出す、コーデの重要ポイント3つ
ここからは、実際にテーパードパンツをはきこなす際のポイントを3つご紹介します。すべてを守って着こなせたらベストですが、目的や好みに合わせてどれか1つのポイントを遵守するだけでもパンツの魅力は引き出せますよ。
ポイント1
丈は9分~8分丈がスマート
テーパードパンツの魅力の1つは、足元がスッキリと見えること。その特徴を生かすなら、アンクル丈とも呼ばれる9分丈程度が推しです。脚の中で最も細い足首部分をのぞかせることで、スッキリした印象を補強することができるからです。8分丈くらいでも十分効果的ですが、それよりも短くなるとラフな印象になって品格が損なわれがち。最もスマートに見えるのは9分丈くらいと覚えておきましょう。
ポイント2
大人っぽく着こなすなら、靴のボリュームは抑えて
テーパードパンツの引き締まった裾や足首の露出によって足元は確実にスッキリした印象になりますが、上品に仕上げるには靴にも気を遣う必要があります。ポイントは、ボリューム感。スマートな靴を選ぶと足元が一層シャープにまとまり、大人っぽい落ち着きを演出することが可能です。最近はソールの厚いスニーカーが人気を高めていますので、そんなタイプでカジュアルダウンするのもありですが難易度は高め。上品にまとめる際はボリュームを抑えたシューズを選ぶのが原則です。
ポイント3
体型が気になるなら、ワンタック入りがおすすめ
今回イメージしているのは腰回りがゆったりしているテーパードパンツですが、さらに腰回りに余裕を与えることも可能です。それは、タック入りのタイプを選ぶこと。“タック”とは“ひだ、つまみ”のことであり、その分だけリラックスできる着用感となります。つまり、お腹回りが気になる人はタック入りを選ぶのがベターということです。縦のラインが入ることで、実際よりシャープに見えるという錯視効果も期待できます。ツータック以上でも問題はありませんが、比較的シンプルなワンタックのほうが一般的で悪目立ちせず、品良くはきこなせます。
実践編。テーパードパンツのコーディネート法則をカラー別に伝授
最後は実践編として、カラー別にテーパードパンツの着こなしポイントを解説します。もともとテーパードパンツは汎用性が高くスタイリングがしやすいパンツ。ポイントを押さえることで、さらなるセンスアップも可能です。
▼カラー1:よりクールな印象の“黒”は全体の色みを抑えて
ブラックのテーパードパンツは、全体的にシャープなニュアンス。その特徴を生かすなら、全身の色みを抑えてクールにまとめるのがおすすめです。最もわかりやすいのはモノトーン。無彩色かそれに近いコーディネートで、黒いテーパードパンツの魅力を拡大してみてください。
コーデ1
シルエット&丈感でモノトーンコーデに鮮度をプラス
白いトップス×黒いテーパードパンツというモダンなカラーリングのコーディネート。パーカーはカジュアルですが、モノトーンをベースにすることでシックに昇華しています。スマートなテーパードシルエットのパンツも大人なムード作りに貢献。やや短めなパンツ丈による抜け感が今っぽい雰囲気も放っています。
コーデ2
靴もブラックで揃えれば、クールな印象が一層拡大!
ブラックのテーパードパンツはクールな印象。その足元にシャープなシルエットのブーツを合わせ、クールなニュアンスを拡張しています。下半身に落ち着きがあるのでトップスに何を選んでも大人っぽくまとまりますが、グレーのテーラードジャケットを合わせて都会的なイメージのコーディネートに。
コーデ3
上下ブラックの着こなしなら洗練感を確実に獲得できる
テーパードパンツはセットアップでリリースされていることも少なくありません。テーラードジャケットとの組み合わせが定番ですが、最近は他のトップスとのセットも増えています。このコーディネートではシャツ×テーラードパンツのセットアップを活用。クールにまとめつつ、サンダルを合わせて抜け感や軽快感もMIXしています。
▼カラー2:ピュアな“白”はクリーンな着こなしの受け皿になる
春夏シーズンに活用したいのが、ホワイトのテーパードパンツ。ネイビーなどを組み合わせてシンプルで爽やかなコーディネートに仕上げるのが常道です。白いパンツならどんな色でも合いますので、個性やトレンドを存分に主張してみましょう。
コーデ4
スウェットシャツを合わせてもクリーンな印象に
ホワイトのテーパードパンツはクリーンでエレガント。カジュアルなトップスを合わせても、その印象はキープできます。ただし、シンプルなトップスを選ぶのが原則。このお手本では、シンプルなスウェットシャツ(トレーナー)を組み合わせています。スニーカーを合わせてストリート感を漂わせれば、今っぽくてこなれたムードを演出!
コーデ5
バスクシャツを合わせたマリンテイストの着こなし
ホワイトのテーパードパンツは上品なマリンテイストのコーディネートを築く際も重宝。マリンスタイルを象徴するバスクシャツを合わせるだけで、爽やかなムードが広がります。この着こなしでは、ハイテク感のあるスニーカーを合わせてスポーツMIXも実践。さりげないアップデートにセンスが感じられます。
コーデ6
鮮度アップに挑戦するなら白のワントーンスタイル!
今から白いテーパードパンツをはきこなすなら、ワントーンスタイルも視野に入れるのがおすすめ。おしゃれな人ほど、ホワイト系カラーで全身を統一したコーディネートを活用しています。少しリラックス感のあるテーパードパンツを選べば、キザな印象になるのは回避。シンプルになり過ぎないように小物をプラスするとおしゃれにキマります!
▼カラー3:上品な“グレー”はカジュアルコーデのドレスアップに最適
グレーはビジネススタイルでも用いられるスラックスの王道カラー。テーパードパンツで取り入れれば、上品さが高まります。カジュアルなスタイリングの格上げに用いるのが有効的です。
コーデ7
ビッグなTシャツに合わせても大人なムードが滲出
今シーズンもオーバーサイズなTシャツの人気は続いています。大人っぽくまとめるには、品のあるパンツを合わせるのが鉄則。シルエットでもカラーでも品位を補えるグレーのテーパードパンツはうってつけというわけです。さらにこの好例では、タータンチェックのパンツを選ぶことでトラッドな品格も加味しています。
コーデ8
ミリタリーアウターの男らしさを上品なパンツで中和
今シーズンも気になるのがミリタリージャケット。男らしさをほど良く緩和するのが今っぽく着こなすポイントです。その攻略法として推奨したいのが、グレーのテーパードパンツとの組み合わせ。このお手本のように、MA-1型のフライトジャケットでも、大人っぽくアレンジすることができます。テーパードパンツを筆頭に上品なシルエットでまとめれば、自動的に落ち着いたムードに。
コーデ9
グレーのグラデーションで都会的なイメージに
ややワイドなテーパードパンツはダークグレー、オーバーサイズのシャツはライトグレーに見えるグレンチェック、そしてスニーカーはグレイッシュなブルー。グレー系のアイテムばかりをセレクトしてグラデーションを構築し、アーバンな印象に仕上げたコーディネートです。余裕のあるシルエットが醸すリラックスも洒脱!
▼カラー4:爽やかな“ブルー”を生かしつつ上品なバランスに
ネイビーやインディゴブルーを含むブルー系カラーのテーパードパンツは爽快で上品。その魅力をコーディネート全体にも拡大するように着こなすのがおすすめです。
コーデ10
ネイビーの濃淡で品良くまとめた定番的なスタイル
明るめのネイビーを採用したテーパードパンツに、ダークネイビーのバンドカラーシャツを合わせているのがポイント。ネイビーを軸にしたコーディネートは、ブルー系パンツの魅力を拡大するのに有効です。大人の男性が最初に目指すべき爽快で上品な基本スタイルのお手本!
コーデ11
やっぱり目指すべきは上品なマリンテイストの着こなし
ブルー系のテーパードパンツをはきこなすなら、マリンテイストのコーディネートもレパートリーに入れるべき。マリン調のボーダー柄トップスを合わせるだけで、ベースは完成します。この好例では、足元にレザーサンダルをセレクト。品位をキープしつつ清涼感を高めています。
コーデ12
ブルーの統一感があるからトップスで遊んでも端正!
ボトムスが上品だからこそ、トップスで少し遊んでも大人なニュアンスにまとめるのは簡単。テーパードパンツのブルーにシンクロするトップスを選べば、カラー以外の自由度は一層高まります。この手本では、切り替えが個性的なサマーニットを選択。個性と大人っぽさが共存し、センスを感じさせるコーディネートに。
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60以上のメディアで執筆。「着こなし工学」提唱者
平 格彦
出版社を経て独立。「Men’s JOKER」と「RUDO」は創刊から休刊までほぼ毎号で執筆。さらに「MEN’S CLUB」「GQ」「GOETHE」など、60以上のメディアに関わってきた。横断的、俯瞰的に着こなしを分析するのが得意。そんな視点を活かし、「着こなし工学」としての体系化を試みている。
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