クールビズの服装をもっとおしゃれに。最適なアイテムと着こなし、ご存じですか?
世間に広く浸透してきたものの、まだまだクールビズスタイルに自信を持っている方は少ないはず。猛暑でも快適かつおしゃれに働くためのアイテム選びとコーデ法をご紹介!あなたのクールビズスタイル、見直してみませんか?
そもそもクールビズは、暑い夏を涼しく快適に乗り切るために2005年にスタートした施策。とはいえ、あくまでもビジネスシーンでの着こなしなので、崩しすぎてラフになりすぎては元も子もありません。普段のビジネススタイル同様、クールビズでも相手を不快にさせないのが大前提。また、他の季節に比べると選べるアイテム数が少ないからか、着こなしが単調になってしまうと感じている方も多いはず。クールビズスタイルの基本となるルールから、それを発展させた周りと差がつくおしゃれな着こなし方まで。当記事で今一度おさらいしてみましょう。
これがあればおしゃれに見える。クールビズのアイテム選びとポイント
会社や職種によってドレスコードは異なりますが、まずはクールビズを小粋に見せる基本のアイテムを厳選。その選び方や着こなすうえでのルールをおさらいしつつ、おすすめをピックアップしました。ちなみにトップスはいずれもタイドアップも可能なものばかり。1着持っていると着回し力がグッと高まりますよ。
▼ポイント1:シャツはホリゾンタルカラーでノータイをおしゃれに見せる
クールビズといえば、首元を涼しげに見せるノータイスタイル。気をつけたいのが、“ただネクタイを外しただけ”という着こなしに見えないようにすることです。なので、タイドアップと同じシャツを選ぶのはいただけません。一般的にボタンダウンシャツがノータイに適しているといわれています。ですが、ワンランク上を目指すなら、襟の開きが水平に近いホリゾンタルカラーがおすすめ。イタリアで人気の襟型であり、ノータイでも襟元がもたつかず、かつおしゃれに見せることができます。
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クレリックタイプのホリゾンタルカラーシャツでさらにおしゃれに!
ホリゾンタルカラーシャツを使ったノータイスタイルをより洒脱に見せるなら、襟とカフスが無地で切り替えられたクレリックタイプをセレクトするのがおすすめ。シンプルな無地シャツよりも襟元が際立ち、ホリゾンタルカラーをより一層アピールできます。なお、こちらのシャツは形態安定加工を施しているのでシワになりにくく、お手入れが楽ちんなのも高ポイント。ただでさえ汗をかいて洗濯が大変な時期ですから、こうしたディテールがうれしいものです。
▼ポイント2:きちんと見えて快適な着用感のビズポロを活用する
吸水速乾性に優れた鹿の子織りの素材を使ったビズポロは、過酷な夏を乗り切るのに必須のアイテム。ポロシャツ同様の快適な着心地ながら、きちんと襟が立つ作りなのできっちり見えるのが何よりの魅力です。さらにジャケットのインナーとして合わせやすいのもポイント。ポロシャツはNGでもビズポロはOKという会社も多いので、クールビズシーズンには大いに活用しましょう。
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ビズポロはよりドレッシーな前開きタイプもおすすめ
同じ鹿の子素材でも、裾まで前立てが続いた前開きタイプも存在します。形状は通常のワイシャツと変わらないため、よりカジュアル感を抑えたクリーンな着こなしが可能になります。ビズポロといえば、ポロシャツでお馴染みの『ラコステ』からも前開きタイプが出ています。コットンの混紡率を上げて新たに開発された素材が使われ、一般的な鹿の子に比べると品のある表面感を実現。縫い目の伸縮性も考えられた新しい縫製手法により、さらなる快適な着心地が楽しめるのも特徴です。
▼ポイント3:半袖シャツはジャストサイズでもたついた空気を払拭
クールビズシーンではなぜか違和感を覚えることの多い半袖シャツ。その理由はサイズ感にあります。タックインが前提となるクールビズでの半袖シャツは、ジャストサイズの一択。ボディだけでなく、袖幅もスマートなものを選ぶのが野暮ったく見せない秘訣です。また、半袖シャツはタイを締めないことも多いので、ノータイでもサマになるボタンダウンやホリゾンタルカラーをセレクトするようにしましょう。
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半袖シャツは細かい柄の入ったモノだとよりスタイリッシュ
真っ白な半袖シャツは、色の膨張効果もあってなかなか締まって見えないものです。細ピッチのストライプやハウンドトゥース(千鳥格子)、ウインドウペンなど主張が控えめの柄を挿すことで、より洗練された着こなしに仕上がります。ピンクのストライプがあしらわれた爽やかな1枚は、抗菌防臭機能や吸水速乾性に優れる機能をもっているので夏でも快適に過ごせます。第1ボタンを開けても襟元がきれいにキマる、ボタンダウンカラーの美しいロールにも注目を。
▼ポイント4:見た目が軽快で涼しげなベージュチノをクールビズのボトムスに
クールビズスタイルに合わせるパンツは、基本的にジャケパンスタイルと同じ選び方でOKです。となるとグレースラックスが定番ですが、見た目の清涼感を意識するならベージュのチノパンをセレクトするのも1つの手。生地はコットンでも機能素材でも構いませんが、クールビズではクリース入りを選びましょう。また、シルエットは適度にゆとりのあるテーパードを選んで9分丈に仕上げることで、もたつきのない涼しげなコーディネートが完成します。
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せっかくなら、より快適に過ごせる機能素材チノパンで
チノパンといえばコットン100%か、ワークウェアよろしくポリエステル混のツイル生地しか認めない! ……という方もいるかもしれませんが、暑い夏でも快適に仕事をするための施策がクールビズ。汗ばむ夏に向けて、吸水速乾性の高いモノやストレッチの効いたモノがベターです。例えばこちらの1本は、吸水速乾性やストレッチ性のある機能素材を採用しているため快適な着心地を実現。さらに優れた形態安定性も備えているためシワになりにくい点もポイントです。それでいて、クリース入りなのできちんと感があり、すっきりさせたテーパードシルエットで脚のラインを美しく見せてくれるのも魅力です。
▼ポイント5:ジャケットはシワになりにくい素材が使える!
取引先との打ち合わせなど、クールビズシーズンでもジャケットを着用するシーンは意外と多くあります。ただ、直射日光の当たる屋外では、ジャケットは脱いで持ち歩くという方も多いはず。ならば、ジャージーやシアサッカーといったシワになりにくい素材を使っているのがベストです。カバンの中にたたんで入れておいても、いざというときにサッと取り出して着用できますよ。
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汗はビジネスの大敵。涼しげな着用感を提供するジャケットがおすすめ
先に挙げたシアサッカーなどは肌に触れる面積が少ないため、そのままでも清涼感が得られる夏にうってつけの素材です。こちらは吸水速乾性に優れたクールマックス(R)ファブリックを使用することで、さらに快適かつ涼しげな着用感を高めた1枚。1枚仕立てにより、シャツ感覚で軽やかに羽織れる仕上がりとなっています。1960年のジャケットのデザインをベースにしたクラシックな表情と、ややゆったりとした現代的なシルエットが特徴でクールビズスタイルにこなれた雰囲気を演出してくれるでしょう。
▼ちなみに手持ちの長袖シャツを活用するなら、袖のあしらいでこなれ感アップ
前項では半袖や鹿の子素材といった夏を乗り切るための変わり種を紹介しましたが、現在手元にある長袖シャツを活用したい、という方もいることでしょう。長袖シャツをノータイで着用する際におすすめなのが、袖口をラフにロールアップするテクニック。まずはカフス2つ分くらい大きくまくり、さらにもう1回折り返します。2回目はあえて無造作に折り返し、カフスが2~3cm程度見えるように折り返すのがポイント。これを実践すると見た目の清涼感が高まるだけでなく、こなれた雰囲気も演出できるのです。これならノータイでも寂しく見えないし、着こなしが単調に見えることもありませんよ。
着用シーン別。クールビズスタイルのおしゃれな着こなしサンプル集
着用するアイテム数が限られるクールビズシーズンとはいえ、常に同じコーディネートで良い……というわけではありません。他の季節同様、ビジネスにおける各シーンを意識してスタイリングするべきでしょう。ここでは3つのシーン別に、おすすめの着こなしを紹介します。
▼シーン1:クライアントに会わない内勤デーはシャツ×パンツで軽快に通勤
取引先やクライアントと会う予定のない内勤デーは、クールビズスタイルの基本であるシャツ×パンツで会社へ。ジャケットやネクタイを省略したスタイルは、清涼感たっぷりです。しかし、シンプルな合わせだからこそ、サイズ感やカラーリングが重要になります。
コーデ1
クールビズ定番のスタイリングも、サイジングに気をつけるだけでおしゃれに
ブルーのストライプシャツとネイビースラックスで、清涼感溢れるクールビズスタイルに。タイトすぎず、適度に細身にまとめた絶妙なサイジングにより、ベーシックな合わせながらもスタイリッシュに仕上がっているのはさすがです。シャツもホリゾンタルカラーを選ぶことで全体をシャープに見せています。ブラウンの小物で洒脱さをプラスしてもいいですが、ブラックで統一すると知的なムードがグッと高まります。
コーデ2
表情豊かな素材選びでシンプルな着こなしを印象的に
ギンガムチェックシャツにベージュのパンツを合わせた、カジュアル色の強いクールビズスタイル。ですが、シャツにもパンツにもリネン素材を取り入れることで独特なシャリ感が涼しげな印象を呼び込んでいます。リネン素材の清涼感はノータイだからこそ際立ち、第1ボタンを開けることで絶妙なアクセントを作り出しています。
▼シーン2:プレゼンなどの“ここぞ”という場面ではジャケットとネクタイで勝負!
クールビズシーズンでもジャケットやネクタイが必須となる、プレゼンや商談といった勝負の場面。ただ、かっちりとした着こなしは暑苦しく見える可能性が高いので、清涼感を意識したカラーリングに仕上げるのがベターです。
コーデ1
フェード感あるブルーでこなれと清涼感を両得
ネイビージャケットにはグレースラックスが定番ですが、あえてフェード感あるライトブルーのパンツをセレクト。青みが入るだけで清涼感がグッと高まるだけでなく、こなれた雰囲気も演出できています。Vゾーンはパンツと同トーンのブルータイ×白シャツで、主張控えめに仕上げているのも暑苦しさの払拭に貢献。
コーデ2
夏のモノトーンコーデはメリハリの効いた配色が決め手
夏にモノトーンは暑苦しく感じるかもしれませんが、メリハリあるカラーリングなら話は別。面積の大きいジャケットに軽快なグレーを採用するだけで、ジャケパンをモダンに格上げしつつ涼しげな印象を与えられます。ライトグレーのジャケットに、トーンを変えたミディアムグレーのパンツでグラデーションをつけた合わせも新鮮。
▼シーン3:仕事帰りのデートは、セットアップから引き算したこなれ感ある雰囲気で
もちろん女性それぞれの好みもあるため、デートに適したクールビズスタイルの正解があるわけではありません。ですが、下手なジャケパンよりも清潔感に満ちたセットアップスタイルのほうが間違いない……というのも事実でしょう。ここでは、かっちりしたセットアップスタイルを小粋に着崩した上級者の着こなしを披露します。ネクタイを外したり、丈感に気を配ったりするだけでグッと洒落感のある着こなしを構築できるんです。
コーデ1
シンプルなブルー系コーデはクールビズでも女性ウケの鉄板
ネイビーのセットアップに、ライトブルーのビズポロ。涼しげで清潔感のあるカラーリングながら、ビズポロのタックアウトやスラックスの裾から覗く素足が程良いリラックスムードを醸し出します。「デートにはシンプルすぎるのでは?」と思うかもしれませんが、下手にスカーフを巻いたり柄シャツを挿したりするよりもシンプルな着こなしのほうが好印象を狙えますよ。
コーデ2
シックなチャコールグレーのスーツは、小物選びで差をつける
ネイビーよりシックに装えるチャコールグレーのセットアップを、白のビズポロでメリハリを効かせてクリーンにスタイリング。靴やバッグまでモノトーンでまとめることで、より洗練された雰囲気を醸し出しています。ビジネストートやブリーフケースでなく、クラッチバッグに持ち替えているのも注目したいポイント。全体のシルエットがすっきりと見えるだけでなく、ラフにつかんで持っているサマには大人のこなれ感も漂います。
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近間 恭子
ライターのアシスタントを経て、2003年に独立。「MEN’S CLUB」や「Mono Master」などの男性誌をはじめ、女性誌やWEB、カタログで活動している。ビジネスからカジュアルまでのメンズファッション全般を得意としているが、最近は趣味がこうじて旅企画も担当。
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