自転車通勤の正しい服装術。快適性を手に入れるアイテム選びのハウツー
自転車通勤をする人が増えていますが、どんな服装が良いか悩むことも多いのでは? 揃えておきたいアイテムをご紹介するので、快適でおしゃれなコーデを完成させましょう!服装を工夫すれば、自転車通勤はもっと快適に
心地良い風を感じながらの自転車通勤は快適です。しかし快適なことばかり、というわけではありません。暑い日は汗をたくさんかきますし、悪天候に見舞われることもあります。気温や天気、走行距離や道路状況、自転車の種類などによってハードルがさらに上がることもあるでしょう。
しかし、対策さえ練っておけばそうしたデメリットを軽減し、自転車通勤の快適性をアップさせることができます。もっとも効果的なのが服装。条件やスタイルにしっかりマッチした自転車通勤のためのコーディネートを完成させることで、楽しく、快適に自転車通勤を継続することができるはずです。服装選びのポイントさえ押さえれば、『ユニクロ』や『ジーユー』『ワークマン』といったコスパの良いブランドを活用して予算を抑えることもできるので、まずは自分に合った自転車通勤用コーデを理解することから始めましょう!
スタイル別に考察。自転車通勤の服装で意識すべきポイントとは?
自転車通勤のスタイルは、主に「スーツ」「ビジネスカジュアル」「職場で着替える」という3つに分けることができます。それぞれのポイントについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。自分にぴったりの通勤スタイルがわかると、選ぶべきアイテムも定まってきます。
スタイル1
「スーツ」の場合
本来スーツはサイクリングに不向きですが、それでもスーツで自転車通勤をしたい人は、自転車用にデザインされたスーツやセットアップを活用するのがおすすめです。ビジネス対応のフォーマルな見た目でも、防シワ・ストレッチ・吸汗速乾・ウォッシャブルなどの機能を備え、通常のビジネススーツとは比べ物にならないほど快適に自転車移動できます。サドルが当たる部分は摩擦が起きやすいので、予備のパンツも揃えられたらベストです。
スタイル2
「ビジネスカジュアル」の場合
ビジネスカジュアルのスタイルで自転車通勤する場合は、汗をかいてもドライな機能素材のアイテムを選ぶのがおすすめ。鹿の子生地のポロシャツなどはもともと通気性に優れていますが、吸汗速乾性のある生地を選ぶことで、快適度がさらに高まります。また、スラックスやチノパンはストレッチ性の高いタイプをチョイス。ペダルの漕ぎやすさに直結します。
スタイル3
「職場で着替える」場合
オフィスのドレスコードにかかわらず、自転車通勤で汗をかくなら着替えるのも賢い手段。実際、自転車通勤用と仕事用で服装を分けている人は多いようです。職場で着替えるためには、仕事用の服装一式が入れられるバッグが不可欠。さらに、バッグに入れて持ち歩いてもシワになりにくい仕事服を選ぶのもポイントです。もし仕事用のコーディネートのまま帰るなら、あらかじめ吸汗速乾性やストレッチ性の高いアイテムを選んでおくのがおすすめ。
で実際、何が必要? 自転車通勤を快適にする13のキーアイテムをピックアップ
ここからは、通勤スタイルごとにキーアイテムをご紹介。ポイントを押さえたアイテムでコーディネートを築けば、自転車通勤は一層快適になります。予算と相談しつつワードローブを整えてみてください!
▼「スーツ」での自転車通勤を快適にするアイテム
常にスーツで仕事をしている人や、クライアントのオフィスに直行するときなどは、スーツで自転車移動をしたほうが便利です。その場合、ストレッチ性が高くて動きやすいスーツを選ぶのが大前提。他にもキーアイテムがありますのでチェックしてみてください。
アイテム1
サイクリング対応スーツ
サイクリングに対応するスーツ(セットアップ)を利用しない手はありません。代表格は『ナリフリ』の定番テーラードジャケット&スラックス。速乾性や通気性に優れ、脇汗パッドまで搭載しています。汚れても自宅で洗濯でき、シワになりにくいのでケアも簡単。動きやすいのにビジネススーツとしての美しさも追求し、立体的に仕立てています。「自転車に乗りやすくても自転車を連想させない装い」を提案しているブランドらしい圧巻の出来栄えです。
アイテム2
ビンディングシューズ
滑りやすい革靴でペダルを漕ぐのはおすすめできません。革靴は持ち歩くか職場に置いておき、自転車通勤にはビンディングシューズなどを使用するのがおすすめです。『シマノ』のこれはスニーカーとしても普段使いできるので、まさに自転車通勤向き。
アイテム3
上品なアンクルバンド
ロードバイクやマウンテンバイクによく乗る人なら愛用しているのがアンクルバンドです。パンツガードやパンツストラップ、裾バンドや裾留めなどとも呼ばれ、パンツの裾が自転車のギアやチェーンに触れて汚れたり絡まったりするのを防いでくれます。スーツに合わせるなら、ふさわしい品格を持ったタイプを選ぶべきでしょう。サドルブランドとして名高い『ブルックス』の「トラウザーストラップ」はまさにうってつけ。レザーを使ったシンプルなデザインがかなり上品な印象です。巻き付けるだけでパンツの裾を固定できて、使い勝手も抜群!
▼「ビジネスカジュアル」での自転車通勤を快適にするアイテム
ビジネスカジュアルを想定したアイテムはどんどん高機能になっていますので、自転車通勤に適したカジュアルスタイルは簡単に築くことができるでしょう。クールビズやスーパークールビズを意識しながら、ポロシャツを軸に組み立てるのがイチ押しです。
アイテム4
吸汗速乾性の高いポロシャツ
暑い季節に活用したいのがポロシャツ。上品なのは台襟付きのビズポロですが、シンプルなデザインならスポーツ仕様のポロシャツでも最近は問題ありません。何よりも重要なのは吸湿速乾素材を使っていること。例えばこの『アディダス』の「マストハブ ポロシャツ」はシンプルで吸湿速乾性に優れ、さまざまなシーンに対応します。
アイテム5
快適素材のジャケット
ビジカジスタイルでぜひ注目したいのが『ナノ・ユニバース』のジャケット。遮熱・UVカット・吸水速乾・接触冷感・軽量という機能がてんこ盛りになった「シェルテック」素材を使用しているので、自転車通勤にうってつけのアイテムといえるでしょう。また、自宅で洗濯できるイージーケア仕様なのも心強いですし、ストレッチも利いているので動きやすさも折り紙付きです。
アイテム6
動きやすいスラックス
エレガントなスラックスに見えますが、実はフランスのスポーツブランド『ルコック スポルティフ』のパンツです。独自の開発したパターン「ネクステップ」が“次の動き”をスムーズに補助。自転車を漕ぐ姿勢やパソコンで作業する姿勢を想定しているので動きやすく、ストレスなくペダルを漕ぐことができます。ストレッチ性や撥水性まで兼備。
アイテム7
接触冷感素材のインナー
インナーを高機能素材にするだけでもかなり快適です。『シップス エニィ』が採用している「10ファンクション天竺」なら、10の機能を搭載。吸水・接触冷感・遮熱・抗菌防臭・消臭・制菌・抗ピリング・抗カビ・UVカット・花粉防止の効果を期待できます。吸水機能は当然として、夏場は接触冷感機能もあると体感温度が下げられて爽快です。シャツやジャケットのインナーとしてはもちろん、1枚でも使用可能。シーンによって使い分けられて便利です。これは浅めのVネックですが、クルーネックやポロシャツタイプも展開。
アイテム8
夜間でも目立つアンクルバンド
アンクルバンドはすでに紹介しましたが、スーツほどフォーマル感が必要ないビジカジスタイルなら、リフレクター機能を備えたものがおすすめ。帰宅が夜になるなど、暗い時間帯での移動が多い場合にも目立ちやすく、安全性を高めてくれます。コーディネートのアクセントにするくらいの感覚で選んでみましょう!
▼「職場で着替える」自転車通勤スタイルを快適にするアイテム
職場の更衣室やトイレで着替えられるなら、出勤したらすぐ着替えるのが良いでしょう。リフレッシュして仕事に集中できるはずです。移動用のコーディネートは快適なサイクリングウェアなどを活用しつつ、できるかぎり大人っぽくまとめると、シーンを選ばず使えて便利。天候の急変にも対策を講じておけたら完璧です。
アイテム9
ガーメントバックパック
仕事用のコーディネートを持って通勤するなら、スーツも収納できるガーメントバッグが便利。ただし、自転車の運転の邪魔にならないタイプを選ぶことが大切です。イチ押しは『ヘンティー』のガーメントバックパック。スーツなどの着替えはバッグ本体に、靴などの小物類はジムバッグに収納し、本体をジムバッグに巻き付けて背負うことができます。そのうえポケットにノートPCや書類を入れられるという、まさに自転車通勤に最適な逸品です。
アイテム10
サイクリングトップス
自転車通勤のときにしか着ない服は、快適性を最優先すべき。特に、発汗量の多い上半身を覆うトップスは、吸湿速乾性や通気性に優れるタイプを選ぶのがおすすめです。『ナイキ』などのスポーツブランドやサイクルウェアブランドからモノトーンのタイプを選べば、高機能かつクールなコーディネートを作ることができます。
アイテム11
サイクリングパンツ
トップスと同じくパンツも快適性は大切。そして何よりも重要なのがストレッチ性です。ペダルを漕ぐ際にストレスを感じずに済むタイプを選ぶようにしましょう。『ホグロフス』のこのパンツは、サイクリング専用ではないものの激しい運動を想定したデザイン。伸縮性と耐久性に優れ、撥水性も併せ持っています。
アイテム12
防水透湿素材のナイロンパーカー
防水透湿機能を備えるフード付きのアウターがあると、ちょっとした雨対策になるのでおすすめです。この『エフシーイー』のシェルジャケットは、3層構造の生地で防水・撥水・透湿性を兼備。そして立体裁断の袖で可動域を確保しています。また、大きめなフードが実用的で、被って雨を避けることができます。
アイテム13
パッカブルアウター
急な天候の変化に備えるには、持ち歩きやすいパッカブルのアウターを活用するのがおすすめ。上品なイメージを重視したい場合は、シンプルなステンカラーコートタイプが狙い目です。これは『シップス』が『ラベンハム』に別注をかけた1着で、パッカブルに加えて撥水機能を兼ね備える優れモノです。
番外編。雨の日は自転車通勤に適したレインウェアを活用すべし
雨の日にも自転車通勤をするなら、レインウェアを活用しましょう。コンビニで売っているようなレインコートでも雨は最低限しのげますが、きちんと自転車移動に適したアイテムを備えておくのがベスト。おすすめの3アイテムをご紹介します。
アイテム1
レインポンチョ
自転車用のレインポンチョは、フロントが長くなっているのがポイント。自転車のカゴまでカバーでき、荷物が濡れるのを防ぐことができます。そもそもポンチョはシルエットに余裕があり、リュックを背負ったままでも着用できるのが長所。バッグ類が濡れるのも防ぐことができます。
アイテム2
レインスーツ
ジャケット&パンツのセットアップで全身を覆うことができるのがレインスーツ。少し大きめのサイズを選べば、スーツの上に重ねることもできて便利です。サイクリング用を選ぶ必要はありませんが、『コロンビア』の定番品のような、ジャケットにフードが付属しているタイプを選ぶのが必須。フードを被ることで、傘をささずに自転車通勤ができます。
アイテム3
防水サイクリングシューズカバー
レインスーツでもカバーできないのが足元。防水性のあるシューズやレインブーツなどを使えば解決できますが、自転車用のシューズカバーを活用する方法もあります。ビンディングシューズに匹敵するほど高機能なタイプなら、ペダルから滑ることもなく便利。リフレクター付きのタイプなら、悪天候で視界が悪くなっていてもドライバーに自分の存在をアピールできて安全です。
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60以上のメディアで執筆。「着こなし工学」提唱者
平 格彦
出版社を経て独立。「Men’s JOKER」と「RUDO」は創刊から休刊までほぼ毎号で執筆。さらに「MEN’S CLUB」「GQ」「GOETHE」など、60以上のメディアに関わってきた。横断的、俯瞰的に着こなしを分析するのが得意。そんな視点を活かし、「着こなし工学」としての体系化を試みている。