メンズ必修。ボンバージャケットの今どきな着こなし方とおすすめ10着
人気継続のMA-1や、ここにきて注目度が上昇しているN-3Bやムートンジャケットなど、何かと盛り上がりを見せるボンバージャケット。その魅力を改めて押さえておきましょう。メンズファッションに欠かせない、ボンバージャケットとは
爆撃機や戦闘機に乗るパイロットたちが着用していたボンバージャケット。極寒の空中をヒーターなしで飛行することも多かったため、優れた防寒性を備えつつ、グローブをしたままでもつかみやすい大型のジッパー、酸素マスクを取り付けるタブといった独特のディテールが施されています。もともとはB-3やG-1などムートンボアを使用したフライトジャケットのことをボンバージャケット(ボマージャケットとも)と呼んでいましたが、現在ではMA-1などのナイロン製フライトジャケットも含めてボンバージャケットと総称されています。
ボンバージャケットにはどんな種類がある? 代表的なモデルをチェック
一口にボンバージャケットといってもレザー製からナイロン製まで種類はさまざま。ここではその中から代表的なアイテムを4つピックアップしてご紹介します。
種類1
B-3ジャケット
1930年代にアメリカ陸軍航空隊が着用していたB-3ジャケット。当時はまだ爆撃機に与圧装置が搭載されておらず、パイロットは過酷な寒さと戦いながら任務をこなす必要がありました。そのため、防寒性と保温性を確保するためにムートン素材を使用し、大型のチンウォーマーやサイドのアジャスタブルベルトなどが取り付けられています。
種類2
MA-1ジャケット
1950年代以降、ボンバージャケットでは徐々にコットンやナイロンが使用されるようになり、このMA-1によって完全にナイロン製が主流となります。このころになると爆撃機では与圧システムが完成していて、MA-1などの中綿入りジャケットはまだ与圧が施されていない戦闘機のパイロットたちが主に着用していたため正確にはフライトジャケットと呼ぶべきですが、引き続きボンバージャケットとも称されています。
種類3
A-2ジャケット
10~30度に対応する夏用ジャケットとして開発されたA-2ですが、タウンユースでは真冬でも十分に活躍してくれます。襟のバタつきを抑えるドットボタンやジッパーの上にウィンドフラップが施され、A-1からさらに防風対策が強化されています。マッカーサー元帥はこのA-2を特に好んだといわれ、またチャック・イエガー氏がX-1に乗って人類として初めて音速の壁を破ったときにもこのジャケットを着用していました。
種類4
N-2Bジャケット
極寒地のフライトジャケットとして開発されたN-3Bの着丈が長すぎてコックピットの中で動きづらいという理由から、MA-1と同様の袖や裾丈を採用してアップデートされたN-2Bジャケット。ヘルメットを着用したままでもかぶれる大型のフードやコヨーテファーなど、その独特のディテールからさまざまなブランドにデザインソースとして使用されています。
今大人が着こなすなら、きれいめアイテムと合わせるのがポイント
90年代に興った渋カジやハードアメカジブームでは武骨で男らしい着こなしのマストアイテムだったボンバージャケット。しかし今着るのであれば、さらりと大人っぽく着こなすのが◎。ここではトレンド感のあるボンバージャケットのコーディネート法をご紹介します。
コーデ1
モノトーンでまとめてシックなムードを強調
『アタッチメント』のシンプルなMA-1をキーアイテムに、ボトムスやインナーをモノトーンでまとめて大人な着こなしに。ハイゲージのタートルネックで上品さを出しつつ、足元はジョガーパンツ&スニーカーでスポーティにハズしています。
コーデ2
定番コーデも色とサイズのチョイスで大人に
L2-Aをイメージソースにしたアビエイタージャケットを軸に、フーディやチノパン、ジャックパーセルといった定番アイテムで気負わずにコーディネート。カラーをネイビー&グレーを中心にまとめつつ、しっかりとフィットしたサイジングにすることでグッと大人っぽく仕上がっています。
コーデ3
スラックスとレザーシューズで上品に味付け
『キャプテン サンシャイン』×『バズリクソンズ』のL-2Bタイプジャケットを着こなしの主役に据えて、スラックスとポストマンシューズできれいめにコーディネート。インナーのワインレッドをネルシャツで拾ってリンクさせているところも小技が効いています。
これが今の“買い”。大人におすすめのボンバージャケット厳選10着
注目度上昇中でさまざまなブランドからボンバージャケットがリリースされている今。ここでは本格派からデザインコンシャスなブランドものまで、イチ押しのアイテムをピックアップしてご紹介します。
▼ミリタリーブランド発の本格派ボンバージャケット
最初に押さえておきたいのが、実際にアメリカ軍にボンバージャケットを納入しているコントラクターのアイテムや、ヴィンテージピースを正確に再現することに長けたレプリカブランドのもの。ミルスペックならではの機能性やこだわりを存分に堪能できます。
アイテム1
『アヴィレックス』MA-1コマーシャル
1975年からMA-1をはじめとしたボンバージャケットを米軍に納入してきた『アヴィレックス』が、60年代のMA-1をベースに着丈やシルエットを現代的にアップデートした民生用モデル。本格的な仕様はそのままに、すっきりと着こなすことができます。
アイテム2
『アルファ インダストリーズ』N-3B
極寒地でのフライト用に製作されていたN-3Bを、実際にアメリカ軍に納入していた『アルファ インダストリーズ』が再現。民生用での発売にあたって日本人向けにサイズを修正した限定モデルで、なかでも新色のコヨーテブラウンはシックに着こなしやすく、タウンユースにも最適。
アイテム3
『バズリクソンズ』J-WFS WEP
ミリタリーウェアを正確に再現することで知られる『バズリクソンズ』が手掛けたWEP C-TYPE。66年から73年にかけて海軍のパイロットに支給されたボンバージャケットの最終型で、袖のニット部がV字にカッティングされ、濃いめのグリーンが採用されるなどのモデルチェンジが行われています。
アイテム4
『ウエアハウス』A-1 スタイル ウールジャケット 2126
「糸からヴィンテージを再現する」と評判の『ウエアハウス』が、1920~30年代にかけて夏季用のボンバージャケットとして採用されていたA-1ジャケットの中でも、希少なウールボディのモデルを復刻。分厚すぎない7番トップメルトン素材を採用しつつ、3種類のリブの編み立て方や光沢のあるナットボタンなどでヴィンテージのオーラを正確に再現しています。
▼アパレルブランド発のスタイリッシュなボンバージャケット
独特のディテールを多数有していて、一つひとつの機能やデザインにストーリー性のあるボンバージャケットは、デザイナーにとって格好の素材。現代的にアップデートされたモデルならば、ミリタリーもの特有の野暮ったさを感じさせることなく、スタイリッシュに着こなせます。
アイテム5
『ラコステ』リバーシブルボンバージャケット
MA-1をベースに、裏地にミリタリー感際立つひょうたん型のキルティングを施したリバーシブルジャケット。フレンチブランドらしい品のあるカラーパレットと、コンパクトなサイズ感がルックスを都会的に導きます。
アイテム6
『ジエダ』チェックMK3ジャケット
英国軍のフライトコンバットジャケットであるMK3をベースに、チェック柄のウール/ポリエステル素材を使用することでミリタリーの武骨さを和らげ、ハリントンジャケットを思わせるスタイルにツイスト。広めの身幅でショート丈のため、ざっくりと羽織ることでトレンド感あるシルエットに仕上がります。
アイテム7
『ジースターロゥ』Flight Bomber Repair Jacket
アムステルダム発の世界的デニムブランド、『ジースターロゥ』からもフライトジャケットベースのアウターがリリース。長年着古して破けた肘を補修したようなパッチや、各所に施した織布テープにより同ブランドらしい遊びと技術力の高さを感じます。裏地にはストリート感を強く打ち出すグラフィックもプリントされているので、ぜひチェックを。
アイテム8
『ユニフォーム エクスペリメント』リバーシブルMA-1
もともとMA-1はリバーシブルで着られるように開発されたフライトジャケット。しかし『ユニフォーム エクスペリメント』では表で着ると通常のボンバージャケットですが、裏返すとテーラードジャケットに早変わり。裾やVゾーンはフェイクレイヤードな仕立てのため、これ1着でコーディネートが完成します。
アイテム9
『アタッチメント』TA/PE ダブルフェイス MA-1
フロントはセットイン、後ろ見頃はラグランスリーブと、複雑な形状のパターンワークを採用しつつ、ミニマルなデザインに仕上げた『アタッチメント』のMA-1。トリアセテートとポリエステルを混紡した独特のツヤ感のある生地を使用し、ストンと落ちるスッキリとしたシルエットのため、合わせるアイテムを選ばないベーシックな着こなしが可能です。
アイテム10
『FR2』止水ジップ付きMA-1
人気ストリートブランド『FR2』の作るMA-1はフロントに使用されたホワイトの止水ジップが印象的。ブランドを代表する”Smoking kills“のロゴを右胸に配し、裏地のホワイトサテンには”I just wanna fxxk with you”とプリントするなど、随所に遊び心溢れるメッセージ溢れる仕上がりになっています。
ウェア・コーデ
適応温度別に分類。ミリタリーフライトジャケット13選
ミリタリーフライトジャケットは使用する環境に応じて防寒性能が決められています。それを基準に選べば、季節や用途に応じた最適な1着を手に入れることができるはず。
髙須賀 哲
2020.12.10
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男らしさ満点。ミリタリージャケットを種類別に解説!
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handbag編集部
2019.02.04
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遠藤 匠
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那珂川廣太
バイク専門誌と男性向けライフスタイル誌で編集を約8年務めたのちに独立。ファッションはアメリカンカジュアルからトラッドまで幅広く執筆を行い、特にブーツやレザー、ジーンズ、古着など男臭いアイテムの知識が豊富。また乗り物やインテリア、フードまでライフスタイル全般にわたって「ラギッド」を切り口に執筆する。