近未来感マシマシ。名作デジアナウォッチに、スター・ウォーズがグッドマッチ

古着ファッションが空前の盛り上がりを見せる中、脚光を浴びつつあるのが80年代スタイル。音楽やテクノロジーとの結びつきを感じさせるポップなスタイルが懐かしくも新鮮ですが、その腕元に映えるタイムピースとして懐かしのデジアナウォッチにも熱視線が注がれています。その中核を担うのが、『シチズン』が2021年に立ち上げた「レコードレーベル」と呼ばれるレトロウォッチコレクション。『シチズン』といえば、国産初となるアナログとデジタルの本格的コンビネーションクォーツ式腕時計、つまりアナログとデジタルの両方の時刻表示が可能な「デジアナ」を1978年に誕生させた“デジアナ”の草分け的存在です。この「レコードレーベル」では、そんな同社のかつての名作にインスパイアされたモデルをラアインアップ。1982年に発売され、海外でも大ヒットした「アナデジテンプ」や、エコ・ドライブの礎となった「エコ・ドライブ プロト」に最新の光発電技術を搭載したモデルなど、コレクター垂涎の傑作を新鮮な味付けとともに現代によみがえらせてきました。今回ご紹介するのは、待望の新作。映画『スター・ウォーズ』のキャラクターをデザインモチーフに取り入れた数量限定の6型が揃い踏みと聞けば、食指が動かないわけがありません。

今回お目見えしたのは、“スター・ウォーズ限定モデル”と銘打った全6モデル。ベースとなった「アナデジテンプ」特有の多機能仕様の角形デザインはそのままに、R2-D2 や C-3PO、ダース・ベイダーといったお馴染みのキャラを感じさせるカラーリングやモチーフが随所に盛り込まれています。デジタルとアナログの時刻表示に加え、温度を測るセンサーなどをも盛り込んだ「アナデジテンプ」自体がそもそもロボットの顔を思わせるデザインですが、モチーフとなったキャラに寄せすぎていないさじ加減も絶妙。「なんか、C-3POっぽいな」と思わせてくれるこれ見よがしじゃない落とし込み方にセンスを感じます。『スター・ウォーズ』も『シチズン』のデジアナウォッチも同時代を並走していたもの同士だけあって、双方の世界観に抜群の親和性があり、それがまた時計自体の魅力を引き立てている点も見逃せません。

裏蓋に刻印されたキャラクターのイラストも見どころの1つ。モチーフにしたR2-D2、C-3PO、ダース・ベイダー、ボバ・フェット、ストームトルーパー、BB-8という全6キャラクターが、映画のロゴとともに描かれています。ちなみに各モデルをよく見ると、細部の作り込みもなかなかマニアック。例えばダース・ベイダーのモデルは、右上のサブダイヤルがデススターモチーフで、発射口から出るビームが秒針の役割を果たします。R2-D2モデルのサブダイヤルは、R2-D2を上から見た姿を描いているのだとか。いずれも『スターウォーズ』を愛してやまない男たちがしばらく封印していた物欲さえ、再沸騰させてしまう可能性大の出来栄えです。唯一の悩みの種といえば、6型をコンプリートしたい誘惑と戦わなくてはならないくらいでしょうか。では、フォースとともにあらんことを。

Text_Takumi Endo