3万円で買える大人シック。腕時計もレトロ顔が良い
ネイビー、小ぶり、シンプル……、ウェア同様に腕時計も新トレンドが続々登場しています。今熱いジャンルの1つが、“レトロ顔”。人気の秘密と買いの6本をお届けします。今、古き良き薫り漂う“レトロ顔”の時計がアツい
飾らないルックスが装いを選ばないシンプルウォッチブームは、依然として続く気配。比較的プライスが控えめのモデルが多いこともあって、既存ブランドからもここ数年で次々とリリースされている状態です。ただ、最近はそのシンプルさの方向性にも少し動きがあり、いわゆる“レトロ顔”の腕時計が注目を浴びつつあります。
レトロ顔ウォッチの売りは、いつもの腕時計と着け替えるだけで着こなしにムードを演出してくれる手軽さ。アンティークウォッチブームの再燃なども背景にあるかもしれませんが、シーンに広く受け入れられた要因はここにあります。以下にも紹介しますが、サイズなのか、色なのか、はたまた古き良き時代の腕時計を彷彿とさせるディテールなのかというほんの少しの遊びがあるだけで、腕元が見違えて見えてくるんです。
具体的には? レトロ顔ウォッチを見極める3つのポイント
着けるだけおしゃれに見せてくれるレトロ顔ウォッチ。ここでレトロ感を味わうためのポイントを3つお届けします。そのうちのどれか1つだけでも、またはすべてを叶えている腕時計なら、きっと腕元から着こなしを変えてくれるはずです。
ポイント1
ケース径はアンティークウォッチにも多い40mm未満が望ましい
ケースが40mm以上の腕時計は当たり前のように存在しますが、大型化したのはここ20年のことなんです。アンティーク時計屋さんに行けば分かりますが、その昔、ほとんどの腕時計は40mm以下でした。レトロ顔ウォッチは基本的にアンティークデザインが元なので、当然サイズも小ぶりです。小ぶりであることの長所は、腕元で悪目立ちしないこと。つまり、どんなコーデにも似合ってくれるんです。
ポイント2
文字盤はシンプルな3針。フェードがかったカラーのダイヤルがムードを醸成
アンティーク時計はシンプルな3針がほとんど。デイト(日付)表示があったり、秒針だけインダイヤルで表示するスモールセコンドなどバリエーションもありますが、今レトロ顔を買うにしても往年の雰囲気を存分に味わえる3針がおすすめです。そして、文字盤の色合いも大切です。褪色感のあるオフホワイト、深みのあるバーガンディやグリーン文字盤を選べば、腕元から違いを生み出してくれること請け合いです。
ポイント3
ドーム型風防にボンベダイヤル、曲げ針などディテールが凝っているとなおGOOD
懐かしさを感じさせるディテールの1つがドーム型風防です。風防がアクリルで作られていた時代は、強度を出すために丸みを帯びたドーム型が一般的でした。現在の時計の多くは、アクリルより強度が高いサファイアクリスタルやミネラルガラスを風防に採用していますが、あえてフォルムはドーム型を選ぶと腕元から風合いを生み出せるでしょう。風防に合わせて丸く盛り上がったボンベダイヤルと、ダイヤルに沿ってカーブした針を持つなどディテールにもアンティーク感を反映した時計なら雰囲気も満点です。
3万円以下でもアンティーク調。おすすめの6本をピックアップ
いよいよレトロ顔ウォッチのアイテム紹介に移りましょう。3万円以下でアンティークな雰囲気満点の6ピースを厳選ピックアップしました。
1本目
『オリエント』バンビーノ オートマチック
ジャパンブランド『オリエント』はレトロ顔ウォッチを多数ラインアップすることで有名です。アンティークらしい楔形インデックスやドーフィン針を採用し、ドーム型風防にボンベダイヤルとただならぬレトロ感を醸し出しています。しかも、ムーブメントは昔ながらの機械式でもちろんMADE IN JAPAN。ハズしに最高なルックスとこの上ないコスパ感を実現しています。
2本目
『マスターワークス』TiCTAC別注 クアトロ
職人技が光るジャパンブランド『マスターワークス』によるレトロ顔ウォッチが、人気時計店「チックタック」コラボで登場しました。淡いホワイトとゴールドの組み合わせが、アンティークライクな味わいを醸し出し、コーデのポイントとなってくれそうです。ゴールドケースはとっつきにくいと感じるかもしれませんが、実にシンプルな3針時計のため、さまざまなコーディネートにマッチします。
3本目
『エル ラーセン』LW43
デンマーク産かつ今流行りのミニマルな北欧顔ウォッチですが、モダンさにレトロ感をブレンドしているハイブリッドさが魅力。この手の時計はフラットな風防が多いなか、ミネラルガラスのドーム型を採用、またバーインデックスは色褪せた蓄光塗料を思わせる色みを再現し、さり気なくアンティーク感を演出しているんです。ただシンプルなだけでない、随所に光るさりげない差別により北欧ブランドのなかでも頭1つ抜けています。
4本目
『フォッシル』ミニマリスト
サイズはやや大ぶりながら、雰囲気は申し分ないのが『フォッシル』のシンプルウォッチ。もともと古き良きアメリカンテイストが持ち味のブランドなので、レトロ感のさじ加減は流石です。クリーム色のダイヤルと、使い込んだかのような風合いあるレザーストラップの組み合わせは、渋い味わいを感じさせます。
5本目
『トモラ』T-1603
ニュークラシックを標榜するジャパンブランド「トモラ」によるレトロ顔ウォッチ。昔ながらのアクリルドーム型風防を採用し、それに合わせ文字盤もカーブしたボンベダイヤルに。さらにダイヤルのカーブに合わせて針先も曲げるというこだわりのアンティーク風ディテールを施しています。デザインもバウハウスのテイストを活かしており、視認性も抜群。見た目も機能性もバッチリな逸品です。
6本目
『タイメックス』ミジェット
最後の1本は少々異質ですが、こちらもれっきとしたレトロ顔。1917年にアメリカ軍のために製造されたミリタリーウォッチの復刻モデルなんです。往年のミリタリーウォッチに特徴的なコブラ針やオニオンリューズが醸し出す懐古的な雰囲気はコーデのアクセントに最適。『レッド・ウィング』も使用するエス・ビー・フット社製のレザーベルトはプロテクターが取り外せるので、シンプルに使うこともできるんです。
海外での取材経験も多数。時計専門ライター
夏目 文寛
出版社勤務時にはファッション誌、モノ情報誌の編集を15年にわたって従事。各雑誌で編集長を歴任し、2017年よりフリーのleather bagに。男の嗜好品に詳しく、特に腕時計は機械式の本場スイスをはじめとするヨーロッパに何度も取材に行くほど情熱を傾けている。興味のない人にもわかりやすく!がモットー。
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