洗濯のプロ流Tシャツの洗い方。黄ばみや黒ずみもすっきり落とすコツ
夏のヘビロテアイテムであるTシャツ。洗う回数が多い分、黄ばみや黒ずみなどの汚れが目に付きますよね。その落とし方を探るべく、プロに洗濯方法を聞いてきました。夏に必須のTシャツ。着込むほど、黄ばんだりヨレたりするのは仕方ない?
どんなコーデにも合わせられるから、ついつい出番が増えるTシャツ。ヘビロテすればするほど、黄ばんだりヨレたりして、“オキニ”の1枚がいつの間にかタンスの肥やしになりそう……誰か助けて! という悩みを解決すべく、各メディアで大活躍の洗濯王子こと中村祐一さんに、Tシャツの洗濯方法について伺ってきました。
取材協力:洗濯家 中村祐一さん
国家資格を持つクリーニング師で洗濯家の中村祐一さん。”洗濯王子”の愛称で呼ばれ、テレビや雑誌などの各種メディアでも活躍中。自身のホームページやブログでも洗濯に関する情報を発信しているので、そちらも合わせてチェックしてみてください!
ポイントを押さえて実践! Tシャツの洗濯の基本
洗濯回数の増える夏場は、いやがおうにも服のダメージが目に入ります。なかでもTシャツはそれが目立つだけに、洗う度悩みの種に。だからこそ、普段の洗濯を見直すだけでお気に入りのTシャツを長くきれいに楽しむことができるって、すごくうれしいことですよね? 今回はとくに汚れが気になる白Tシャツで実践します。
▼まず押さえておきたい、洗濯のポイント
いつもの洗濯にほんの少しの手間を加えるだけで、手持ちのTシャツをきれいに着続けることができます。大きく分けて、洗濯のポイントはずばりこの2つです!1.お湯で洗う「食器の油汚れが水よりお湯で洗うほうがよく落ちるように、服も水よりお湯で洗ったほうが汚れが落ちます。特に白Tシャツは汚れがしっかり落ちきらないと黄ばみや黒ずみとなって現れやすいので、40度くらいのお湯で洗うようにしましょう」2.粉末洗剤を使う「黄ばみや黒ずみ汚れに効くのは、中性の液体洗剤ではなく、弱アルカリ性の粉末洗剤のほう。白Tシャツの白さをキープしたいなら、粉末洗剤の使用をおすすめします」
<用意するモノ>
■洗濯桶■粉末洗剤■お湯
1.洗濯桶にお湯を入れ、粉末洗剤を溶かす
「まず初めに洗濯桶に40度くらいのお湯3Lを入れて、大さじ1杯(15g程度)の粉末洗剤を溶かします」
2.Tシャツを入れて20分つけおき
「Tシャツを軽く折りたたみ、粉末洗剤を溶かしたお湯に20分つけおきします。洗濯機に入れる前にこのひと手間をするかしないかで汚れ落ちがだいぶ違ってきますよ」
3.洗濯機で洗う、もしくは手洗い
「20分つけおきしたら、通常どおり洗濯機で洗うか手洗いしましょう」
4.陰干しする
「天日干しでもかまいませんが、紫外線に当てることが除菌になる反面、Tシャツのダメージにつながることもありますので、できれば陰干しすることをおすすめします」
仕上げのプラス1テク
ヨレが気になるならアイロンをかける
「汚れは洗濯で落ちても、Tシャツのヨレを洗濯で直すことはできません。ヨレが気になってきたら、アイロンをかけると元の形に戻すことができます」
黄ばみや黒ずみはどう落とす? 頑固な汚れの落とし方
毎日きちんと洗濯していても、どうしても着用によって黄ばんだり黒ずんでしまったり……。そんな経験のある方も多いのでは? 続いては、毎日の洗濯からもう一歩踏み込んだ、黄ばみや黒ずみなど頑固な汚れの落とし方をご紹介します。
▼黄ばみの落とし方
毎日の洗濯では落としきれなかった皮脂汚れが原因の黄ばみ。日常の洗濯に加えて定期的に行ってほしい、黄ばみを落とす方法を教えてもらいました。
<用意するモノ>
■洗濯桶■粉末洗剤■酸素系漂白剤■お湯
お湯に粉末洗剤と漂白剤を溶かしてつけおき
「まず初めに洗濯桶に40度くらいのお湯3Lを入れて、大さじ1杯(15g程度)の粉末洗剤を溶かします。黄ばみを落としたいときは、ここに大さじ1杯(約15g)の漂白剤を足して20分つけおきします。その後は通常どおり、洗濯機や手洗いで洗ってください」
▼黒ずみの落とし方
皮脂汚れに埃や排気ガスなどの汚れがくっつき、衣服に付着するのが黒ずみの原因。黄ばみよりさらに頑固な皮脂汚れの落とし方をチェック!
<用意するモノ>
■洗濯桶■固形の洗濯石けん■酸素系漂白剤■洗剤■お湯
固形石けんで汚れをこすってから漂白剤につける
「最初に黒ずみ部分を固形石けんでこすり、汚れをもみ出しておきます。あとは黄ばみを落とすときと同じ要領で、洗濯桶に40度くらいのお湯を入れ、大さじ1杯(15g程度)の粉末洗剤と大さじ1杯(約15g)の漂白剤を足して20分つけおき。その後、通常の洗濯をします」
頑固な汚れはブラシでこする
「石けんでこするだけでは落ちない頑固な黒ずみ汚れは、ブラシを使って落としてください。なお、使うブラシは、ナイロン素材のモノより動物の毛を使ったモノがおすすめ。動物の毛のほうがブラシに水分を保ちやすいので、生地を傷めず汚れを落とせます。」
こんな方法もあります!
スチームでムラして黒ずみを落とす
「衣類用スチーマーやアイロンのスチーマーを使うことで、固まった汚れをほぐして繊維から浮き上がらせ落としやすくすることができます。手順としては、石けんを汚れに塗った後にスチームするのが有効で、3秒くらい軽く当ててください。スチーム後は、その部分を40度くらいのお湯で軽くすすぎ、通常の洗濯を行えばOKです」
▼油汚れの落とし方(食べ物、ボールペン、化粧品など)
汚れやシミには大きく分けて水溶性と油性のものがあり、食用油やボールペン、化粧品などが油汚れに分類されます。間違った洗濯をしてしまうと油汚れが余計に広がりかねませんので、正しい洗濯を行ってください。
<用意するモノ>
■エタノール■液体洗剤■酸素系漂白剤(粉末タイプ)■酸素系漂白剤(液体タイプ)
1.汚れ落としを作る
「液体洗剤とエタノールを2:1の割合で混ぜて、油汚れに効果テキメンの汚れ落としを作ります。液体洗剤は蛍光剤・漂白剤のはいっていないものを使って下さい。」
2.汚れ落としをなじませ、油汚れを取り除く
「汚れ落としを吹きかけて、歯ブラシでやさしくクルクルと汚れになじませます。よくなじんだら、40度くらいのお湯ですすぎましょう」
色素が残った場合は漂白剤を使用
「カレーやミートソースなどは、上記の方法で洗っても色素が残ってしまうことがあります。その場合、最初に作った汚れ落としでこすった後、さらに漂白剤をプラスしまししょう。漂白剤は粉末タイプと液体タイプを1:9で混ぜたものを使用。歯ブラシを使って漂白剤をよくなじませ、最後に40度くらいのお湯ですすぎましょう」
▼泥汚れの落とし方
泥や砂の汚れは粒子なので水にも洗剤にもほとんど溶けません。泥や砂を払い落してから、固形石けんを使って洗いましょう。
<用意するモノ>
■固形石けん■ブラシ
1.いったん乾かして汚れを払う
「まずは汚れを乾かして、ブラシを使って泥や砂を落としましょう。使い古しの歯ブラシを使っても大丈夫です。あまり強くこすると洋服にダメージを与えてしまうので注意してください」
2.石けんでこする
「泥や砂汚れに一番効果的なのは固形石けんです。40度のお湯で濡らしてから、固形石けんで汚れを落としてください」
※漂白剤を使用する際の注意点
「漂白剤には塩素系の漂白剤と酸素系の漂白剤があり、塩素系の漂白剤は色柄物に使うと色落ちしてしまうため使えません。実は、すぐに洗えば漂白剤を使わなくても落とせる汚れのほうが多いので、漂白剤を手に取る前に、まずはどんな汚れなのかを冷静に判断してください」
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メンズファッション誌編集長を経て、現在フリーランスエディター/ライター。好きなものは海、雑誌、パン。