ポイントは3つ! スーツスタイルに合うマフラーとは
スーツやジャケットなど、冬のビジネススタイルにマフラーは欠かせません。とはいえ、ビズコーデに見合うマフラーを選ぶには何を意識すべきなのか。その回答を紹介します。ビジネススタイルに合うマフラーとは?
スーツやジャケットを着るときのビジネスマフラーは、カジュアルすぎてはいけません。あくまで防寒用の小物ですから、マフラーも相応の上品なものを選びます。ちなみに海外では「マフラー」は通じません。「スカーフ」ですのでお間違いなく。
スーツに合わせるマフラーを選ぶときのポイントは?
それでは、ビジネスシーンでの使用を想定したマフラー選びのポイントを解説します。これを知っておけば、まず失敗することはないでしょう。
ポイント1
「編み」より「織り」のマフラーを
マフラーは大きく分けて「織り」と「編み」の2種類ですが、スーツやジャケットを着るビジネスやフォーマルスタイルのときは「織り」マフラーを合わせます。巻いたときにボリュームが出すぎる「編み」のニットのマフラーは、ビジネスには不向きなのです。あくまでスタイリッシュに装うためには「織物」マフラーを選びましょう。ちなみに、セーターのようにループ目が並ぶのが「編物」、縦横に糸を並べていくのが「織物」です。もちろん素材は上質なウールを。首周りがチクチクすることなく、温かさも抜群ですので。
ポイント2
ビジネスカラーなら安心です
ビジネスカラーとは、ネイビー、ブラック、グレー、ブラウンなどビジネススーツに用いられる系統の色のことです。これらはどのように組み合わせても間違いということがない便利な色でもあります。例えばネイビースーツには、ブラックやグレー、ブラウンのマフラーが、グレースーツには、ブラック、ネイビー、グレーのマフラーが合わせられます。日常着もベーシックカラーで揃えておけば、コーディネートを失敗することはありません。ま、色味が地味なぶん、面白みには欠けますが……。
ポイント3
柄モノを選ぶならクラシックなものを
ビジネスマフラーは無地またはクラシックな柄モノを。クラシック柄とは、チェックやストライプなど、スーツ同様の伝統的かつシンプルな柄のこと。チェック柄ならウインドウペンや千鳥格子、グレンチェックなど。タータンチェックは基本的にカジュアル向けの色柄で、女子高生とか学生っぽく見えてしまうので注意が必要。ストライプ柄なら、ピンストライプやペンシル&チョークストライプを。マルチカラーのスクールストライプも制服っぽいのでやめといたほうがいいですね。
タイプ別に提案! スーツに似合うマフラー
ではビジネススタイルに使えるマフラーを見ていきましょう。ビジネススタイルはあくまで着る人が主役で、服が目立ってしまってはいけません。「地味でつまらないなー」と思われるかもしれませんが、あくまでストイックな選び方に徹するべきものとご了承ください。あ、ちなみにここでいう「ビジネススタイル」は、あくまでドレスコードのおカタい業種ということですので。IT系とかファッション業界とか、服装自由なとこは好きなマフラー巻いてご出勤ください。
▼ドレッシーに装うならベーシックカラー
ネイビー、グレー、ブラック、ブラウン、この4つのベーシックカラーの組み合わせ方は、いかようにしても間違いがありません。ネイビースーツにはグレーでもブラックでもブラウンでも、もちろんネイビーのマフラーだってOKです。季節柄、グレイフランネルのスーツにブラウン系のカシミヤマフラーなんてのが上品かと。
『エディフィス』リバーシブル カシミヤマフラー
表裏で同色のトーン違いになったカシミヤマフラー。カシミヤはなんといっても肌触りの良さが決め手。上質なカシミヤは本当に温かくて、肩周りまでほっこりします。縦半分に折ってどちらの面を見せるか選べますし、開いたまま適当にひねって巻けば2トーンのコントラストを楽しめます。
『ナノ・ユニバース』日本製40/2ソリッドウールマフラー
『ナノ・ユニバース』からはジャパンメイドのウールマフラーをピックアップ。素材の良さとベーシックなカラーリングでラグジュアリーな雰囲気が漂います。汎用性の高いシンプルな無地で、カジュアルシーンに合わせてもなんだかリッチな気分になりそう!
『アーディ アンド シー』ソリッドストール
ウール、カシミヤ、シルクの3種の高級獣毛を混合したコスパの高い『アーディ アンド シー』のソリッドカラーストール。滑らかで上質なタッチと発色の良さはもちろん、ほんのり光沢が浮き上がるドレススタイルに最適なマフラーです。
▼挿し色使いしたいなら、トレンドカラーのボルドー&グリーンを選ぶ
スーツ合わせやすいからといってベーシックカラーのマフラーでは物足りない! という方のために金曜日用のカラーマフラーを提案させていただきましょう。とはいえ赤だの黄色だの鮮やか色はビジネス向きではありません。今季のトレンドカラーである、ボルドーやグリーンあたりが旬な気分を醸してくれるのではないでしょうか。
『アーバンリサーチドアーズ』カシミヤ混マフラー
濃いめのトーンのボルドーカラーは大人っぽくキマって、コーデのアクセントになるので意外と取り入れやすいカラーです。赤系の中でもワイン色に近いボルドーは、いわゆるビジネスカラーと相性がいいので◎。サラッと巻くだけでワンランク上のスタイリングを実現してくれます。
『フィローモ』カシミヤマフラー
カーキに近いミリタリーグリーンはビジネスシーンにも大活躍。こちらはカシミヤの中でも最高峰の内モンゴル産の素材を採用しています。上品な素材にタフな色を使うというMIX感がおしゃれ心をくすぐりますね。
『アーバンリサーチ』ダブルフェイスカシミヤマフラー
エメラルドグリーンとフリンジで切り替えられたベージュカラーのコントラストが美しいカシミヤマフラー。品の良いカラーなので、カジュアル使いはもちろんのことドレッシーなスタイリングにも重宝しますよ。
▼柄モノにトライしたいなら、ストライプ&チェック
ビジネスマフラーに柄を使うなら、ベーシックなものにしておきましょう。ビビッドカラーがふさわしくないように、大胆なプリント柄も妙に浮いてしまいますので。スーツの柄同様、ストライプやチェックも控えめなものを選びます。ただしスーツやコートが柄モノの場合、柄モノマフラーは避けるのが無難です。
『ユナイテッドアローズ』チョークストライプ マフラー
スーツにもありそうなグレー地にストライプの柄。同じようなストライプのスーツに合わせるのは鬼門ですので、無地のスーツに合わせることをおすすめします。シンプルなストライプ柄なら、柄モノスーツに合わせてもうるさくなりすぎません。
『グリーンレーベル リラクシング』カシミヤ ウインドウペン マフラー
上質なカシミヤ素材とウインドウペン柄が絶妙にマッチした上品なマフラー。幼くなりがちなチェック柄を落ち着いたカラーリングで大人仕様に仕立てているので、ビジネスマフラーに選んで間違いありません。
『タケオキクチ』カシミヤストライプチェックマフラー
ストライプとチェックどちらも捨てがたい……と迷ってしまう方にはこちら。片面はピンストライプ、もう片面はウインドウペンと、ビジネスにマッチする柄をリバーシブルで採用しています。巻き方によっては両面見せることもできるので、コーデに合わせてさまざまなスタイルを試してみては?
▼マフラー専業ブランドから選べば間違いなし
マフラーやスカーフなどのネックウェア専業ブランドなら、素材にこだわって織られているので、肌当たりが抜群で温かいことは間違いありません。色柄もコーディネートしやすいものを揃えているので、迷ったら専業ブランドと覚えておくと良いでしょう。
『ジョンストンズ』ソリッド マフラー
『ジョンストンズ』社は1797年にスコットランドの北東に位置するエルガンで創業した高級マフラー&ストールの専業メーカーです。高級メゾンや多くのデザイナーズブランドのOEMも請け負っているので、その実力は世界屈指。とろけるような肌触りと温かさを実感できます。そのぶんお値段は少々張りますが、一度使ってみれば他のマフラーが使えなくなるほど。
『ドレイクス』ウールアンゴラ リバーシブル マフラー
ネクタイが有名な『ドレイクス』は、英国のネックウェアの専業ブランド。モダンな色柄に定評があり、こちらのマフラーは落ち着いた4カラーから選べます。同ブランド十八番であるアンゴラ素材を配合したマフラーは軽量かつしなやかな肌触りで使いやすいうえ、おしゃれ感も高まります。
『アルテア』マフラー
『アルテア』は今ではトータルブランドに成長を遂げているので、厳密には”専業”ではないのですが、もともとはネクタイから始まったミラノのネックウェアブランドです。素材選びと色出しのうまさは、さすがはイタリアブランド。こちらは大判マフラーでストール風ですが、ビジネス使いももちろんOK。繊細な総柄ですがビジネススーツに合わせても違和感なく馴染みます。
スーツに似合う巻き方ってどういうの?
ビジネススーツにマフラーを使う際、ボリューム巻きはNGです。コートを着ていることを前提に考えれば、巻かずに首に掛けるように使うこともありますが、ここではスマートな「巻き方」をご紹介しましょう。
巻き方1
ピッティ巻き
毎年1月と6月にイタリア・フィレンツェで開かれるメンズファッション見本市「ピッティ・ウォモ」に世界中から集まるバイヤーやジャーナリストの間で流行していたことから名付けられた、スーツに似合う巻き方です。襟元がコンパクトになり、密着度も高いので保温性も抜群です。
巻き方2
ワンループ巻き
シンプルな巻き方ですが、襟元を絞り上げる保温性の高い巻き方。マフラーをひねらないので、柄がきれいに見えるのが特徴です。ただし長めのマフラーだと、ちょっとアンバランスなので、短めのマフラーを使うようにしましょう。【ピッティ巻きとワンループ巻きの巻き方はこちらをチェック!】参考記事:即実践!大人が挑戦すべき、マフラーの巻き方教えます
巻き方3
アスコット巻き
アスコットタイのように、一回結んで垂らす巻き方。シンプルな巻き方なので、ビジネススーツに合わせるのに適していますが、襟元を絞らないので保温性は……。マフラーをアクセサリー的に使うときに活用したい巻き方です。【巻き方】1.マフラーを首に掛けて、胸元で一回結ぶ。2.ループの上に引き出している部分が面で垂れるように調整して完成。
ビジネススタイルからアウトドアまで幅広く執筆
池田 やすゆき
「FINEBOYS」編集部を30歳で独立。以後フリーのファッションエディター&ライターとして「MEN’S EX」「LEON」「GQ」「AERA STYLE MAGAZINE」など各メンズ誌・WEB版のほか、企業広告、オウンドメディアにて執筆。BBQインストラクター、第二種電気工事士など資格多数。目下の目標は危険物取扱者乙種4級取得。