手の届く機械式時計。フレデリック・コンスタントで差を付ける
品質、デザイン性に優れ、比較的リーズナブルな価格設定でスイス製の機械式時計が手に入るブランド『フレデリック・コンスタント』。そんな同ブランドの魅力に迫る。スイス発の腕時計ブランド『フレデリック・コンスタント』とは
『フレデリック・コンスタント』とは、数多くの高級時計ブランドを排出している腕時計大国スイスのブランドの1つ。ムーブメントをはじめとする部品や組み立てにいたるまで、一貫して自社で行えるマニュファクチュールブランドとして知られている。“ごく限られた一部の時計愛好家だけでなく、高品質の時計をより多くの方々に楽しんでいただくこと”を理念に掲げているだけあり、高品質かつ価格帯を抑えたラインアップを展開し続けている同ブランド。その魅力を掘り下げる前に、まずはそのバックボーンについて知っておく必要があるだろう。
1988年に現CEOのピーター・スタース氏と妻のアレッタ・バックス氏がスイス・ジュネーブ郊外のトアネに拠点を構えブランドを設立。そしてジュネーブの時計サプライヤーの協力のもと、ブランド初のコレクション「18世紀コレクション」を完成させる。同コレクションにおいて6つのモデルを発表し、ブランドとしての一歩を踏み出したのだ。100年以上の歴史を誇るブランドが数多く存在するスイスの時計シーンとしては、非常に若いブランド。だが、持ち前のデザイン力と開発力により一躍人気ブランドとしての地位を確立し、今に至る。現在では、『シチズン』傘下に入り、ここ日本においてもその認知度を高めている。
『フレデリック・コンスタント』が、腕時計愛好家にも愛される理由
ここからは『フレデリック・コンスタント』の魅力について紹介していく。詳しくは下記で解説していくがデザイン、品質ともに優れており、スイスの機械式時計入門としてもぜひおすすめしたいブランドとなっている。
理由1
“ハートビート”という、機能美の結晶
1994年にブランドによる初の試みとして発表され、今でも『フレデリック・コンスタント』最大の特徴ともいえるのがハートビートデザインだ。これは時計のメカニカル部分を見せるため文字盤上に小窓を開けた、機械式腕時計を持つという所有欲を満たしてくれる意匠。地板(中の機械)にも穴を開けるため、機械の強度やバランスを保つために高度な技術が必要とされる。また、せっかく見えているムーブメントの見た目が雑では話にならないので装飾的な仕上げの緻密さも要求される。近年ではムーンフェイズやデイト機能を追加したモデルなども展開。
理由2
最新技術と職人技が生み出す、プライス以上のクオリティ
『フレデリック・コンスタント』ではデザインから設計、組み立てまでを厳しい管理のもと一貫して自社工場で実施。最新機材の導入や、オリジナル装置の開発なども積極的に取り入れることでコストを抑えた生産体制を確立している。職人が一つひとつ丁寧に最終チェックをし、出来上がった時計は防水テストや耐久テスト、48時間の動作確認を経て初めて店頭へと並ぶ。こうして最新の技術と職人技を組み合わせることで、ハイクオリティなアイテムを手の届くプライスで生み出しているのだ。
理由3
すべての大人に伝えたい、コストパフォーマンス
先ほど紹介したとおり、『フレデリック・コンスタント』の時計はほかのスイスの時計ブランドに比べ比較的リーズナブルな価格設定となっている。100万円を超える腕時計も珍しくないスイスの時計業界において、『フレデリック・コンスタント』の価格設定は15万~40万円程度。上記の通り技術力にも定評があるので、初めての機械式時計としてもおすすめだ。2018年には永久カレンダーとトゥールビヨンを搭載したモデルを200万円台で発表。他社なら数百万円はくだらないスペックを安価に提供できるのも、同ブランドの企業努力あってこそだろう。
『フレデリック・コンスタント』より、おすすめ12本をピックアップ
簡単にではあるが『フレデリック・コンスタント』の魅力も紹介したところで、ここからは数あるモデルの中から厳選したおすすめのアイテムをご紹介。どれも価格以上の価値を有した、ハイクオリティな逸品はかりだ。
アイテム1
クラシック ハートビート デイトラウンド
ブランド最大の特徴であるハートビート機構に加え、ユニークなスケルトンデイトを搭載したモデル。主張の強いローマンインデックスとレイルウェイ目盛りの掛けあわせにより、旧き良きエレガントな面持ちを体現した。エッジ部分の丸みを帯びたやさしいフォルムが、クラシカルさを引き立てているのも特徴。
アイテム2
クラシック カレハートビート & デイト オートマチック
20世紀初頭からニューヨークで花開いたアールデコ調のデザインを、レクタンギュラーケースでクラシカルに表現したカレシリーズ。すっきりとしたオーソドックスなケースデザインで、スタイルを選ばない汎用性の高さも特徴だ。3気圧防水に加え、日常使いにも十分な38時間パワーリザーブムーブメントを搭載している。
アイテム3
カレ ハートビート&デイト
こちらもレクタンギュラー型ケースのモデルでクラシカルなローマンダイヤルを採用した、ブランドを代表するカレシリーズの1本。ヘリンボーン柄の緻密なギョーシェ彫りに加え、クロコ型押しのカーフベルトでエレガントさを後押ししている。
アイテム4
クラシック ハートビート デイト ラウンド
世界500本限定。ブランドの顔ともいえるクラシック ハートビートシリーズに、ブラックマザーオブパール文字盤を採用した貴重なモデルだ。38mm径という小ぶりなケースに、大ぶりなローマンインデックスと印象的な白針が文字盤の美しさを一層引き立てる。白のステッチが映えるブラックカーフのバンドを使用。
アイテム5
マニュファクチュール
上品かつ洗練されたデザインで人気が高いスリムライン。よりドレスに似合う表情になるよう、ハートビートは取り入れずミニマルな顔立ちに仕上げている。一方で、ホワイトインデックスにイエローゴールドを組み合わせたラグジュアリーなカラーリングにより高級感も担保。スケルトンバックからは、自社キャリバーFC710に施されているペルラージュ仕上げが楽しめる。
アイテム6
スリムライン ムーンフェイズ
ポインターデイトとムーンフェイズの窓を6時位置の上のインダイヤルにまとめ、煩雑なイメージになりがちなムーンフェイズをすっきりとシンプルにまとめあげた。42mmのゆったりとしたサイズのケースに、ハンドポリッシュ、ハンドセットされたバーインデックスで上品に構築。フォーマルにも似合う2針のドレスウォッチを探しているなら、まず間違いない選択だ。
アイテム7
オースティン・ヒーレー クロノグラフ
幻の名車オースティン・ヒーレーをデザインソースとした限定シリーズ。オースティン・ヒーレーのロゴをダイヤルに施し、他社のスポーツモデルにも見られるパンチングされたレザーストラップを採用している。サファイアガラスのドーム型が風防もクラシックなイメージをさらに引き立てつつ、100m防水に46時間のパワーリザーブを搭載するなど現代に即した機能も充実。
アイテム8
インデックス オートマチック
飽きのこないベーシックなデザインから、初めての機械式時計としてもおすすめのモデル。3針にデイトカレンダーをあわせたの王道デザインをシンプルにまとめ、美しく仕上げている。腕馴染みの良いカーフレザーのストラップも、ビジネスに似合う品格をオン。オートマティックにも関わらず、裏ブタのスケルトンは採用しない潔さもまた、面白い。
アイテム9
マニュファクチュール ワールドタイマー
ブランドの魅力であるクラシックさが十分に表現されたワールドタイマーモデル。リューズが2段引きになっており、1段引いて都市名が刻まれたインナーリングを合わせ、もう1段引いて時間を合わせることで都市名の入ったリングも連動して動くように。デザインとしてごちゃつきがちなワールドタイマーを、42mm径のなかで上品にまとめた。
アイテム10
クラシック オートマチック
装飾性の高いブレゲ針とクルール・ド・パリのギョーシェ彫りがプライス以上の品格を漂わせる、ロングセラーモデル303MC3P6Bの好景気。リューズはオニオンリューズ、すっきりとした文字盤に針はブルースチールを採用するなど、オーセンティックなデザインが特徴的だ。
アイテム11
クラシック ハートビート デイト ラウンド
クラシック ハートビート デイト ラウンドの日本企画モデル。レイルウェイインデックスの内側のギョーシェは、ヘアピンブルーの針と相まってクラシカルなローマンダイヤルの高級感をさらに引き立てている。オープンハートからのぞくスケルトンデイトも、価格以上の作り込みを感じさせてくれる仕上がりだ。
アイテム12
カレ ハートビート&デイト リミテッドエディション
限定カラーのコニャックを採用したリミテッドエディション。熟成したコニャックを連想させる色合いのダイヤルに同色のレザーベルトを合わせ、上品さと華やかさ、そして知性を表現した。中央のヘリンボーンのようなギョーシェ掘りが、コニャックカラーとマッチして大人の渋さを醸し出す。
都内の編集制作プロダクション所属。メンズファッション・ライフスタイルを中心に雑誌、webにて編集・執筆を行っている。