品番も機能もおすすめも。ニューバランスのスニーカーに詳しくなる!
さまざまな世代から支持される『ニューバランス』のスニーカー。代表作から品番の違い、テクノロジーまで基本のアレコレをおさらいしつつ、おすすめのモデルを紹介する。知れば知るほど好きになる。だから知りたい『ニューバランス』
大人が好むファッション性を持ち合わせ、履き心地の良さにも定評がある『ニューバランス』のスニーカー。型番が違うというだけでなく、それぞれのテクノロジーの違い、名作の系譜を理解すれば、さらに愛着が増すはずだ。本記事では、同ブランドのスニーカーをもっと好きになるために押さえたい要素をまとめ、基本情報を押さえつつチェックすべきモデルに触れていく。
『ニューバランス』のスニーカーはモデルがいろいろ。その違いは?
『ニューバランス』のシューズモデルは、ランニングやアウトドアなどのカテゴリに分けることができる。なかでも、ファッションシーンで活躍するスニーカーついて、おおまかな違いを3つの視点でご紹介。
視点1
型番の違い
同ブランドのスニーカーには「576」、「996」などの番号が付けられている。とくに人気なのが、500、900、1000番台の3つのシリーズ。それぞれの型番には特徴があるので、それらの主なポイントを解説しよう。
500番台は……
「576」や写真の「574」がアイコン的な存在になっている500番台。初代のモデルは1987年に登場した「575」で、このシリーズはオフロード、いわゆる舗装されてない道路を走るために生まれたモデル。凹凸が深くグリップ性の高いアウトソールや、ぽってりしたフォルムが特徴として挙げられる。
900番台は……
1982年登場の「990」から流れを継いでいる900番台。500番台よりも先に登場し、こちらはオンロードモデル。いわば舗装された街を走るために考えられているシリーズだ。代々グレーがメインカラーなのは、原色や蛍光色などと違って、アスファルトに馴染むカラーだから。定番の「996」は言わずもがな、2019年は「CM997」や写真の「990v5」などの新作も豊富にリリースされている。
1000番台は……
伝説的な名作となっている、「1300」から派生している1000番台。時代ごとの最新技術・機能が注がれたモデルとなっていて、「1700」を筆頭にフラッグシップモデルともいわれているシリーズとして絶大な人気を誇る。21世紀からは2000番台に突入し、1000番台の流れをくむ最先端のシリーズに。ちなみに番号的には「1300」の次は「1400」だが、80年代当時の技術で量産ができず、’89年に「1500」が登場し、’94年に「1400」が発売と、順序が逆になっている。
2000番台は……
厳密には1000番台の系譜で、21世紀に入ってからはすべて2000番台が付けられるように。「1700」の次作のフラッグシップモデルが2001年に登場したため、2000となった。そのため1000番台には1800と1900が存在しない。見た目もフラッグシップのラグジュアリー感を継承しつつ、近未来的な雰囲気が加速した印象がある。
視点2
ソールシステムの違い
『ニューバランス』のスニーカーは、900番台の進化を皮切りに、さまざまな機能が発展。独自のテクノロジーの中から、特徴的なソールシステムをかいつまんで紹介しよう。ちなみに、1000~2000番台、復刻モデルなどには、さまざまなソールシステムがMIXされているものも存在する。
レブライト(REVLITE)とは?
最近のリラックス感のあるモデルでもよく見かける、クッション性と軽さに優れるミッドソール。レブライト以前にあった、アクティバというミッドソールよりも、約30%の軽量化を実現し、耐久性と心地よいクッション性をキープしている。
C-キャップ(C-CAP)とは?
ポリウレタンを使わずに、EVA素材のみで作られたミッドソール。初めて搭載されたモデルは「670」で、1985当時、日本のライセンスを保持していた月星化成の主導で作られた。軽くクッション性に優れるだけでなく、加水分解しにくいというメリットがある。
エンキャップ(ENCAP)とは?
衝撃吸収性に優れたEVA素材を、クッションに優れつつ頑丈なポリウレタン素材に封入したミッドソール。ラルフ・ローレン氏が、「1300」の履き心地を「雲の上を歩いているかのよう」と表現したとも噂されるくらい、エンキャップはクッション性と安定性に優れている。
アブゾーブ(ABZORB)とは?
着地した際に足が受ける衝撃を吸収。同時にそのエネルギーを、足が地面を蹴り上げる際の、反発弾性に促してくれるクッショニング素材。走行安定性を高める役割も備えており、1993年に登場した「998」で初めて採用された。
視点3
生産国の違い
本国のアメリカをはじめ、イギリスやアジア各国の工場で生産されている『ニューバランス』のスニーカー。とくに伝統的なクラフトマンシップが注がれているアメリカ製とUK製のモデルの特徴は以下のとおり。
MADE IN USAモデルの特徴
ざっくりいうと、本場アメリカで作られていて、オリジン性の高いインポート好きが好む人気モデル。1足1足、アメリカの職人の手で作られているので、長年の経験で培われた技術と最新鋭のテクノロジーが凝縮された逸品と言える。見た目的には、あくまでUK製に比べると、アメリカ製のほうがぽってりしてる印象。
MADE IN ENGLANDモデルの特徴
『ニューバランス』のイギリス工場は、同国ならではの腕利きの革靴職人を求めて開設され、レザーモデルが多いのが特徴。ちなみに革の調達から独自に行っている。熟練の革靴職人の系譜を継ぐ釣り込み技術もあってか、USAモデルに比べるとシャープなフォルムが多いといわれている。
型番の頭文字にも『ニューバランス』のスニーカーならではの特徴アリ
『ニューバランス』のモデルには品番の前にM、CM、Uなどのアルファベットがついている。たとえば、MはUS&UK製モデル。なので、できるだけオリジンなモデルが欲しいならば、M必須で探すのがベター。ちなみにUは、ユニセックスモデルを指している。
『ニューバランス』が好き。そんなあなたに贈るスニーカー傑作集
これまでの内容で『ニューバランス』を好きになった、改めて興味が出たという読者諸兄に、押さえておきたい名作や新作をご紹介。『ニューバランス』のスニーカーってもっといろいろあるようだけど……、お悩みならば以下のモデルを参考に、前後の型番を探して比較してみるのもアリ。
モデル1
ML574
1988年に、未舗装の路面でも高いグリップ性を発揮するラグアウトソールを装備し、オフロードランニング用に誕生した「576」。そのボリューミーなフォルムや機能性を踏襲した兄弟モデル「574」の構造やラストを見直すことで、機能面をさらにアップグレード。しかも税抜き1万円以内で、伝統のグレースエードなど“らしい”雰囲気が存分に味わえる。
モデル2
M1300CLS
1985年に発表された、同社ランニングシューズの最高峰が「1300」。クッション性とスタビリティを両立させた独自のソール技術「エンキャップ」を初搭載したことでも知られ、その履き心地から“スニーカー界のロールス・ロイス”とも評される。こちらはそんな名作をモダンに仕上げた派生モデル。とはいえどメイドインUSA、かつマニアも納得の出来映え。
モデル3
M992
ブランド創立100周年モデルとして、2006年に誕生した「992」。あのスティーブ・ジョブズも愛用した同モデルが、衝撃吸収性、反発弾性、耐久性に優れるアブゾーブSBSを搭載したミッドソールなど、当時のテクノロジーもそのままに再現して、14年ぶりに待望の復刻。風合い豊かなウルヴァリン社のピッグスキンスエードも、実に大人の足元に相応しい。
モデル4
CM996
人気の高い「996」のオリジナルシルエットを細部まで忠実に再現すると同時に、クッション性を高めるシーキャップ搭載の2層構造ミッドソール×PUインソールで、履き心地もアップグレードさせた「CM996」。高級感あふれる天然皮革をアッパーに採用したニューカラーの中でも、シックな着こなしにもハマるのがブラウン。履き込んだ際の経年変化も楽しみだ。
モデル5
MS327CPD
1970年代の『ニューバランス』を代表する3つのランニングシューズ「320」、「355」、「スーパーコンプ」の象徴的な意匠&ディテールを融合させて、現代的に再構築。何より目を引くのが、アッパーのアウトサイドにあしらわれた特大の“N”マーク。キャッチーな要素を備えながらも普段の着こなしに取り入れやすく、かつ新鮮な印象を呼び込むのにも最適だ。
モデル6
ML850
アッパーからお約束の“N”マークを排した斬新なデザインで話題となった90年代ランニングモデルの隠れた名作「850」が、オリジナル同様のソールユニットを搭載し、「ML850」として復刻。せっかくなら、スエード&メッシュのアッパーからソールまで、各パーツを同色でまとめた“モノパック”で、より“らしくない”感じを狙ってみても面白いのでは。
モデル7
BB550 BYEX
玄人好みのバッシュの中にあって、90年代にリリースされて随一の人気を誇った「プライド550」が、今年11月「BB550」の名で復活。快適な履き心地で足馴染みの良いレザーアッパーに、立体的な“N”マークがよく映える。このホワイト×ブルーは、日本国内では『ビューティ&ユース』でのみ展開されるエクスクルーシブカラー。即入手がおすすめする。
モデル8
MS1300 TE
先述した「M1300」のデザインに、高い衝撃吸収性・反発弾性を誇るエンキャップ リヴィルソールが融合したハイブリッド機種。さらにクリーンで上質なスエードと通気性に抜群のメッシュのコンビアッパー、耐久性とグリップ性に優れるビブラムアウトソールなど、多彩な機能が搭載されており、好奇心旺盛なタスクラップ読者にも刺さること請け合いだ。
モデル9
MW880G B4
ウォーキングシューズのカテゴリーにおいて、2013年から日本国内での販売足数・売上額No.1を記録し続けている「MW880v4」に、ゴアテックスが搭載されたアップグレードモデル。心地良いフィット感を約束するストレッチタン構造、卓越したクッション性と安定性を発揮するトゥルーフューズミッドソールを採用し、雨や雪の日でも足元は快適そのもの。
モデル10
NM288S PE
最後は、スケートラインの『ニューバランス ヌメリック』から。インドア用サッカーシューズをモチーフに開発されたスケートシューズ「NM288」が、さらにスポーティーに進化。足にフィットするブーティー構造、その出自を表すトゥステッチ、そして都会的なモノトーン配色といった要素が融合し、細身のボトムスともよく合うスマートなフォルムを形成。
改めて、『ニューバランス』のとりこに……
筆者の考える『ニューバランス』のスニーカーの魅力は、やはり他ブランドと比較した際のクッションの快適さが別格なところ。ファッション性の高さはもとより、歩くことや走ることが好きになる快適さがやみつきになるはずだ。少々値段は張るが、USA、UK製モデルであればスニーカーでは珍しいハンドクラフト感も味わえるので、奮発する価値は存分にある。
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handbag編集部
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