人気ブランドのネクタイ20選。ノータイ時代だからこそ差がつく1本を
脱スーツ規定が進行しているうえに、在宅勤務やテレワークが定着したことで、ますますネクタイの出番はなくなっています。そんな今こそ、ネクタイをするチャンス到来です!脱ネクタイの今だからこそ、ネクタイで目立とう!
在宅勤務やテレワークが定着し、働き方が多様化する今、ビジネスファッションも大きく変化しています。それに伴い、ネクタイの出番が減ったという方は多いのではないでしょうか?それゆえにこれからの時代、ネクタイはおしゃれするための重要なアイテムとなります。誰もネクタイをしていないオフィスならネクタイ姿は際立ちますし、ここ1番の意気込みと同義となるはず。プライベートでネクタイをしていけば、気合の入ったおしゃれという特別感も高まります。普段はノーネクタイで大いに結構。その代わり、ここぞというときにネクタイで目立ってみてはいかがでしょう。
ネクタイを選ぶ際に押さえておきたい2つのポイント
ネクタイを選ぶ際には、ストライプ柄や小紋といった色柄だけでなく、ブランドや素材、仕立てまでこだわって選びたいものです。そんなアイテム選びのポイントをご紹介しましょう。
選び方1
餅は餅屋。専業か、ドレススタイルに一家言あるブランドを選ぶ
ネクタイとは当然ながら、ただ布を切って縫っただけのものではありません。良質なシルクを基本に、確かな品質の素材選びからネクタイのデザインはスタートしています。成形においても、高級感を出すためにサイドエッジはきっちりプレスせずにふんわりとたたむ技術や、ノットを作って締めるため多少のねじれにも対応する熟練した縫製が求められます。結び目はほどけにくく締まりながらも、ほどいた後にシワが取れやすいように表地はバイアス(斜め)に使い、芯地も確かなものを使用しなくてはなりません。こういった事柄をすべて理解してネクタイ作りを行う、確かなブランドから選ぶことが正解への近道と言えるでしょう。
選び方2
上質な天然素材で、胸元に品格を
大人のビジネススタイルにふさわしいネクタイは、天然素材の良質なモノに限ります。基本は上品な光沢を湛えるシルクですが、 ウールやリネン、コットンなども着こなすスーツの素材によっては候補に挙がってきます。安価な化学繊維のネクタイにはシワがついてなかなか消えないモノもあるのでご注意ください。
ここぞの1番に効く! 人気ブランドのネクタイ20選
これからは「ここぞ」というときにネクタイをするわけですから、相応のネクタイをすべきです。以下では、ビジネスマンにふさわしいネクタイブランドをご紹介しましょう。国内外の専業ブランドに加え、ビジネススタイルが得意なセレクトショップやデザイナーズ&クラシック系ブランドがおすすめです。
▼タイプ1:やはり格別! 至高の1本を作り上げる海外発のネクタイ専業ブランド
階級意識の根強い欧米では、ネクタイは上流階級のマストアイテム。特に王侯貴族階級が栄えたイギリス、イタリア、フランスなどには、上質な素材を使ったネクタイやスカーフを専門に手掛ける専業ブランドがいくつもあるんです。
アイテム1
『ドレイクス』50オンス ロイヤルシルクツイル ソリッド タイ
海外のネクタイブランドといって最初に思い浮かぶのはイギリスの『ドレイクス』ではないでしょうか。『アクアスキュータム』の小物雑貨を担当していたマイケル・ドレイク氏が友人であった『ターンブル&アッサー』のチャールズ・ヒル氏と立ち上げたブランドで、しっかりと目の詰まった50オンスシルクが有名です。上品なツヤのある生地は、程良いボリュームがありつつも結んだときは収まりが良く、スタイリッシュに仕上がります。
アイテム2
『アルテア』小紋 ネクタイ
『アルテア』は、1892年にミラノのネックウェアブランドとして創業されました。ネクタイの他にマフラーやスカーフを展開していましたが、近年はトータルメゾンとしてジャケットやシャツ、カットソーなども展開。こじゃれた遊び心ある色柄のネクタイが揃っています。
アイテム3
『フランコ バッシ』ダブルストライプタイ
『フランコ バッシ』はイタリアンシルクの聖地といわれるコモに1973年に設立されたブランドです。この街はリゾート地として知られるコモ湖のほとりにあり、豊かなアルプスの雪解け水が使えることで繊維・織物産業が盛んな地でもあります。水が良いため染料との相性が良く、発色が鮮やかに出ることがその理由です。そのため、ここで織られたシルク生地は微妙なニュアンスさえも美しく、繊細で上質な糸と美しい光沢あるネクタイが作り出せるのです。
アイテム4
『スレファノビジ』ソラーロ調シルクジャカードストライプネクタイ「RIO」
ミラノで三大続くネクタイブランド。現当主ステファノ氏の名を冠したブランド名は、アジア・日本地区で展開しているもので、本国では『ビジ クラヴァッテ ミラノ』の名称で展開しています。大量生産の時代に頑なに手仕事でネクタイを作り続けたように、昔ながらのMADE IN ITALYを大切にしたモノ作りを続けています。こちらのネクタイは、厳選されたシルク素材から紡がれた細番手糸を用い、経糸と緯糸に異なる色の糸を配置して綿密に作り上げられたもの。それゆえに、玉虫調の光沢を放つ美しい1本です。
アイテム5
『フランコ ミヌッチ』総柄シルクネクタイ
イタリア・フィレンツェで年に2回開かれる紳士服展示会、ピッティ・ウォモでは、“この人の後ろを付いていけばトレンドが見える”といわれた、“ピッティの羅針盤”の異名を持つフランコ・ミヌッチ氏の名を冠したオリジナルブランド。店は閉店しましたが、ネクタイブランドとして残っているのは、彼がその店名に「タイ」と入れたように、男の服にネクタイは不可欠とされたから。こちらの総柄シルクネクタイは洗練されたおしゃれを楽しめます。
アイテム6
『ニッキー』シルク小紋タイ
エジプト人のジョン・ニッキー・キーニ氏が創業したネクタイブランドは、ダークカラーのネクタイばかりだった20世紀初頭に、鮮やかな色のネクタイをリリースして人気となりました。もともと英国由来の紳士の服に、目立つ色柄はなかったのですが、ここから男性が派手な色柄のネクタイをファッションとして使うようになったといわれています。そのため今も、色や柄にはポップなカラーや柄モノが多く、陽気でファニーなイタリアンスタイルには欠かせないネクタイです。
アイテム7
『フィオリオ』シルクニットタイ
『フィオリオ』もコモに本拠を構えるネクタイブランドですが、スカーフやチーフといったコレクションも有名です。現在、ヨーロッパ最大級の繊維企業カネパ社傘下にあり安定的な価格と品質を提供できるネクタイメーカーの1つ。個人的な印象ですが、『フィオリオ』のネクタイにはサテンやツイルよりバスケット織りやフレスコ織りなどの立体的な織物や、ニットタイのような編み地に優れたモノが多いと感じます。カジュアルなニットタイやフレスコタイを選ぶなら『フィオリオ』はおすすめですよ。
アイテム8
『メローラ』50オンス セッテピエゲ シルクネクタイ
『メローラ』は1870年ナポリに創業した、クラシコ・イタリア協会に所属するネクタイとグローブの老舗ブランドです。グローブのほうが有名かもしれませんが、ネクタイは相当ハイレベルです。クラシコ・イタリア協会に所属する企業には、とても厳しい生産基準と品質管理が求められいて、内容は明らかではないのですが、必ず手作業を重んじるモノ作りを採用しているように思います。『メローラ』のネクタイも、裏の縫い目はいかにも手縫い。糸のテンションにバラつきがあるのでやわらかくふわりと下がるのが特徴です。
アイテム9
『ホリデー&ブラウン』モチーフプリントネクタイ
1919年に創業したイギリスの老舗タイブランドです。「サヴィル・ロウのスーツに最も似合うタイ」といわれる所以は、幾何学模様やペイズリーやレジメンタル、フラワーモチーフなど派手な色柄が得意だから。実はイギリス人の胸元は、意外と派手なことで知られています。こちらのネクタイは、英国の伝統とイタリアのシルク産業の知識を融合した逸品。特徴的なモチーフプリントですが、シックな色目なので取り入れやすいはず。
アイテム10
『ブリューワー』レジメンタルタイ
ここまでイギリスやイタリアのブランドばかりを紹介してきましたが、『ブリューワー』は1892年にオーストリアのウィーンで創業されたフランスの老舗ブランドです。フランス感覚のしゃれた色使いが特徴的で、生産はイタリアで行われているのでクラシックなイタリアンスタイルのネクタイですが、色艶を重視するイタリアよりもどこか落ち着いた知的な雰囲気あるタイドアップスタイルを作り出せます。
▼タイプ2:確かな技術とモダンな感性が光る、日本発のネクタイ専業ブランド
日本にも優れたネクタイ専業ブランドがあります。現在では希少な国産シルクのメーカーと協業したり、海外の有名なシルク生地メーカーから生地を買い付けたりと、日本人ならではのセンスを生かした高品質でトレンド感あるネクタイがリリースされています。
アイテム1
『クリケット』オリジナル 日本製 ヘリンボン地柄ネクタイ
1960年に創業した国内ネクタイ専業メーカー。本場イタリアでモノ作りを学び、社名の由来であるクリケットに通じるトラディショナル精神を大切にしています。アイビー、プレッピーといったファッションスタイルを知る世代にはお馴染みの老舗ですが、若々しい感性の色柄も多く、幅広い年齢層に愛されているブラドです。こちらはロングセラーアイテムの100%国産のオリジナルネクタイ。打ち込みのしっかりとした生地を使用し、丁寧な縫製によって仕上げられています。
アイテム2
『フェアファクス』レジメンタルタイ
日本に『ラルフローレン』を持ち込んだことで有名な慶伊道彦氏が代表を務めていたフェアファクス社は、2019年に民事再生法の適用を受け新たなブランドとしてリスタートを切りました。当時の『フェアファクス』のネクタイは、今も市場に出回っていて、東海岸テイストのアメリカントラッドをベースにしたコレクションを展開しています。オーセンティックはレジメンタルタイは、シルク100%でVゾーンに高級感を演出できます。
アイテム3
『フランコスパダ』シルクソリッドタイ
日本のネクタイメーカー永島服飾が手掛けるブランドで、「フランコ」は正義・正統、「スパダ」とは剣の意味を持っていて、タイドアップする男の矜持を表しています。生産は日本の高級絹織物産地である京都の西陣地区や京丹後で行われていて、中間マージンや広告費を使わないため、価格設定は非常にリーズナブルなものです。日本らしく繊細で、正確な縫製など品質面はハイクオリティ。「タイムレスなニュークラシック」をテーマに、流行に左右されない色柄のネクタイがラインアップされています。
アイテム4
『アラン スミシー』三輪タクシー シルクネクタイ
「アラン スミシー」とは、アメリカ映画界で使われていた架空の監督名。製作中に監督が何らかの理由で降板し、ポストが空席になった場合にクレジットされる偽名をいいます。同ブランドでは、映画をモチーフにデザインにアレンジを加えた遊び心あるネクタイを提案。ストライプとモチーフを使ったロイヤルクレストなど、さりげないモチーフ使いが意外としゃれたデザインで人気を集めています。
アイテム5
『アットヴァンヌッチ』セッテピエゲ総柄シルクネクタイ
これを日本ブランドとするのはいかがなものかと思ったのですが、フィレンツェの名店、「タイ・ユア・タイ」のオーナー、フランコミヌッチ氏の片腕といわれた加賀健二氏がイタリアに設立したセブンフォールド社のオリジナルブランドです。フィレンツェの伝統的なハンドメイドネクタイの工房を買い取り、当時のままの製法を後世に残すべく、ヴィンテージ風味のネクタイを作り続けています。スーツ好き、クラシック好きの間では、絶大な支持を得ているネクタイ専業ブランドです。
▼タイプ3:ドレススタイルに一家言あるデザイナーズブランド&セレクトショップオリジナルタイ
クラシックをベースにしたデザイナーズブランドや、ビジネス&ドレスウェアに強いセレクトショップなど、他にもこだわりあるネクタイをリリースしているブランドがあります。最後に一挙にご紹介しましょう。
アイテム1
『ポロ ラルフローレン』ストライプド シルク ナロー クラブ タイ
アメリカントラッドの雄を率いるラルフ・ローレン氏は、『ブルックスブラザーズ』で働いた後に、1967年にアメリカ初のネクタイ専門店を開き、自身のキャリアをネクタイデザイナーとしてスタートさせた経歴を持っています。アイビーやプレッピーをベースにした、使いやすく誰にでも似合う多彩なバリエーションのネクタイが特徴。このストライプタイは、最高級の生地と独自のデザインが魅力で、Vゾーンをおしゃれに演出します。
アイテム2
『ビームスF』ワイドレジメンタルストライプ
セレクトショップとしてスーツやネクタイに特化しているのは『ビームス』の中でも『ビームスF』。同ブランドは、常に時代に合わせたクラシックスタイルを目指しているため、ネクタイのラインアップも時代に合わせて変化。メディアでもお馴染みのクリエイティブディレクター、中村達也氏や西口修平氏のセレクションを通過しているものだけに、インスタなど着こなしの参考にしながら選ぶと良いでしょう。
アイテム3
『ユナイテッドアローズ』レジメンタルタイ
『ユナイテッドアローズ』のネクタイはクラシックなスタイリングにおすすめ。こちらのネクタイは、大剣幅が8cmと太めなので、ワイドラペルのダブルのスーツにも似合いますね。もともと同ブランドのスーツラインは、年齢層もやや高めの大人に似合うよう作られているので30~40代にも似合うものが揃います。若い方ならグリーンレーベル、さらに上の役付きなどエグゼクティブになったらソブリンレーベルから選ぶと良いでしょう。
アイテム4
『シップス』サテンドビードットネクタイ
『シップス』のネクタイは落ち着いた雰囲気のラインアップが充実。鮮やかな色を使っていながらも織り感のあるニュアンスがある素材だったり、ダークなカラーでも柄を使うことでモダンになりすぎないようになっていたり、使いやすいコレクションが揃っています。それというのも、『シップス』のスーツが行政機関や金融機関など、比較的堅実な企業にお勤めの方から支持されているからかもしれません。こちらのネクタイは、シックなワインカラーをベースに小さめのドットがあしらわれた落ち着いた雰囲気の1本。華美になり過ぎない光沢感もポイントです。
アイテム5
『トゥモローランド』シルクモチーフタイ
業界人にもファンが多い『トゥモローランド』は、通好みのセレクトが揃っています。スーツやネクタイも、ビジネスユーザーなら服飾にかなりの造詣がある人でしょうし、おしゃれするためのスーツを選ぶ人も多いはず。同ブランドのスーツは、既製品でも色柄がかなり個性的なものがありますからね。ネクタイもそんな個性溢れる着こなしにふさわしいアイテムが豊作。クラシックなモザイク柄を模した本作は、アズーロ・エ・マローネを志向しつつ、ターコ-イズブルーを使うという大胆なところが魅力です。
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「FINEBOYS」編集部を30歳で独立。以後フリーのファッションエディター&ライターとして「MEN’S EX」「LEON」「GQ」「AERA STYLE MAGAZINE」など各メンズ誌・WEB版のほか、企業広告、オウンドメディアにて執筆。BBQインストラクター、第二種電気工事士など資格多数。目下の目標は危険物取扱者乙種4級取得。