自転車選びの参考に。自転車の種類10種と選び方のヒント
「自転車が欲しい」と思ったらまず知っておくべき自転車の種類と、選び方のコツを伝授。衝動買いする前に知ってほしいことをまとめました。「自転車が欲しい」すべての人へ。自転車の種類と特徴を正確に把握していますか?
1番身近で手軽な乗り物である自転車。自分らしい1台を手に入れたいと思ったら、まず把握しておきたいのが“種類と特徴”です。自転車の歴史は200年ほどと長くはありませんが、その中で多様なジャンルが生まれてきました。ジャンルによってそれぞれ得意分野が異なるので、買った後になって「実はあの自転車のほうが自分の使い方に合っていた……」なんてことも珍しくありません。
買ってから後悔しないためには、まずは知ることが重要。とはいえ、難しいことはありません。本記事では代表的な自転車の種類をご紹介した後に、選び方のポイントをわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
自転車の種類を押さえよう。10種類それぞれの特徴と目安の価格帯
街中でよく見かけるシティサイクルやクロスバイク、海沿いが似合うビーチクルーザーなど、実に多種多様な自転車の種類。その中から主だった10種類をピックアップしてご紹介します。それぞれの特徴や価格帯など、購入に際して気になるポイントをチェックしていきましょう。
種類1
シティサイクル(ママチャリ)
いわゆるママチャリと呼ばれるシティサイクルは、多くの人が乗ったことがあるでしょう。足でまたぎやすく、乗り降りしやすいフレーム形状にカゴ、スタンド、ライトなどを標準装備したものがほとんどで、“実用スペック全部盛り”なのが特徴。言わずもがな自宅と最寄り駅の往復、近くのスーパーへの買い物などに特化した自転車です。安いものは1万円台からあり、値段が上がれば当然装備は豪華になります。坂が多ければ変速ギアが付いているほうが楽だったり、治安が悪いなら防犯性の高いモデルを選んだりと、予算だけでなく乗る環境も含めて選びましょう。
種類2
クロスバイク
よりスポーティで本格的な走りを手軽に楽しみたいのであれば、クロスバイクが候補の筆頭でしょう。舗装路を颯爽と走れる軽快感と多少の悪路なら気にならないタフさを併せ持ち、20km程度~のサイクリングや日常の足として活躍してくれます。自転車業界で名の知れたブランドの本格的なモデルを購入するなら予算は5万円前後から。後述するロードバイクやマウンテンバイクと比較して安価なため「とりあえずクロスバイクから」と選ぶ人も多いですが、予算で妥協して買うと後々後悔する人が多いのも事実。趣味のスポーツとして自転車を始めたいのであれば、専門店でよく相談しましょう。
種類3
マウンテンバイク
野山を駆け回るマウンテンバイクは、他の自転車では走れないような荒れた道でも走破できるのが魅力。その高い走破力を駆使して山道や林道、専用のMTBコースなどを走る非日常の体験をもたらしてくれるスポーツバイクです。路面からのショックを吸収するサスペンションや悪路を安全に走るためのブロックタイヤ、ホイールの中心部分に備え付けられた「ブレーキローター」と呼ばれるパーツを挟み込むディスクブレーキなど、オフロードをメインに考えたパーツ構成で安定感が高くゆったりと乗れるため街乗りでも人気。走るシーンによってジャンルがさらに細分化されます。クロスカントリータイプやトレイルタイプなら街も山もバランス良く走れ、エントリーモデルは6万円程度~。
種類4
ロードバイク
細いタイヤに軽いフレーム、そしてドロップハンドルが特徴的なロードバイク。100kmを超えるロングライドや峠道を制覇するヒルクライムなど、本格的なスポーツとして楽しむ人から街中を颯爽と移動するために乗る人など用途はさまざま。フレーム素材(クロモリ、アルミ、カーボンなど)やパーツのグレードなどは上を見ればキリがありませんが、ロードバイクとして最低限のスペックを求めるなら、予算は10万円前後~。余裕を持っておくと選べる幅が広がります。
種類5
シクロクロス
簡単に言えばオフロードも走れるロードバイク。見た目はロードバイクそっくりですが、マウンテンバイクのようなブロックタイヤを履いており、悪路をものともせずにキビキビとした走りが楽しめます。もともと自転車競技の選手が冬場のトレーニングとして乗っていたもので、近年は日本でも競技が盛り上がりを見せています。普段着でも乗りやすく、街中の荒れた路面でも気を遣うこともないので、ロードバイクより速度は出ませんが移動の足としても便利。競技をしないのであれば、似たジャンルでよりツーリング向けのグラベルロードもおすすめです。こちらも価格は10万円前後から。
種類6
ピストバイク
変速ギアのないシンプルな構造で壊れにくく、安価であることからアメリカのメッセンジャーが乗り出したのをきっかけに、2005年頃からブームに火が点いたピストバイク。競輪で使われる自転車をベースに、思い思いにカスタムを施して乗るスタイルはストリートカルチャーと深い結び付きがあります。ブレーキ未装着の自転車が問題となったこともあり、危ないイメージを持っている人もいるかもしれませんが、現在はもちろんブレーキ装着のうえ、クルーザーのようにゆったり乗れるようなカスタムを施すなど、楽しみ方の幅が広がっています。価格は5万円前後からですが、フレームとパーツを1つずつ選んでショップにオーダーするのも楽しみ方の1つです。
種類7
ミニベロ(小径車)
ミニベロ=小さな自転車という名前の通り、ホイール径がおおよそ24インチ以下の小さな自転車のこと。おしゃれに街乗りを楽しめるシティサイクル系のものからスポーティな走りが楽しめるロードバイク系のものまで幅広いモデルが揃います。700Cサイズなど一般的な自転車と比べて漕ぎ出しが軽く、上り坂に有利な傾向があり、駐輪も省スペースであることなどメリットはたくさん。さらに小柄な人でも自転車を乗る姿が格好良く見えるので、スタイルを気にする人にも実はおすすめなんです。
種類8
折りたたみ自転車
折りたたむと片手で持てるほどコンパクトになる折りたたみ自転車は、車や電車と組み合わせることで真価を発揮。レジャーに訪れた先でサイクリングを楽しんだり、駅から目的地の移動を楽にしてくれたりと、とにかく小回りが利いて使い勝手が抜群です。走り心地の面では小径ホイールを採用するものが多いため、ミニベロと同様に加速や上り坂に有利なものが多い傾向。走行性能を犠牲にして持ち運びだけに特化した個性的なモデルも多く存在しているのも、他のジャンルとは違う面白い点といえるでしょう。
種類9:電動アシスト自転車
電気で漕ぐ力をアシストしてくれる電動アシスト自転車。ほとんどが10万円以上からとシティサイクルとしては初期投資が嵩みますが、子供を前後に乗せたままでも坂道をラクに登れるパワフルさは頼りになるものです。また、近年は欧米を中心に電動アシスト付きのスポーツバイク、eバイクがブームに。写真2のように日本でも電動アシスト自転車には見えない、スマートなモデルが増えてきています。体力に自信のない人でも爽快なサイクリングを楽しめますよ。
種類10
ビーチクルーザー
アメリカの伝統的なクルーザーを背景に、その名の通りビーチへ向かうサーファーが乗ったことで生まれたビーチクルーザーは、その後マウンテンバイクへと派生した、実は自転車の歴史の中でも重要なジャンル。クランクを後ろに回すことで減速するコースターブレーキや幅広のハンドル、座面の大きなサドルにどかっと座るゆったりとした乗車姿勢が特徴で、夕暮れ時に海辺を走るようなシーンがとてもよく似合います。が、もちろん海でなくてもOK。散歩気分で近所を軽く走るだけでも、ビーチクルーザーならサマになります。
種類はわかったけど何が良いかわからない……。自転車を選ぶうえで大切な5つの視点
たくさんあるジャンルの中から、どうやって自分に合った1台を選ぶか。最終的には見た目であることは間違いありませんが、そこに至るまでの考え方を間違えると、自転車選びは大きく失敗しかねません。そこで、心に留めておきたい5つの視点をお伝えします。
視点1
目的を明確に決めること
自転車の目的とは、つまり“自転車で何をしたいのか”ということ。家と最寄り駅の往復だけならシティサイクルやビーチクルーザーが最適ですが、週末に20kmくらいのサイクリングを楽しみたいのであればクロスバイクやミニベロが良いでしょう。100kmくらいのサイクリングを趣味として始めるなら、ロードバイクを買うのが正解です。というように、目的によって自転車の最適なジャンルが異なります。覚えておくべきは、すべてのニーズを叶えられる自転車はないということ。迷ったときは、自分が何を重視するのか優先順位を付けて考えるようにしましょう。
視点2
付いているパーツにも注目
欲しい自転車のジャンルが決まったら、次に予算です。シティバイクを除くスポーツバイクの場合、本格的なものを手に入れたいなら5万円前後(ロードバイクは10万円前後)からと考えておくと良いでしょう。この価格帯では多くの場合、自転車部品メーカーとして世界中から信頼されているSHIMANO(シマノ)の中でも、スポーツバイク向けグレード(ロードバイクであればクラリスやソラ、ティアグラなど)のパーツが採用されており、走りの軽快さや頑丈さ、変速性能などあらゆる面で不足なく、スポーツバイクとして満足のいく買い物ができるはずです。逆に言えば、そうしたパーツがしっかりと使われていることが良い自転車を見分ける1つの視点でもあるので、見た目の格好良さだけでなくパーツにも目を向けましょう。
視点3
信頼できるお店が近くにあるか
特にスポーツバイクの場合、初めて買うのであればまずは近くの専門店に足を運んでみましょう。自転車は単純な乗り物ですが、だからこそ組み立ての技術が走りに影響するもの。買った後のメンテナンスなども含めてしっかり面倒を見てもらえるお店で買うことが、後のサイクリングライフを充実させる鍵となります。ただし、店によって目当てのブランドを扱っていない場合があるので、その点は注意が必要です。
視点4
自分に合ったサイズかどうか
自転車にはサイズというものが存在しますが、洋服のように1サイズ違ってもなんとか着られる、ということはありません。知識なく買ってしまうとせっかくの良い自転車の性能を発揮できないばかりか、全く乗れない、なんていう最悪のケースも! メーカーによって目安は示されていますが、フィッティングには経験が不可欠。その点を踏まえても、専門店で相談するのが最善策です。
視点5
最終的には、見た目です!
それでも、どうしても候補が絞れないということもあると思います。「どれにしよう?」と悩んだら、最後は見た目で選ぶというのが鉄則です。デザインが気に入っているだけで自転車に乗るモチベーションは高まるものですし、より愛着が湧くものです。それに、同じジャンルで同じ価格帯の自転車であれば、エントリーグレードの場合、性能は似ていることも多いのです。
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編集・ライターのアシスタントを経て独立。「ファイン」「LEON.jp」などでカジュアルを中心に手掛けるほか、企業広告、オウンドメディアにて執筆。絡まった糸を解くようなわかりやすい記事作りがモットー。(良い意味で)興味が散漫で影響されやすく散財する日々。
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