知的で柔和。ボストン型メガネは大人のための大本命シェイプだ
メガネの定番シェイプの中でも、今特に脚光を浴びているのがボストン型。大人の余裕を感じさせるマイルドな表情で支持を高めています。その魅力とおすすめ品をご紹介!程良いレトロ感とマイルドさ。ボストン型メガネが今、人気です
メガネで人気のシェイプといえば、かつてはウェリントンタイプが一強でした。しかし、少し前からボストンタイプがじわじわと支持率を高め、今やウェリントンと双璧をなすほどの大定番へと躍進。着こなしにリラクシングなムードが求められる今のファッションスタイルと相性が良く、そのうえコーディネートを選ばずオールマイティに使える汎用性を備えているとあって、愛用者はますます増える一方です。
ボストンタイプのメガネは、ウェリントンタイプよりも丸みを帯びているのが特徴です。これにより、少しレトロでマイルドな印象を醸成。そんな持ち味が、どこか肩の力の抜けた着こなしを楽しむ昨今のトレンドともマッチし、人気を高めているのです。旬ともいえるシェイプゆえにデザイン、カラー、素材のラインアップは実に多彩。さまざまなモデルが揃うので、自分にぴったりのボストン型メガネを探してみてください!
ここで改めて。ボストンってどんなメガネのこと?
改めて解説すると、ボストンとはメガネのシェイプ(=形状)の一種。全体的に丸みを帯びているのが大きなポイントで、角(かど)のない、おむすびをひっくり返したような逆三角形のフォルムをしています。ネーミングの由来は諸説あり、逆さにしたボストンバッグの側面の形が由来となったという説もありますが、1950年代にアメリカのボストンで流行したことが由来であるという説が有力。ボストンにはハーバード大学などがあり、アイビーリーガーたちが愛用したことでアメリカントラッドの定番アイテムとなったようです。
そんな歴史的背景の影響もあってか、どこか知的かつマイルドな雰囲気が滲み出るのがボストン型メガネの最大の魅力。2016年ごろからここ日本でも人気が再燃しはじめ、レトロ感やクラシック感が注目される近年のファッションシーンでさらに支持を伸ばしているというわけです。
知っておきたい、ボストン型メガネの似合う顔型と好相性な着こなしについて
丸みを帯びているのが特徴のボストン型メガネは、ソフトなイメージを演出できるのがポイント。三角顔と相性が良く、輪郭のシャープな印象をマイルドに和らげてくれます。そして、ボストン型メガネは知的な印象やレトロなイメージが醸し出せるのも特徴。そうした特性を意識しながら普段のコーディネートに取り入れるのが得策です。
ジャケットスタイルの知的なニュアンスを強調したり、シンプルな着こなしにレトロなアクセント付けをしたりするのが基本のルール。また、男臭いコーディネートにボストン型メガネを合わせて武骨な印象を緩和したり、ストリートテイストのスタイルに知性を加味したりするテクニックも有効です。
素材別にピックアップ。ボストン型メガネのおすすめ14本
メガネの定番シェイプの1つに数えられるボストン。フレームの種類は豊富で、セルフレームもメタルフレームも選べます。ここでは、それらフレームの素材別におすすめのアイテムをセレクト。さまざまな個性を持つ逸品をご紹介しましょう!
▼レトロ感が際立つ「セルフレーム」のボストン型メガネ
ボストン型メガネが持つレトロなテイストは、セルフレームを選ぶと一層引き立つもの。肌色に映えるブラックのセルフレームは特にクラシックなムードが色濃く漂います。なお、幅のあるセルフレームは存在感が強いので、アイウェア初心者は細めのタイプから試してみるのがおすすめです。
アイテム1
『ユニフォーム エクスペリメント』×『泰八郎謹製』グラス
『泰八郎謹製(タイハチロウキンセイ)』は、クラシックなメガネの人気をけん引してきたブランドの筆頭。セルロイドの光沢感や耐衝撃性を生かしたメガネを得意としています。この1本は『ユニフォーム エクスペリメント』との共同制作で、スタイリッシュな小ぶりのボストンシェイプが特徴的。高い技術が必要とされるノー芯製法により、ソフトな掛け心地も実現しています。
アイテム2
『ソフネット』×『カネコオプティカル』備長炭 グラス
ハイクオリティなアイウェア作りに定評がある『カネコオプティカル(金子眼鏡)』と、洗練された日常着を提案する『ソフネット』とのジョイントワークで生まれたプロダクト。日本人の顔型に馴染むボストンシェイプを採用し、ヨロイ部分のスタッズでレトロなアクセントを加えています。セルフレームに備長炭を練り込むこと消臭効果をプラス!
アイテム3
『ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ』×『オーディエンス』ボストン ブルーライトカット
オプティカルブランド『オーディエンス』と、人気セレクトショップ『ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ』によるコラボ品。かなり細身のセルフレームで、シャープな印象を感じさせるデザインです。紫外線の99%以上、ブルーライトの16%以上をカットするレンズを採用している点も高評価。
アイテム4
『ユナイテッドアローズ』×『カネコオプティカル』オスカー
こちらも『カネコオプティカル』が手掛けた1本。世界的なメガネの名産地である福井県鯖江市の品質をベースにしながら、『ユナイテッドアローズ』の知見を融合させてスタイリッシュな細身のボストン型メガネに仕上げています。レンズ周りのリムと耳に触れるモダンがセル製で、他の部分はメタル製ですが、カラーが統一されているのですっきりとしたモダンな印象です。
アイテム5
『アッド』伊達メガネ ウイルス 紫外線対策
セルフレームでブラックに次ぐ定番なのが、ブラウン基調のべっ甲柄。ボストンシェイプのレトロなムードを際立たせることができます。新しい色柄の眼鏡に挑戦したい場合は、『アッド』をはじめとするリーズナブルな価格帯のブランドから使ってみるのが賢い手段です。
アイテム6
『コモノ』オプティカルメガネ アルテア
『コモノ』はベルギーのアントワープを拠点とするブランドで、日本語の「小物」が名前の由来。腕時計などとともにアイウェアも展開しています。ミニマルな中にレトロフューチャーなテイストを落とし込んだデザインが独特で、このメガネも象徴的。ブラックからライトグレーにつながるグラデーションが美しくて個性的です。
アイテム7
『アージ』ボストンタイプ シンプル 伊達メガネ
ブラックやブラウンよりも控えめで、都会的なイメージも演出できるグレーのセルフレームが特徴的な1本。ベースはオーソドックスなボストン型メガネで、意外と幅広いコーディネートにマッチます。比較的リーズナブルなプライスの伊達メガネなので、アクセサリー感覚で使いたい人におすすめです。
▼知的なムード漂う「メタルフレーム」のボストン型メガネ
インテリジェンスを強く感じさせたいなら、メタルフレームのボストン型メガネがおすすめ。ソリッドなメタルの印象とマイルドなボストンシェイプとのバランスが絶妙で、さりげなく知的に演出することができます。定番カラーはシルバーですが、他の小物類とリンクさせつつゴールドやブラックなども活用してみましょう!
アイテム8
『ユナイテッドアローズ』×『カネコオプティカル』ジェームズ
『カネコオプティカル』と『ユナイテッドアローズ』によるコラボコレクションは、スタイリッシュで実用的なメガネを豊富にラインアップしています。こちらの1本はソリッドなメタルフレームがインテリジェンスを感じさせるデザイン。ミニマルなデザインで、シーンを問わずオン・オフともに活用できる正統派です。
アイテム9
『レイバン』ラウンド メタル
サングラスで人気の『レイバン』ですが、クオリティとデザイン性の両立したオプティカルも多数リリース。これはボストンシェイプのモデル「ラウンド」で、ソリッドなメタルフレームが知性を振りまいています。かなり細身のゴールドフレームが、レトロかつリュクスなニュアンスも演出。
アイテム10
『オリバーピープルズ』メガネフレーム MP-2
LA発のアイウェアブランド『オリバーピープルズ』は、アメリカンヴィンテージスタイルをベースにしたスタイリッシュで芸術的なデザインで人気を博しています。ボストンシェイプも得意としていて、このモデルも秀逸。メタルをベースにしつつ部分使いしたセルがレトロなアクセントとして効いています。幅広いシーンにマッチする汎用性も魅力。
アイテム11
『サンローラン』ボストンメガネ SL125
レトロなのにモダンで独創的な印象も与えるデザインはさすが『サンローラン』。メタルフレームをメインに使いつつセルも併用したコンビネーションで、個性と洗練が同居した仕上がりになっています。ブリッジとテンプルには彫金加工を施し、クラシックなムードとラグジュアリーなイメージを上乗せ!
アイテム12
『プラダ』ボストン メガネ
ボストンはヨーロッパで「パントゥ」や「パントス」などとも呼ばれていますが、このメガネはまさにイタリア生まれのパントスシェイプ。フロントだけはべっ甲柄で、サイドのテンプルはメタルというコントラストが洒脱です。また、側面にはブランドのロゴが鎮座してその存在感を主張。素材は軽くて丈夫なチタニウムがメインとなっています。なお、こちらは東洋人の顔立ちにフィットする日本製のアジアンモデル。
アイテム13
『チャオパニック』メタルフレームラウンドグラス
知的なイメージを振りまく細身のメタルフレームを採用。シチュエーションを問わず使えるシンプルなデザインですが、溝状のデコレーションでちょっとした個性をプラスしています。比較的リーズナブルな価格なので、メタルフレームのボストン型メガネをとりあえず試してみたい人にもおすすめ。
アイテム14
『ゾフ』ナイト アンド デイ フォールディングモデル ボストン型
2WAYで使用できるユーティリティなアイウェア。偏光レンズ付きのカバーを装着することで、ボストンシェイプのメガネがサングラスに早変わりする仕掛けです。外したカバーは半分に折ることができ、専用のミニ巾着に入れてコンパクトに持ち運ぶことが可能。もしもメガネかサングラスかで迷ったら、こんなどちらでも使える逸品を選びましょう!
おしゃれ上手を参考に。ボストンメガネのグッドな着こなしサンプル
最後に、ボストンタイプのメガネを使ったコーディネートの好例をご紹介します。いつもの着こなしにボストン型メガネのプラスし、大人っぽさ・知性・レトロ感を巧みに演出したお手本をピックアップ。着こなしのポイントについて解説します。
コーデ1
シンプルな装いの大人っぽいアクセントとしてメガネを活用
白いシャツにオリーブのイージーパンツを合わせたシンプルなコーディネートがベース。ブラウンのメタルフレームを使ったボストン型のメガネを合わせ、大人っぽいアクセントとして効かせています。メガネだけでなく、ニットキャップやレザーサンダルなどの小物類にもこだわりが感じられ、さりげなくおしゃれなムード漂う着こなしです。
コーデ2
人気のセットアップスタイルをアイウェアで差別化したお手本
カジュアルなセットアップスタイルは人気が高いからこそ、他の人とカブらないように小物で差別化するのがおすすめ。さりげなく知性やレトロ感が加味できるボストン型メガネはうってつけです。この着こなしでは、シャープなメタルフレームをセレクト。インナーのシャツとともに知的なムードを高めています。
コーデ3
Tシャツがメインのコーディネートを着こなしで格上げ
ボストンシェイプのメガネは、Tシャツがベースのカジュアルなコーディネートにもマッチします。このお手本では、Tシャツにニットベストを重ねること大人な落ち着きをプラス。メタルフレームのメガネで知性的な印象も上乗せしています。白いTシャツ以外をダークトーンで統一し、クールにまとめているのもおしゃれ。
コーデ4
ストリートMIXでハズしたコーデをメガネの投入によって大人顔に
デニム製のセットアップを軸にしたコーディネート。ベースボールキャップと「スーパースター」を投入し、さりげなくストリートテイストを盛り込んだバランスが絶妙です。全体が子供っぽい印象に偏らないよう、インナーのモックネックとボストンメガネで適度に品の良さを添えているのがお見事。
コーデ5
ボストン型メガネの魅力を最大限に生かしたスーツスタイル
ボストン型メガネは知性的なムードを備えているので、スーツスタイルとも好相性。ナチュラルに馴染んでくれます。このお手本では、ビジネススーツの統一感を生かすため、メガネまでブラウン系で統一。こなれたコーディネートにまとめ上げています。
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60以上のメディアで執筆。「着こなし工学」提唱者
平 格彦
出版社を経て独立。「Men’s JOKER」と「RUDO」は創刊から休刊までほぼ毎号で執筆。さらに「MEN’S CLUB」「GQ」「GOETHE」など、60以上のメディアに関わってきた。横断的、俯瞰的に着こなしを分析するのが得意。そんな視点を活かし、「着こなし工学」としての体系化を試みている。