人気スタイリスト3名が本気で考えた。今、大人が着るならこんなセットアップが良い

オンでもオフでも使えて……なんていう話はもはや“耳タコ”でしょうが、やっぱりシーン不問で大活躍の万能選手であるセットアップは我々にとって心強い存在。インナーとシューズさえ決めればおしゃれにまとまるので、もはや活用しない理由が見当たりません。ただ、セットアップが一大トレンドとなっている現在、いざ選ぼうと思っても、その選択肢は極めて膨大！ 多くのショップやブランドからリリースが相次いでおり、どういったモデルを選ぶべきかわからない……という人も少なくないでしょう。となれば、餅は餅屋。ファッションのプロであるスタイリストに聞いてみるのが問題解決への1番の近道。彼らの意見をもとに、自らにマッチする1着を探し出すのが賢い方法といえるでしょう。

悩めるセットアップ難民を救済すべく、今回招聘したのが人気・実力ともに申し分ない3名のスタイリスト。それぞれが確かな審美眼で“選んで間違いなし”のセットアップを1着ずつピックアップし、選定ポイントを解説してくれました。また、チョイスしたアイテムを使って、旬度の高いサンプルコーディネートも提案。何を選び、それをどのように着こなせば良いかが一目瞭然なので、ぜひ参考にしてみてください！

開口一番、「この時期にセットアップを着るなら、風でなびくような薄手の生地感が良いですね」と菊池さん。春らしい涼やかさを描き出すうえでも、今どきなリラックスムードを演出するうえでも生地感は特に重要だと説きます。「シルエットでいうと、少しゆるめが気分。素材も形も、ちょっと脱力感があった方が今らしいですよね。そのうえで、撥水やストレッチといった機能面もカバーしていれば普段使いとして理想的なんじゃないでしょうか」。

「例えば、このセットアップはかなり理想に近い感じです。超軽量の薄手ナイロン製なので見た目＆着心地とも涼感たっぷりですし、程良くゆとりを持たせたボクシーなフォルムで窮屈に見えないのも良い。さらに、くつろぎを感じさせるデザインでありながら、ビジネス使いしても違和感のない仕上がりですよね」。菊池さんが太鼓判を押す1着は、撥水＆ストレッチをフォローするなど、アウトドア服に負けないほどの機能性を備えているのも強み。襟留め用タブやジップポケットといった、自転車シーンを想定した“かゆいところに手が届く”ディテールを装備しています。

「大人っぽくセットアップを着こなすだけなら簡単ですが、春らしい軽快さを同時に出すのは案外難しい。けど、この1着ならその両方に訴求できるんですよ。セットアップならではの“きちんと感”がありながら、シャリシャリとしたナイロン生地が風をはらんで装いを軽やかに演出してくれます」。開襟シャツやボタニカル柄スニーカーを合わせてほのかにリゾート感を落とし込めば、より今どきな佇まいに。

軽快な要素をふんだんに盛り込みながらも、あくまでも仕上がりはスマート。そのカギとなるのは色使いだと菊池さんは語ります。「シックなモノトーンコーデに徹すれば、多少ラフなアイテムを使っても大人っぽさをキープできます。それだけでなく、色数を抑えることでナイロンのシャリッとした風合いが際立つ効果もあるんですよね。インナーで白を挿せば、重たく見える心配もありません」。

「春は気温的にも、最もセットアップが楽しみやすい季節」と語る田村さんの掲げるキーワードは、ずばりベージュ。「季節的にクリーンで柔らかな色が気になります。なかでもベージュは汎用性に優れているので、最優先で押さえて良いと思いますね」。加えて、その持ち味を最大限に生かすためには、仕立てにも目を配るべきだと続けます。「柔和で春らしいその色味を引き立たせるなら、できるだけ仕立ては軽いほうが良い。裏地のない1枚仕立てだったり、薄くしなやかな生地感だったり……シャツ感覚のサラッとしたモデルを選ぶのがベターですね」。

やさしげなベージュカラーと、その持ち味を加速する軽やかな仕立て。田村さんが求めるそれらの要素を満たすのがこちらの1着です。「極薄ナイロンタフタによる1枚仕立てで、本当にシャツのようにライトな着用感。それなのに、裏地に薄くコーティング加工が施してあるので、きちんとハリ・コシはあるんですよね。縫い線に隠れるようにジャケットの脇ポケットをあしらうことで、すっきりと見せているのも心にくい。おまけにこれ、内ポケットの中に自己収納できるパッカブル仕様なんですよ」。仕事に、遊びに、旅行にと、どこにでも携行できる逸品は、良きライフスタイルパートナーとなってくれること請け合いです。

今や定番となっているセットアップ×パーカーによるスポーツMIX。それでいてどこか新鮮な雰囲気を放つのは、春を感じさせる淡い色合いでコーデメイクしているから。「セットアップがベージュであることを考慮して、パーカーも淡いカラーをセレクト。春らしさと統一感を打ち出しました。そして足元には清々しい白スニーカーを持ってきて、清潔感を底上げしています。シュッとした脚線のテーパードパンツには、コンパクトなローテクスニーカーが1番しっくりきますね」。

「セットアップの素材が機能的な撥水ナイロンというのも、スポーツMIXを表現するうえでは好都合。アクティブな印象のパーカーともスムーズに馴染んでくれますし、レイヤードするだけで素材感にメリハリを出すことができます」と理論的に解説してくれた田村さん。王道的な着こなしも、素材感や色合い次第で今っぽさを生み出せるという好例です。

ビジネス使いを念頭に置いておすすめのセットアップを提案してくれたのは、紅一点の川田さん。「見た目はきちっと、着心地は楽に、っていうのがここ数年のトレンドですよね。となると、気になるのはジャージー素材。仕立てがちゃんとしたものなら仕事着として問題ないですし、普通のスーツ生地と比較して快適さが段違いです。それに、程良い抜け感があってビズスタイルをあか抜けた印象に見せられるという利点もあります。休日使いもしやすい素材ですから、押さえておかない手はないですよ」。

そんな川田さんのイチ押しがこのモデル。国内に1台しかない編み機で丁寧に編み立てた、度詰めのジャージー生地が採用されています。「表側がほんのり微ツヤのナイロン、肌に当たる裏面がソフトタッチなコットンになった編み地で、これなら上品さも楽さも両得できます。スラリと細めのシルエットですが、よく伸びるので着ていて窮屈さはまったく感じません。そのうえ、ベルトレス対応のウエストスピンドルや肩の可動域を高めるバックダーツを筆頭に、各所のディテールでも動きやすさに配慮。全体的に見てとても完成度が高いと思います」。

ノータイでの出勤も当たり前となっているクールビズ時代。ですが、ややカジュアルなジャージーセットアップを仕事使いするならば、ある程度Vゾーンはきっちりさせておくのがベターでしょう。「個人的なおすすめは、ニュアンスのあるニットタイを持ってくること。これなら堅苦しく見えないですし、ジャージー素材特有の柔らかな素材感とも好相性を発揮してくれますよ」。

「あとは、全体をブルー系のワントーンでまとめれば、それだけで装いの精悍さが一段とアップします。誰でも取り入れられる手法なので、ぜひ実践してほしいですね」と川田さんは続けてアドバイス。そうしたちょっとした気配りで十分サマになるとなれば、ジャージーセットアップをビジネス使いしないのは損というもの。その心地良さを味方につければ、仕事もこれまで以上に捗るかもしれません。

この春夏らしいセットアップを選定するうえで、スタイリスト3名全員が重要視していたのが、軽快さや心地良さといったリラックス要素。それを踏まえた結果、今回辿り着いたのが『エイチアイピー バイ ソリード』の新作セットアップでした。同ブランドは“コンテンポラリーワークウェア”を指針に、ビジネス・プライベートの境目が曖昧な現代生活に馴染む機能服を提案。仕事着としての品格をカバーしながら、日常着としての快適さにもアプローチをかけており、あらゆるオケージョンと高い親和性を見せてくれます。

大人のワードローブとしてふさわしい上質なデザインは担保しながら、機能性も巧妙に落とし込まれた『エイチアイピー バイ ソリード』のセットアップ。軽量・撥水・ストレッチといった多機能を網羅するパフォーマンス生地を使用していたり、ジップポケットを仕様し収納性を高めていたりと、その気配りは多岐にわたります。また、セットインスリーブとラグランスリーブの長所を融合したスプリットラグランスリーブに代表される、縫製の妙技も見逃せない要素といえるでしょう。

シーンを横断できる万能プレイヤーであると同時に、トレンド的な観点から見ても大人必携のアイテムといえるセットアップ。仕事＆休日の両方で使えるというだけでなく、今っぽいリラックス感も欲張りたいのなら、人気スタイリストにも支持される『エイチアイピー バイ ソリード』の新作は確実な一手となるでしょう。スマートに装いながらも、気持ち良く。デザインから素材、ディテールまで妥協なく注力された1着は、オンでもオフでも手放せない存在となってくれること請け合いです。

▼着用アイテム（スタイリスト菊池さん分）ジャケット52,800円、セットアップパンツ26,400円、Tシャツ12,100円／すべてエイチアイピー バイ ソリード（タトラスインターナショナル TEL:03-5708-5188）、シャツ27,500円／アンデコレイテッド（アンデコレイテッド TEL:03-3794-4037）、スニーカー9,350円／ヴァンズ ヴォルト（ブルーウッド バイ ハンドイントゥリー TEL:03-3796-0996）、ブレスレット15,400円／サンク（ハンドイントゥリーショールーム TEL:03-3796-0996）、その他スタイリスト私物▼着用アイテム（スタイリスト田村さん分）ジャケット55,000円、セットアップパンツ28,600円／エイチアイピー バイ ソリード（タトラスインターナショナル TEL:03-5708-5188）、その他スタイリスト私物▼着用アイテム（スタイリスト川田さん分）ジャケット52,800円、セットアップパンツ27,500円／エイチアイピー バイ ソリード（タトラスインターナショナル TEL:03-5708-5188）、その他スタイリスト私物--------------------------------------※掲載の金額はすべて税込価格です--------------------------------------Photo_Yasuyuki SuzukiStyling_Yonosuke Kikuchi, Kazuyuki Tamura, Mariko KawadaHair&Make_Ryohei KatsumaModel_ShogoText_Satoshi Yamasaki