クリームフェイスか、ネイビーフェイスか。この春買い足す腕時計は?
腕時計を買うとき、悩むのが文字盤のカラーですよね。この春挑戦したい文字盤カラーはズバリ、ネイビーとクリーム。それぞれの色の魅力とおすすめモデルをピックアップ。春だからこそ、腕時計もカラーフェイスで差をつけたい
重いアウターを脱ぎ去って、軽快な装いが楽しめる春がやってきます。薄着になる分、ポイントになってくるのが小物のカラー。とくにスニーカーやバッグなどは簡単に着こなしに変化をつけられるとあって、すでに目をつけている人もいるのではないでしょうか。ですが、ここでおすすめしたいのがカラーフェイスの腕時計。ウェアや他の小物ほど主張が強くなく、まくった袖にさりげなく顔をのぞかせるさまは、大人のコーディネートのアクセントにも最適です。
数あるカラーフェイスの中でも、この春おすすめしたいのがネイビーとクリームの2色。ネイビーはここ数年定番化していますが、勢いが衰える気配はありません。しっかり個性を出しつつ、どんなコーデにも合わせやすいのが人気の理由です。そしてニューカマーがクリーム。古着人気をバックボーンに、アンティークテイストの温かみある色みが、今注目されているんです。あまり主張しすぎないため、ネイビー同様汎用性が高いのも魅力ですね。以下では、それぞれの色の特性とその特性を最大限に生かす腕時計の選び方にフォーカス。与える印象が大きく異なる2色の腕時計から、自分のスタイリングに見合った1本を見つけましょう。
スーツからオフのカジュアルまで、高い汎用性を持つネイビーフェイス
ネイビーは、相性の悪い色を探すのが難しいほど使い勝手の良いカラー。ブラックやブラウンなどのダークカラーと合わせればシックな印象になるし、反対にホワイトやライトブルーなど、明色に合わせれば爽やかな印象になります。そんなネイビーは、腕時計でカラーアクセントに使いたい場合もさまざまなシーンで役に立つんです。ダークトーンが多いスーツスタイルに合わせれば深みのある色によって品行方正なイメージを演出できますし、カジュアルスタイルでもクリーンな挿し色として効果抜群。使いまわしを考えるなら、1本は持っておきたい文字盤カラーです。
選定のポイント
新年度に選びたいのは、端正さを引き立たせるメタルブレス
洗練さが魅力のネイビーフェイスウォッチ。そこに春らしくよりアクティブなテイストを呼び込みたいなら、メタルブレスの1本を選ぶのがいいでしょう。深みがあるだけに重い印象になりがちなネイビーフェイスの腕時計でも、シルバーのステンレススチールがもたらすスポーティさがコーデに軽快さを呼び込んでくれます。秋冬にはブラウンのレザーベルトでシックに……というのもオツですが、春の着こなしにおいてはメタルブレスが最適です。
アイテム1
『ワイアード』
『セイコー』が放つファッショナブルブランドが『ワイアード』。東京発のカルチャームーブメントを世界に発信しています。こちらは太陽をコンセプトにしたアポロというモデル。力強いインデックスや針、そしてシルバーサークルが圧倒的な存在感を示しつつも、ネイビーカラーで上品に中和し汎用性を高めています。おかげでどんなスタイルにもマッチしますね。電池要らずのソーラーウォッチで、デイト表示も装備し、高い機能性もポイントです。
アイテム2
『クロス』
『クロス』はアメリカの筆記具メーカー。腕時計ラインも文具と同じく洗練された佇まいが魅力です。その中でもこの「カンブリア」は、スケルトンの回転ディスク式日付表示がユニークな逸品。ネイビーフェイスと太幅のバーインデックスのコントラストが都会的な印象を創出します。大人の余裕を感じさせる遊び心も散りばめた、オン・オフで使えるモデルです。
アイテム3
『タグ・ホイヤー』
スイスの名門ブランド『タグ・ホイヤー』の中でも比較的手に届きやすいモデルが「アクアレーサー」。タフさが際立つダイバーズモデルなのに、スタイリッシュで街映えするのはネイビーフェイスの清涼感があるからこそ。光を当てると文字盤が放射状に反射するサンレイ加工も美しいルックスに一役買っています。海中で使う潜水腕時計だけに、時刻の見やすさも特筆モノ。ダイバーズウォッチならではの防水性能300mは日常使いでも安心ですね。
アイテム4
『ティソ』
スイス発の世界的メジャーブランド『ティソ』からは、ヴィンテージのレーシングカーからインスパイアされたモデルを紹介します。ダイヤルはマシンのダッシュボードをイメージしており、非常にスポーティ。ダークネイビーの文字盤がコーデの挿し色になりアクティブなカジュアルスタイルにマッチすること間違いなしです。また、ブレスレットに鏡面仕上げのコマを挟み込み、エレガントさをプラスしているためビズシーンでも活躍してくれます。
アイテム5
『シチズン』
見た目も機能もスゴイ『シチズン』の「アテッサ」。シンプルかつ端正な顔立ちで、スーツスタイルに合わせれば好感度抜群。かなり深いネイビーで浮ついた印象もなく、フォーマルにも十分対応できます。また、ケースやブレスレットのエッジが立っておりシャープな印象なので、カジュアルシーンでもアクセントとなってくれるでしょう。もちろんスペックも折り紙付き。ステンレスの5倍の硬度を持ちながら、重さは約1/2というスーパーチタニウムを採用し、タフさと使い勝手を両立しているんです。
柔和な面持ちがカジュアルにハマる、クリームフェイスウォッチ
腕時計の文字盤色の中で、明色系のド定番といえばホワイトですが、カジュアルスタイルに合わせるならば、温かみのあるクリームフェイスが今っぽくなります。たとえば、ジーンズをメインにしたアメカジには、明瞭なホワイトフェイスよりもクリームフェイスを合わせた方が風合いが生まれ、こなれた印象になります。また、きれいめコーデなら、程良く深みのあるクリームフェイスのクラシカルな表情が、知的な雰囲気を加えてくれます。主張しすぎず、でもしっかりポイントになってくれる文字盤が「クリームフェイス」なのです。
選定のポイント
おすすめするのは、レトロテイスト
古着トレンドを受け、オニオンリューズや味わい深いレザーストラップなど、アンティークなディテールを備えたクリームフェイスウォッチが近年ますます増えています。良き時代の腕時計を再現し、味わい深い風合いを持つルックスは、トレンド的にまさに旬。コーデに鮮度の高さを取り入れるなら、レトロテイストのクリームフェイスは外せません。アンティークと聞くと、アクが強く初心者には使いづらいイメージもありますが、腕時計ほどの面積ならば悪目立ちの心配は無用です。ネイビーのように定番化する前に、手にしてみては。
アイテム1
『ユンカース』
ドイツの航空エンジンメーカーの名を冠する『ユンカース』。バウハウスの伝統を受け継ぐミニマルなデザインは、オン・オフでも使いまわせる汎用性が魅力です。クリーミィな文字盤カラーはレトロなムードで、シンプル薄型腕時計ブームの中でも、個性が際立ちます。レトロ感あふれるドーム型風防や特徴的な細長いインデックスは、装いのさりげないアクセントとして効果的。実用的なデイト表示機能付きというのもうれしいポイントです。
アイテム2
『トリワ』
人気北欧ブランド『トリワ』から、1950年代のパイロットウォッチをイメージしたモデルが登場。メカニカルなクロノグラフをアイボリーフェイスのやさしげな色みで、スタイリッシュに昇華しています。そして、注目したいのがそのサイズ。クロノグラフにも関わらず38mm径とかなり小振りで、コーディネートの邪魔をすることがありません。ポイントで配置されたゴールドも絶妙で、普段の装いを格上げしてくれる1本です。
アイテム3
『ゾンネ』
洗練されたデザインや高いクオリティに定評のある日本ブランド。インデックス部分の特徴的なワールドタイム機能は、男のロマンをかき立てられるギミックです。都市名表示や2カウンターなど、文字盤の要素は多いものの、クリームカラーで主張が抑えられ、悪目立ちすることなくコーデになじんでくれます。型押しのレザーベルトも品があり、ビズシーンでも活躍しそうです。
アイテム4
『アニエスベー』
フレンチブランドの筆頭格『アニエスベー』。洗練されたシンプルモダンが信条の同ブランドもクリームカラーをまとうと、よりこなれた印象に一変します。とくにアナログ感ある手書きインデックスとクリームカラーとの相性は抜群で、ウォーミーな雰囲気が春らしさ満点です。インカウンターをブラックで締め、よりアーバンなテイストを獲得しているのも見逃せません。
アイテム5
『ツェッペリン』
ドイツで誕生した『ツェッペリン』。往年のパイロットウォッチを意識したレトロなモデルを多数リリースしています。今作ロサンゼルスもドーム型の風防やインデックスフォントなど、アンティークのディテールをふんだんに採用、風合い豊かなモデルに仕上げています。コーデに味出しするのにはもってこいですね。機能面でも、脈拍を測るパルスメーターやGMTを備えた本格派です。
海外での取材経験も多数。時計専門ライター
夏目 文寛
出版社勤務時にはファッション誌、モノ情報誌の編集を15年にわたって従事。各雑誌で編集長を歴任し、2017年よりフリーのleather bagに。男の嗜好品に詳しく、特に腕時計は機械式の本場スイスをはじめとするヨーロッパに何度も取材に行くほど情熱を傾けている。興味のない人にもわかりやすく!がモットー。
KEYWORD関連キーワード
腕時計