4つのシーンで分類。スントで探すプロフェッショナルウォッチ
質実剛健なアウトドアウォッチとして名高い『スント』。その道のプロフェッショナルも愛用するスペックに、世の男性は魅了される。シーン毎のおすすめラインアップを公開。機能もデザインも高水準。『スント』が大人を魅了する理由とは
1936年にフィンランドで誕生した『スント』。元はオリエンテーリング用の溶液充填式コンパスに、その出自を持つブランドである。その後マリンスポーツ向けのダイビングコンパスやダイブコンピューターでそのシェアを拡大していき、1997年に世界初となる腕時計サイズのダイブコンピューターを発表。これにウォッチ機能が搭載されていたことが、翌年発表した名作「ベクター」製作へのきっかけとなっている。今ではアウトドアはもちろん、日常でも使用できるデジタルウォッチの定番ポジションを確立している『スント』。すっかり街でもお馴染みになったが、設立当初からの“自然の中で使用者をナビゲートする”というスピリットは脈々と受け継がれている。
アウトドアウォッチというよりも“ウォッチ型アウトドアデバイス”という表現がしっくりくる『スント』の腕時計の数々。当然シリアスなアウトドアで活躍する機能に長けているのだが、必要とされるスペックや環境によってモデルを区分けしているのが特徴だ。そのため、自分が腕時計に何を求めるかによってふさわしい1本は異なってくる。また、北欧由来のスマートなルックスにも注目したい。タフな機能性を誇りながらもモダンなデザインを施しているため、ファッションとの親和性が高いのも魅力だ。着用シーンと服装の両軸で選べる点も、大人が楽しめる所以だろう。
活躍シーン別にチェック。『スント』の人気モデル14選
『スント』の優れたパフォーマンスを存分に味わうのであれば、イメージされる着用シーンから選ぶのが最善。ここでは「山」「海」「スポーツ」「街」といった4つの切り口で、おすすめしたいラインアップに触れていこう。
▼シーン1:山で本格的なアウトドアシーンを楽しみたいなら
山におけるアウトドアシーンは『スント』が最も得意とするジャンル。水平に保たずとも計測を可能にした傾斜補正機能付きの3Dコンパスをはじめ、動きの有無を感知する自動切り替え式の高度計&気圧計など最先端の機能を有したモデルが豊富に揃う。また、GPS機能を持つモデルにいたっては山岳地域において必要なスペックをより高水準で実現。衛星を利用した現在地の把握や地図機能など、シリアスクライマーやプロのトレイルランナーにも強い信頼を得る腕時計として認知されている。日常生活ではオーバースペックではあるが、本格的なアウトドアシーンでの使用性は最高峰だ。
山でおすすめ1
スパルタン ウルトラ ステルス チタニウム
約80種類以上のスポーツモードを内蔵し、さまざまなアスリートに向けたサポートを追求したタッチスクリーン式腕時計のスパルタンシリーズ。その中でもハイランクモデルとして誕生したのがこの「スパルタン ウルトラ」だ。GPS機能を備え、3DコンパスとFusedAltiによる気圧高度を元にしたコースガイド機能を搭載。防水性能は納得の100m防水を実現しており、グレード5のチタンを使用することで高い耐傷性、耐腐食性も獲得している。
山でおすすめ2
アンビット3 ピーク
あらゆるスポーツシーンの需要を叶える「アンビット3」シリーズにおいて、登山や長距離レースへの機能を充実させた1本が「アンビット3 ピーク」だ。同モデルは、圧倒的なGPS精度により正確な高度をつぶさに表示が可能。気圧の変化から天候を予測し、避難の必要がある天候へと変化する場合はストームアラームにより注意喚起をも行ってくれる。もちろん、他の『スント』製品同様にアプリとの連携を行うことでトレーニングデータの記録管理、および傾向のチェックも可能だ。トレイルランニングやヒルクライムといったシーンの頼れる相棒になってくれることだろう。
山でおすすめ3
コア アルティメット
『スント』を代表する人気モデル「コア」。特にオールブラックのモデルは、そのスタイリッシュなルックスからファッションアイテムとしても認知されている。実はこの「コア」、機能としては山での使用を考えて作られたトレイルウォッチに該当。先述の2本ほどのパフォーマンスはないものの、高度計や気圧計、コンパス、天気予想機能という基本性能はしっかりと押さえている。山を中心としたレジャーやアクティビティに適した1本となっているのだ。
▼シーン2:山だけじゃない、マリンスポーツでも活躍
優れた機能性やプロフェッショナルからの信頼で“山”仕様のイメージが強い同ブランド。だが、先述のとおり出自であるマリンコンパスのノウハウを元としたマリンシーンでのハイパフォーマンスウォッチにも、魅力的なモデルが集結している。シュノーケリングやダイビングに適した水深を測る深度メーターや、スイミングにおけるデータ計測、日の出・日の入り時刻の案内などマリンスポーツでの役立つ機能を擁する腕時計もバリエーション豊富。開発段階から何度も繰り返される製品テストにより高い防水性能も誇っているため、普段使いにおいてはもちろん申し分ない信頼性がある。
海でおすすめ1
スパルタン スポーツ リストHR
スパルタンシリーズのなかでも多機能マルチスポーツモデルに位置している「スパルタン スポーツ」。100m防水性能を誇るこのモデルは手首で心拍計測も行える光学式心拍計を内蔵しているため、スイミングにおけるトレーニング分析も可能にしている。腕時計本体に保存されたデータはBluetoothもしくはUSBケーブルでPCやスマホの専用アプリに同期させることができ、その動向を追うことも。また、カラータッチスクリーンシステムを採用しているため、視認性と操作性が高い点も魅力だ。
海でおすすめ2
スントD5
『スント』には何かとストイックなイメージがつきまとうが、もっと仲間とのダイビングが楽しくなるこんな1本もリリースされている。100m防水を備えたこちらの「スントD5」は、Bluetooth接続でダイブログをアプリで管理できるだけでなく、写真を追加したり、仲間内でシェアもできるようになっている。また、暗い水中でも、従来の白黒表示と異なるフルカラーの文字盤は非常に視認しやすい。さらに旅先でも簡単に充電ができるUSB充電対応であることに加え、ストラップもワンタッチで変更可能。ボタン数も3つに減っており、直感的な操作もしやすくなった。ダイビング玄人も初心者も手に取りやすい、まさにいいとこ取りの1本だ。
海でおすすめ3
トラバース アルファ
潜水というよりは、フィッシングなどにもってこいなのがこちらのミルスペックGPSウォッチ「トラバース アルファ」。気圧グラフを参考に天候の変化を追跡でき、位置情報に基づいた月齢カレンダー機能では月の満ち欠けや月の出・月の入り時刻を目安にして釣りに最適な時間帯を特定することも可能だ。また、アメリカ国防総省の環境耐性規格で振動や衝撃、落下、氷結、雨滴、湿度を含む19項目のテストに合格した高レベルのタフネス性を持つ。男心にグッとくる、ミリタリーライクなデザインも魅力的な1本。
▼シーン3:ランニング、サイクリングなどで気軽に取り入れたいなら
山岳や深海など過酷な自然環境に身を置くだけがアウトドアではない。身のまわりの環境で体を動かす、たとえばランニングやサイクリングといったスポーツシーンにおいても『スント』はサポートしてくれる。GPSと加速度センサーによる独自の速度読み取り技術FusedSpeedやトレーニングの効果測定をよりわかりやすく反映するピークトレーニング効果、心拍センサーを用いた運動後の回復時間の計測など、日常的な運動から自分の能力値を高めるためのトレーニングまで幅広いケースに合わせることが可能だ。
スポーツにおすすめ1
スパルタン トレーナー リスト HR
タッチスクリーン式のスパルタンシリーズ内で、ライフスタイルとトレーニングを楽しむことを考えて作られた「スパルタン トレーナー」。こちらのモデルは手首で心拍数を計測できるタイプで、日々の歩数やカロリー消費なども一緒に図ることができる。また、高いスペックに似合わず約66gという軽量さとコンパクトなサイズにより、ランニングやサイクリングなど手元の重量感や存在感が気になるアクティビティに有効な腕時計となっている。GPS、Bluetoothにも、もちろん対応。
スポーツにおすすめ2
スント3 フィットネス
2018年4月に発売された新作「3 フィットネス」は、より効果的な日常のフィットネスやエクササイズ、トレーニングを実現するウェアラブルウォッチ。アメリカValencell社製の心拍測定機能や、計測した心拍数に基づいてフィットネスレベルを判定するフィットネスインジケーターなどを内蔵している。『スント』がこれまで蓄積してきた経験に基づくデータが詰まったモデルで、取得した数値を元に自動的にトレーニングプランを作成してくれるなど、パーソナルトレーナーのような働きをしてくれる。
スポーツにおすすめ3
アンビット3 ラン
あらゆるスポーツでのサポートを追求するアンビット3シリーズにおいて、名前のとおりランに特化したモデル。ランニング時にGPS信号を受診することで移動の軌跡や速度、距離などを表示するほか、内蔵されたモーションセンサーによりピッチ数なども計測してくれる。また、記録したデータを楽しく閲覧するための3Dアニメーションやポップなカラーバリエーションなどエンターテインメント性にもたけており、これからランニングを始める人にもおすすめしたい1本となっている。
スポーツにおすすめ4
スント5
2019年新作として登場したのが、「スント5」。5万円を切るコスパの高さに加え、比較的小ぶりな46mm径、長時間のバッテリー駆動と『スント』入門機としてもおすすめしたい取り回しの良さを誇る名品だ。もちろん、24時間のアクティビティログや80以上のスポーツモードを搭載するなど、本ブランドならではの高い機能性も有している。
▼シーン4:街中や旅にだって『スント』は使える
『スント』の魅力的な機能性を味わえるのは、何も本格的なアウトドアシーンやトレーニングシーンだけではない。読者諸兄の中には趣味としてアウトドアをしている人もいるだろうが、ほぼ1年を山で過ごすという猛者は少ないだろう。GPSやコンパス、Bluetoothを生かして街使いやトラベルユースにも役に立ってくれるモデルであれば、オン・オフで切り替えることもなくお気に入りの1本として毎日をともにできるはずだ。
街でおすすめ1
カイラッシュ
世界中を旅するデジタルノマドに向けて作られた「カイラッシュ」。特徴的な機能として“7Rロゴブック”が挙げられる。これはボタンを押すだけで旅行のサマリーを表示することができるもので、現在地、訪問した国や都市の数をはじめ、累積の旅行距離と日数、自宅から最も遠距離の都市、1日の平均歩数など数々の“旅”の記録を取ることができる。また、サファイアクリスタルとグレード5の高純度チタンにより、優れた強度とドレススタイルにも合わせられるプレミアムなルックスを実現している。
街でおすすめ2
エッセンシャル
出自であるフィールドコンパスの持つ、シンプルかつミニマルな設計と構造が生む純粋な機能美を腕時計に落とし込んだ「エッセンシャル」。ほかのモデルと異なり、北欧らしいセンスあるデザイン性やプレミアムな素材を追求して、『スント』の有する美しさを世に打ち出した逸品だ。もちろんGPSや高度・気圧計、電子コンパスと行った最低限(とはいえ一般的な腕時計においては高レベル)の機能は押さえているため、アクティブシーンでも安心して使用できる。
街でおすすめ3
ベクター
『スント』のファーストウォッチとしても名高い「ベクター」は、アウトドアウォッチとしてハイキングやスキーなどレジャーに有用な機能を有した基本モデル。機能面では上で出てきた後継モデルのほうが、歴史を重ねることでより高い水準を達成しているのも事実だ。しかしながら、『ベクター」のシンプルなデジタル表記やアクティブなデザインはファッションとの親和性も高く、スタイリングのキーアイテムとして今もなお愛され続けている。
街でおすすめ4
スント9 バロ コパー
もともと「スント9」はア、スリート向けに設計されたブランド史上最長のロングパワーリザーブを実現したスポーツモデル。だが、トレンドのブロンズカラーをベゼルに落とし込んだこんな1本なら、普段使いにも馴染むどころかセンスの良さも主張してくれる。GPSを起動した状態でも120時間駆動するバッテリーはもちろん、トレーニングに便利な各種機能も充実しているので普段から運動をたしなむ大人にこそ是非着用してもらいたい。
アパレル業界から出版社編集を経て、エディター&ライターとして独立。紙・WEBを問わず男性ファッションを中心に執筆中。読者に寄り添えるファッション提案がモットー。