ブレディのバッグはタフで上品。“ならでは”の魅力とおすすめラインアップ
1887年からスタートした『ブレディ』が、長い間支持され続ける理由とは何でしょうか? 同ブランドの人気アイテムとともに、その魅力を読み解きます。『ブレディ』とは? 古くから愛される素材美の魅力
『ブレディ』の歴史は、ヴィクトリア朝時代にあたる1887年のイギリスで、ジョン&アルバート・ブレディ兄弟が革のガンケースを作ったことから始まります。やがて当時のアウトドアシーンで主流だったハンティングとフィッシングに特化したバッグ作りをスタート。武骨な作りながら英国トラッドの正統ともいえるデザインで、今ではアウトドアに限らず、カジュアルやカントリースタイルにも馴染むアイテムとして認知されています。
『ブレディ』でよく語られるのが良質な素材使い。例えば、ベルト部分を筆頭として馬具に使用されるブライドルレザーを採用しています。ワックス分をたっぷりと含み、水に強く耐久性に優れたブライドルレザーは野外で活動するためのバッグにピッタリの素材です。
そしてレザーとコンビで使用されるのは、ドリルドロップと呼ばれるリモンタ社のコットンツイル素材でポリウレタンの膜を挟んだ、オリジナルのボンディング素材。『マッキントッシュ』のレインコートと同様の構造となる英国伝統の防水素材で、その性能の高さに加えてクラシックな質感や上品なツヤも魅力です。また『ブレディ』といえばベージュのカラーが定番ですが、これはもともと釣りの際についた泥汚れが目立たないように配慮されたものといわれています。
生地だけではなく金具類にもしっかりこだわられているのが『ブレディ』です。ポリッシュを施した真鍮は、美しいの一言。メッキと違って経年の使用によって剥げたりすることもなく、次第に落ち着いた色合いへと変化していくのも魅力です。
おすすめをピックアップ。『ブレディ』のバッグ10選
シンプルなデザインが特徴的な『ブレディ』のバッグ。おしゃれな大人メンズなら1つは持っておいて、普段のコーディネートに取り入れたいところです。ここでは、歴史深い『ブレディ』のバッグの中で特におすすめのバッグをご紹介します。自分好みの1品がきっと見つかるはずです。
アイテム1
アリエル トラウト
『ブレディ』の名前を一躍有名にしたのが、こちらの「アリエル トラウト」。ふたつの大振りなフロントポケットをフラップでまとめるスタイルは、その後のフィッシングバッグの原型ともなった名作です。ストラップは他のバッグでありがちなナスカン留めではなく、共地をボディに縫い込むミリタリー仕様になっており、耐久性も上々です。
アイテム2
エイボン
「アリエル トラウト」と並ぶもう1つの定番が、こちらの「エイボン」。丸みを帯びたシルエットにメインコンパートメントのみというシンプルな構成が人気の秘密です。また、バッグの側面ではなく背面に縫い込まれたストラップ位置が秀逸。斜め掛けしたときもカバン本体を背中に回したときも、しっかり体にフィットしてくれます。
アイテム3
WYE
大振りなボックスシルエットで、重たい荷物を入れても安定する幅広のストラップを採用した「WYE」。全面に施されたネットタイプのゲームポケット(釣った魚を入れるポケット)が印象的なデザインですが、粗雑に扱うとボタンがネットに引っかかりがちなため、このバッグとともにエレガントな身のこなしを学びたいところです。
アイテム4
カートリッジバッグ
重厚感とツヤのあるブライドルレザーを全面に用いた「カートリッジバッグ」。もともとショットガンの弾を収納するために作られたもので、水や汚れの浸入を防ぐコンパクトな開口部や開けっ放しにできる独特な構造のフラップが特徴です。内側は手触りの良質なスエードでフルライニングされています。
アイテム5
ギャロウェイ ミニ
注目度が高まりつつある巾着タイプのリュック。ブライドルレザーで作ったドローコードや真鍮製の金具など、上質なパーツを使用することで大人な雰囲気を演出しています。また『ブレディ』独自のボンディング素材のハリ感を楽しめるのもうれしいところです。
アイテム6
ラージキャリーオール
こちらも同じくボンディング素材を使用したビッグサイズのトートバッグ。細めのハンドルで持ち手もやや短めに設定されているため、肩掛けよりも手持ちのほうがすっきりとキマります。ブラック、カーキともにスーツとも合わせやすいため、出張時にも役立ちますよ。
アイテム7
キンロス ミニ
ゲームバッグを現代的に再解釈した「キンロス」のミニバージョン。『ブレディ』伝統の頑強なストラップの仕立てや素材はそのままに、極限までシンプル化が施されています。見た目はコンパクトなもののマチがしっかりと設けられているため、収納力も十分です。
アイテム8
ダーウェン
薄マチのコンパクト仕立てで、タブレットや財布を入れて持ち運ぶのにピッタリなサイズの「ダーウェン」。開口部のスナップボタン以外はすべて革と布で作られたミニマルなデザインのため、旅行時のサブバッグとしてスーツケースに忍ばせるのもおすすめです。
アイテム9
NITONELLA ミニ
ウインドウショッピングや、旅行先で使うならコンパクトなショルダーバッグが何かと便利。ハンティングバッグ由来の太めのショルダーベルトが装着性を向上させると同時に、コーディネートの良いアクセントになっています。
アイテム10
ツイルチェック エイボン ミニ
前述した「エイボン」を、身の回りの貴重品を入れるのにちょうど良いミニサイズに。英国伝統のタータンチェックをファブリックに採用することで、トラッドながら遊び心を感じさせるルックスへとアップデートを果たしています。
アメカジ&アメトラを中心にラギッドな視点で解説
那珂川廣太
バイク専門誌と男性向けライフスタイル誌で編集を約8年務めたのちに独立。ファッションはアメリカンカジュアルからトラッドまで幅広く執筆を行い、特にブーツやレザー、ジーンズ、古着など男臭いアイテムの知識が豊富。また乗り物やインテリア、フードまでライフスタイル全般にわたって「ラギッド」を切り口に執筆する。