コーチのバッグ&リュックが、気取りすぎず大人にちょうどいい
“手の届く高級品”という、絶妙なブランドイメージを武器に躍進を続けている『コーチ』。上質ながらも高すぎない同ブランドのバッグは、30代の大人にぴったりです。クオリティと高い感性が同居。それでいて手の届きやすい『コーチ』
『コーチ』のバッグは、目の肥えたジェントルマンからトレンドに敏感な若人まで世代を超えて愛される稀有な存在。その理由は“アクセシブル・ラグジュアリー(=手の届く高級品)”というブランドコンセプトにあります。つまり、品質をハイレベルに保ちながらも、比較的求めやすいプライスに設定しているということ。さらに、気軽に買えるように多くの主要都市に出店を行なっているのもコンセプトの一環です。この狙いが奏功し、幅広い年代へのアプローチに成功しているのです。
ご存じの方も多いかと思いますが、もともとの『コーチ』は高級路線を徹底追求するブランドでした。しかし、1990年代に入ると若い層の獲得も踏まえた価格設定の見直しを図ります。結果的にこの目論見は大成功。価格を抑えたアイテムを展開することで、これまでのメインターゲットではなかった20代からも人気を集めることになりました。特にバッグはバリエーションの豊富さと高感度なデサインを武器に、爆発的な人気を誇っています。また、奇抜さがなく普段着に合わせやすいという点も『コーチ』のバッグの大きな魅力です。
創業から約80年。『コーチ』の歴史とこだわりを読み解く
『コーチ』が誕生したのは1941年のことで、設立の地はNYのマンハッタン。マイルス氏とリリアン氏のカーン夫妻と6名の職人により、革工房として始まりました。当初は紳士向けの皮革製品を生産していましたが、1962年にデザイナーのボニー・カシン氏が入社すると、レディース製品の展開も開始。なかでも買い物袋から着想した女性用トート「カシン・キャリー」は米国でビッグヒットとなりました。同氏による当時のデザインは“オールド・コーチ”として今も高い人気を誇っています。1985年にはサラ・リー コーポレーションの傘下に入り、ファッション色をさらに強化。1990年代以降、高級志向から幅広い年齢層に向けて舵を切ったのは前述の通りです。
設立から80年近くが経つ『コーチ』は時代に合わせた柔軟なキャンペーン&コレクション展開で世界的な人気を獲得していますが、その一方で創業時から変わらないのが職人気質なモノ作り。たとえばブランド屈指の定番人気コレクション「ブリーカー」で展開されているこちらのリュックを例に見てみましょう。マテリアルには滑らかで丈夫なスポーツカーフと呼ばれる上質レザーを使い、パーツや縫製といった細かな箇所も妥協なく仕上げられています。メゾンブランドさながらのハイクラスな仕立てでありながら価格を抑えるなど、たゆまぬ企業努力には脱帽です。
『コーチ』を代表する“グラブタンレザー”と“シグネチャーキャンバス”
多彩なオリジナル素材でも知られる『コーチ』ですが、特に有名なのが60年以上続く伝統素材“グラブタンレザー”と、ブランドの新たなる時代を象徴する“シグネチャーキャンバス”。『コーチ』を代表する新旧2大素材を、ここで詳しく解説します。
素材1
野球グローブの素材に着目して生まれた、高耐久の“グラブタンレザー”
1958年に登場した『コーチ』のオリジナルレザー。創業者のマイルス・カーン氏が野球観戦をしていた際、「野球のグラブのように丈夫で美しいレザーを作りたい」と考えたことを発端に開発されました。グラブを参考にしているだけあって頑丈さは折り紙付きで、使い込むほどユーザーのカラダに馴染んでいくのもその特徴です。今なお、多くのプロダクトに採用されています。
素材2
新世代『コーチ』の代名詞と言える、キャッチーな“シグネチャー キャンバス”
2000年代に発表された比較的新しいマテリアル。キャンバス地に特殊コーティングを施したハリのある素材で、『コーチ』のブランドイニシャル“C”がモノグラムであしらわれています。日本市場において大ヒットを記録した素材ゆえ、『コーチ』好きならずとも1度はこの柄を目にしたことがあるはずです。それまでほとんど皮革製品が中心だった『コーチ』ですが、シグネチャー キャンバスの登場以降、レザー以外の素材を使ったアイテムも多く発表していくこととなります。
大人好みを厳選。今持ちたい『コーチ』のおすすめバッグとリュック
最後は、今入手できる『コーチ』の現行バッグをタイプ別でレコメンド。どれも質実剛健な作りと洗練されたデザイン性を兼ね備えており、普段の着こなしを格上げしてくれるはずです。
▼上品かつヘビーデューティ。『コーチ』のトートバッグ&ブリーフケースはビジネスの強い味方
まず紹介するのはトートバッグ&ブリーフケースの2種。品良さと頑強さを併せ持っており、カジュアルな場面だけでなくビジネスシーンでも良きパートナーとなってくれます。まずはバッグで“デキる男”を装いましょう。
アイテム1
ゴッサム トート 34
無駄をそぎ落としたシンプルなデザインの中で、美しい曲線が際立つエレガンスなトートバッグ。素材は軽量できめ細かなリファインド カーフレザーと、ふっくらとした肉感が持ち味のサンバロナ レザーをコンビネーションしています。ハンドルは25cmとやや長めに設定されており、手持ち&肩掛けのどちらでも着用が可能です。■DATAW44×H33.4×D13.5cm
アイテム2
メトロポリタン トート
ブランドを代表する人気定番シリーズ「メトロポリタン」から登場の今作。アウトドアバッグでも使われる高強度なコーデュラファブリックをベースとして、各所のパーツには上質なカーフレザーが使用されています。裏地には手触りの心地良いマイクロスエードを使用するなど、細部へのこだわりも秀逸。なお、脱着式ナイロンストラップが付属し、ショルダーバッグとしても使えます。■DATAW45.5×H33.5×D12.5cm
アイテム3
メトロポリタン ソフト トート
柔らかなタッチのシボレザーを使っており、コーデのこなれ感を増幅してくれること確実。しかも、耐久性にも秀でており、ヘビーローテーションを苦にすることもありません。内部には15インチPCに対応した収納スペースを設けているほか、小物用ポケットも装備し仕分けはラクラク。天面にファスナーが付いているため、機密性に関しても◎です。■DATAW44×H30.5×D13.5cm
アイテム4
メトロポリタン スリム ブリーフ
その名の通りのすらりとしたスリムフォルムで、大人のビジネススタイルとスマートにマッチ。端正な風貌とは裏腹に、お得意のグラブタンレザーで仕立てることにより、優れた耐久性も両立しています。薄マチな作りですが、ラップトップ用スペースがあったり、多ポケット仕様であったりと収納面に関しても申し分ありません。■DATAW39.5×H33×D5.5cm
アイテム5
3WAY メトロポリタン ソフト コンバーチブル バックパック
ブリーフ・ショルダー・バックパックと3通りのスタイルで使えるため、あらゆるオケージョンに順応! 表地にはナチュラルなシボ感と高次元なタフネスを兼ね備える、リファインド ペブルレザーを用いています。内部はA4サイズの書類をすっぽりと収納でき、なおかつ多機能ポケットも搭載するので荷物の整理は極めてイージーです。■DATAW46×H31×D9cm
▼カジュアルコーデにクラス感を。大人の持つべきリュック&ショルダーバッグは『コーチ』にある
続けて休日のカジュアルシーンにうってつけな、リュック&ショルダーバッグからピックアップ。クラス感をまとったルックスで、きれいめのコーディネートに合うのはもとより、ラフなスタイルの引き締めにも活用できます。
アイテム1
ゴッサム メッセンジャー 27 シグネチャー キャンバス
本体にカーフレザー、そしてフラップ部分にお馴染みのシグネチャーキャンバスを使ったメリハリあるデザイン。シンプルな春夏コーデのアクセントとして投下したい1品です。コンパクトな見た目ながら容量はしっかり目で、中には11インチのiPad Proもすんなりと入ります。ストラップは長さ調節ができるので、自分好みのフィット感で取り入れましょう。■DATAW27×H24.5×D7.4cm
アイテム2
スウィンガー バッグ
1980年代の古き良きアーカイブモデルがデザインの基盤となっている逸品。小ぶりなフォルムのバッグですので、“ちょっとそこまで”な場面にはうってつけです。表地は堅牢なグラブタンレザー製で、ターンロック式の留め具がさりげないアイキャッチとなっています。ちなみにストラップを外せばクラッチバッグにもなるので、着こなしに合わせたアレンジを。■DATAW23.5×H14.3×D6cm
アイテム3
メトロポリタン ソフト スモール メッセンジャー
軽量&小型なシボ革製メッセンジャーバッグは、アクセサリー感覚で携行したいアイテム。ミニマルなデザインですので、着こなしのテイストを問わず落とし込めそうですね。内側にiPad mini対応の収納スペースを用意し、外側にはスマホ・ウォレットといった手回り品を入れるのに便利なジップポケットを設えています。■DATAW23.8×H26.4×D1.7cm
アイテム4
ヒッチ バックパック
しっとりとした風合い&きめ細かさを持ち味とするスポーツ カーフレザーで仕立てたモデル。本来はカジュアルなアイテムであるリュックも、高級レザー製だと洗練された面持ちです。蒸れやすい背面に風通しの良いメッシュ素材を使うことで、快適性にもきちんとアプローチしています。収納性に配慮し、外側には2つの大型ポケットをセッティング。■DATAW25×H39.2×D13.8cm
アイテム5
リーグ フラップ バックパック カラーブロック
洒脱なツートンカラーを纏った、リファインド カーフレザー製のスクエア型リュック。ストラップ&背面には心地良いメッシュ生地を使っていますから、重厚な見た目ながらも着用感は軽やかです。また、背面にはメインルームに直接アクセスできるジップが装備され、荷物の取り出しがクイックに行えます。内部はかなり充実の容量で、16インチの大型ノートPCもA4書類も余裕で収納可!■DATAW27.7×H35.5×D16.7cm
handbagでの執筆本数NO.1ライター
山崎 サトシ
アフロ歴15年のファッションライターで、趣味はヴィンテージモノの収集とソーシャルゲーム。メンズファッション誌を中心として、WEBマガジンやブランドカタログでも執筆する。得意ジャンルはアメカジで、特にデニム・スタジャン・インディアンジュエリーが大好物!